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エクリン汗嚢腫は皮膚科で保険適用で治せる?徹底解説
更新日:2025/10/21
公開日:2025/10/21
私は青山セレスクリニック・船橋中央クリニックの院長として、エクリン汗嚢腫や顔のブツブツ、ニキビ治療を数多く手がけてきました。顔や目のまわりに小さなブツブツができて悩んでいる方から、「皮膚科で保険適用で治療できますか?」というご質問をよく受けます。結論から言うと、エクリン汗嚢腫の治療は日本の保険診療では行えません。
しかし「なぜ保険適用にならないのか?」、「そもそもエクリン汗嚢腫とは何か、汗管腫との違いは?」、「治す方法はあるのか?」といった疑問が湧くと思います。
この記事では、そうした疑問に専門医の立場からお答えし、エクリン汗嚢腫に悩む方に向けて 皮膚科での保険治療の可否や最新の治療法(ボトックス注射・アグネス)まで徹底解説していきます。
エクリン汗嚢腫とは?症状と特徴

エクリン汗嚢腫
まずエクリン汗嚢腫(エクリンかんのうしゅ)とは、汗を分泌するエクリン汗腺という汗管が嚢胞状(袋状)に拡張してできる良性の皮膚腫瘍です。簡単に言えば、汗腺の管が小さな水風船のように膨れてしまった状態と考えてください。主に顔、それも特に目の周りの皮膚に生じやすく、直径数ミリ程度の半透明〜肌色の小さなプツプツ(隆起)として現れます。
触ると柔らかく、少し動く感じがあるのも特徴です。痛みやかゆみなどの自覚症状はなく健康に害はありませんが、見た目の問題として気になる方が多い疾患です。目の周りに小さなブツブツが多数見られます。
このような症状が現れると、多くの方は最初ニキビや稗粒腫(はいりゅうしゅ)と勘違いします。しかし、実際にはエクリン汗嚢腫や汗管腫といった皮膚疾患である可能性があります。エクリン汗嚢腫の場合、汗をかくと急にブツブツが増えて目立ち、汗が引くと目立たなくなるという特徴があります。夏など暑い時期や入浴後に悪化し、冬場や涼しい環境では小さく縮んで目立ちにくくなるのです。
このように汗や気温によって一時的に大小が変動するのがエクリン汗嚢腫の大きな特徴です。エクリン汗嚢腫は原因が明確には分かっておらず、予防法も確立されていません。傾向としては中年以降の女性に多く見られますが、若い方や男性でも発症することがあります。
一度できたエクリン汗嚢腫は自然に消えることはほとんどなく、適切な治療をしない限り何年も持続したり増えたりすることがあります。最初は目の周りだけだったのが、徐々に眉間や額、頬、鼻の下、顎など顔全体に広がっていくケースも少なくありません。放置しても健康上の問題はありませんが、見た目の印象が気になるため治療を希望される方が多いのです。
エクリン汗嚢腫と汗管腫の違い

エクリン汗嚢腫とよく似た疾患に汗管腫(かんかんしゅ)があります。汗管腫も同じくエクリン汗腺由来の良性腫瘍で、目の周りに小さなブツブツが多発するため、見た目ではエクリン汗嚢腫と区別がつきにくいことがあります。実際、専門の医師でも診断に迷う場合は病理検査(皮膚の一部を採って顕微鏡で調べる検査)で正確に診断することがあります。
両者の最大の違いは先ほど述べた「汗や気温による変化」です。汗管腫では暑さや運動で突然ブツブツが増えたり消えたりすることはなく、一年中ほぼ同じ状態で存在します。一方、エクリン汗嚢腫は夏場に増えて冬に軽快する(小さくなる)という季節変動があります。例えば「夏に目の下にブツブツがたくさん出てきて、冬になると少しマシになる」という場合はエクリン汗嚢腫が疑われます。

汗管腫
また見た目にも微妙な違いがあります。汗管腫は直径1〜3mmほどの小さな肌色〜やや褐色の丘疹で、数が多く集まる傾向があります。一方、エクリン汗嚢腫は汗管腫よりやや大きめになることもあり(ときに5mm以上になることもあります)、半透明もしくは青白い色調を帯びることがあります。
実際、エクリン汗嚢腫の中には光を当てると青っぽく透けて見えるものがあり(これを透光性といいます)、この点は汗管腫には見られない特徴です。ただし肉眼的な鑑別は難しい場合もあり、目元に複数のブツブツが現れた場合は専門医でも区別が難しい疾患です。エクリン汗嚢腫か汗管腫か判断がつかない場合でも、治療法は共通する部分が多いので大きな問題にはなりません。
エクリン汗嚢腫は皮膚科で保険適用になるの?

皮膚科を受診する患者さんにとって一番気になるのは、「この治療は保険が効くのか?」という点ではないでしょうか。残念ながら、エクリン汗嚢腫の治療は健康保険の適用外(自由診療)となります。これはエクリン汗嚢腫が良性で命に関わる危険のない疾患であり、治療の目的があくまで美容的な改善になるためです。
日本の公的医療保険では、「見た目の改善」や「生活の質の向上」を目的とする治療は対象外と定められており、健康に大きな影響を与えない良性疾患の治療費は自己負担(自由診療)になるのです。汗管腫と同様に、エクリン汗嚢腫も健康上の害はなく見た目の問題に該当するため、保険診療の範囲には含まれません。では、皮膚科では何もしてもらえないのかというと、いくつか対応はあります。
一般的な皮膚科(保険診療)では、症状が軽い場合は「経過観察」、つまり様子を見るだけになることも多いです。「良性で放っておいても問題ないですよ」と言われて、そのまま帰されてしまった…という患者さんの声も聞きます。また医師によっては、発汗を抑える作用のある外用薬(塗り薬)を処方して経過を見るケースもあります。
しかしこうした塗り薬も保険適用外で、自費で購入する必要があります。さらに塗り薬の効果は限定的で、すでにできてしまった嚢腫を無くすことは難しいのが実情です。従来、汗管腫やエクリン汗嚢腫の治療法としては炭酸ガスレーザーでの蒸散や、電気メスでの切除などが行われてきました。
これらは保険が効かないため自費治療になりますが、一部の皮膚科や美容皮膚科で提供されています。しかし炭酸ガスレーザーでは患部を一箇所ずつ焼き切るため肌へのダメージが大きく、施術後に赤みやかさぶたが生じてダウンタイム(治療後の回復期間)が長引きがちです。また複数のブツブツを治療すると傷跡(瘢痕)が残るリスