元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

バレンタインのチョコでニキビと肌荒れ?原因はチョコじゃない

更新日:2026/02/18

公開日:2026/02/20

バレンタインの季節、「チョコを食べるとニキビができるから我慢しなきゃ…」と悩んでいませんか?「チョコを食べ過ぎてニキビができてしまった」と考える人は今でもとても多いと感じます。しかし、結論から言えば、チョコレートそのものがニキビの直接の原因と断定された科学的根拠はありません。

「チョコ=ニキビ」というイメージは根強いですが、医学的には少し誤解があるのです。

「チョコを食べるとニキビができる」は本当?

たしかに昔から「チョコレートを食べるとニキビができる」という説がよく聞かれます。実際、アメリカで1960年代に行われた研究が発端となり、チョコとニキビの関係が広く語られるようになりました。ですが、その後行われた多くの研究でもチョコレート自体とニキビの明確な因果関係は証明されていません。

日本皮膚科学会のガイドラインでも、特定の食品とニキビの関係について「科学的根拠が不十分」とされています。ただし、同ガイドラインでは血糖値を急上昇させる高GI食品(糖分の多い食品)の過剰摂取はニキビを悪化させる可能性があるとも指摘されており、結局バランスの良い食生活を心がけることが大切だとされています。要するに、「チョコを食べると必ずニキビができる」というのは医学的には定かではないのです。

それでもこの通説は世代を超えて広く信じられており、ある調査では実に7割以上もの人が「チョコレートを食べるとニキビができる」と信じていたという結果も出ています。また、ニキビ予防のためにチョコレートの摂取を控えた経験がある人も約6割に上ったそうです。こうした誤解から、必要以上にチョコを我慢してしまっている人も少なくありません。

ただし、人によっては「チョコを食べた翌日にニキビが増えた気がする」という場合もあるでしょう。そのような場合は無理に食べず控える方が無難ですが、チョコレートやケーキなどを“一切食べてはいけない”というわけではありません。特に成長期の10代などは栄養バランスを考えることが大切で、チョコだけを悪者にして極端に制限するのはおすすめできません。

ニキビの原因は一つではないので、「チョコを食べたから絶対にニキビができた」と決めつけず、正しい知識を持ってバランスよく食生活を整えることが大切です。

実際、チョコを食べても肌荒れを「まったく感じない」という人も全体の1割以上いました。同じ量を食べてもニキビができやすい人とできにくい人がいるのは、皮脂の分泌量や毛穴の状態、糖質の代謝能力や腸内環境など個人差によるものと考えられます。自分の肌の傾向を観察しながら、無理のない範囲で美味しくチョコを楽しみたいですね。

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バレンタイン時期に肌荒れが増える本当の原因とは

実は、20代以降にできる大人ニキビ(いわゆる「吹き出物」)は、思春期のニキビとは異なりホルモンバランスの乱れ、ストレス、睡眠不足、食生活の偏りなど複数の要因が重なって発生します。主にフェイスラインや顎周りにできやすく、治りにくく跡が残りやすいことも特徴です。つまり大人の肌荒れは生活習慣の影響が非常に大きいのです。

では、バレンタインシーズンにニキビや肌荒れが増えると感じる場合、原因は何なのでしょうか?ポイントは「チョコレートそのもの」ではなく、その背景にある食生活や生活リズムの乱れにあります。

バレンタインデー前後は、どうしてもチョコレートや甘いお菓子を食べる機会が増えがちです。特に市販のミルクチョコレートやホワイトチョコレートには糖質や乳脂肪分が多く含まれています。これらを短期間に大量に食べると、血糖値が急上昇しインスリンが過剰に分泌されます。

この結果、皮脂腺が刺激されて皮脂の分泌が活発になり、毛穴が詰まりやすくなってニキビにつながる可能性があります。つまり、ニキビの“真犯人”はチョコレートの原料であるカカオではなく、チョコに含まれる過剰な糖分や脂質なのです。

さらに見逃せないのが睡眠不足やストレスといった生活習慣の影響です。2月は年度末の繁忙期とも重なり、仕事や学業で忙しくなる人も多いでしょう。「イベント準備でつい夜更かししてしまった」「忙しくて疲れが溜まった」という時期でもあり、実際にこの時期に肌荒れを経験した人の約7割が自分で睡眠不足を感じていたというデータもあります。

ストレスや寝不足が続くとホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌が増えたり肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れたりして、結果としてニキビができやすくなります。

また、冬から春先にかけては空気の乾燥や寒暖差など環境による肌ストレスも増える季節です。肌が乾燥してバリア機能が弱まると、外部刺激に対する抵抗力が落ちるため、炎症や肌荒れが起こりやすくなります。実際に肌が乾燥していると毛穴が硬く縮小しやすくなり、皮脂や汚れが詰まってニキビが悪化しやすいとも言われます。

このように、バレンタイン時期に肌荒れが起こる背景には「糖質・脂質の過剰摂取」+「睡眠不足・ストレス・乾燥」といった複合的な要因が絡んでいます。チョコレートそのものを悪者扱いするよりも、こうした生活習慣や環境の乱れに目を向けることが美肌のためには重要です。

なお、バレンタインに限らず肌荒れを防ぐには、以下のような基本的な生活習慣も意識しましょう。

  • 十分な睡眠(最低6時間以上の睡眠を目安にしっかり確保する)
  • ストレスの軽減(適度に休息を取り、趣味の時間を楽しむなど上手にリフレッシュする)
  • 健康的な食生活と適切なカロリー摂取

チョコは我慢しなくてOK!美肌を守る賢いチョコの食べ方

「じゃあ、ニキビのためにはチョコレートを完全に断たなきゃいけないの?」と心配する必要はありません。チョコレート自体を完全に禁止する必要はなく、工夫しながら適度に楽しめば美肌も守れます。せっかくのバレンタインですから、チョコレートを上手に味方につけて美味しく楽しむ方法を知っておきましょう。

特におすすめしたいのは、カカオ含有量70%以上の高カカオチョコレートを選ぶことです。高カカオチョコはカカオ豆由来のポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用によって肌の老化を防いだり炎症を抑えたりする効果が期待できます。一方で砂糖の含有量が少なめなので血糖値の急上昇を抑えやすく、ニキビの間接的原因である皮脂分泌の過剰促進を起こしにくい利点があります。

実際、ダークチョコレートはミルクチョコレートに比べて同じ重さでも含まれる糖質量が約半分程度とされています。さらに、ダークチョコレートのGI値(グリセミック・インデックス)は約22と非常に低く、血糖値を上げにくい食品です。これは白米やパン、ケーキなど多くの炭水化物食品より低い数値で、ニキビの観点からも安心して適量を楽しめるお菓子と言えるでしょう。

適量のダークチョコなら、「お肌に悪いどころかむしろ良い影響もあるかもしれない」なんて言われるほどです。では、具体的にどのようにチョコレートを食べれば良いでしょうか。以下のポイントを心がけてみてください。

  • 高カカオ(70%以上)チョコレートを選ぶ

ミルクチョコやホワイトチョコよりも糖質が少なく、カカオの美容効果を効率よく得られます。

  • ミルクチョコやホワイトチョコはできるだけ少量に

カカオ分が少なく糖質・脂肪分が多いため、食べ過ぎないようにしましょう。

  • 1日の適量を守る

目安として1日約25g前後(板チョコなら5欠片ほど)にとどめましょう。一度に大量に食べると糖質・脂質の過剰摂取になりやすいため、少量を味わうのがポイントです。

  • 食べるタイミングを工夫する

空腹時にまとめて食べると血糖値が急に上がりやすくなります。逆に、何かお腹に入った状態で少量を食べれば糖の吸収が穏やかになり、血糖コントロールの面でも安心です。食後のデザートとして少量を味わうようにすると、糖の吸収が緩やかになりニキビリスクも抑えられます。

これらを実践すれば、「チョコレート=ニキビ」と神経質に避けなくても、バレンタインシーズンのチョコレートを罪悪感なく楽しめるはずです。私が普段診療で患者さまにお伝えしているのも、「チョコを我慢するストレスを抱えるより、適度に楽しみつつしっかり睡眠をとり、健康的な生活リズムを守る方がずっと大事ですよ」ということです。チョコを適度に楽しんでリラックスできれば、それ自体がストレスケアにもなり、結果的に肌にも良い影響を与えてくれます。

できてしまったニキビはどうする?早めの皮膚科治療がおすすめ

いくら気を付けていても、ニキビができてしまうことはあります。もしポツンとニキビができてしまったら、自分で潰したり触ったりするのはNGです。無理につぶすと、かえって炎症が悪化したり色素沈着・クレーター状のニキビ跡が残ったりするリスクがあります。

一度残ってしまったニキビ跡を完全に消すのは難しく、治療にも時間と費用がかかります。そうなる前に早めに適切なケアをすることが重要です。洗顔は1日2回を目安に優しく行い、過度な洗浄は避けてください。

また、ニキビを隠そうとしてファンデーションやコンシーラーを厚塗りするのも毛穴を塞いで悪化させる恐れがあるため控えましょう。こうしたセルフケアで1〜2週間ほど様子を見ても改善しない場合は、早めにニキビ皮膚科を受診することをおすすめします。

皮膚科では保険診療の範囲内では、塗り薬(外用薬)や抗生剤・漢方の内服薬が処方され、ニキビ治療を行います。これらの治療によって炎症を抑え、ニキビを早く鎮めて跡を残さずきれいに治すことが期待できますが、特に赤く腫れて痛みを伴うニキビや同じ場所に繰り返しできる頑固なニキビは、保険診療内の治療では改善しない場合も多く、さらに悪化してしまう前に美容皮膚科などで専門治療を受けた方が安心です。

当院ではニキビにお悩みの方向けに根本治療を目指す最新のニキビ治療機器「アグネス」を導入しています。「アグネス」とは、ニキビの原因である毛穴の奥の皮脂腺に直接アプローチして破壊し、ニキビを再発しにくくする治療です。微細な絶縁針を患部の毛穴に挿入し、高周波エネルギーを流して過剰な皮脂を生み出す皮脂腺を選択的に破壊します。

痛みや肌へのダメージを最小限に抑えつつニキビの芯から治療できるため、炎症を早く鎮めて跡を残しにくいのが特徴です。繰り返すニキビに悩まされている方には、最短でニキビを解消し跡を残さない近道として当院も推奨しています。実際、従来の治療でなかなか良くならなかった繰り返しニキビがアグネス治療によって劇的に改善したケースも増えています。

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まとめ

バレンタインを思い切り楽しむためにも、正しい知識で肌荒れを予防し、万一ニキビができてしまったときは早めに適切な対処を行いましょう。医療機関ではアグネスにより早期にニキビが改善可能です。ニキビに悩んだら、一人で抱え込まずぜひ専門家にご相談ください。チョコレートも上手に味方につけて、甘い季節を美肌で乗り切ってくださいね。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

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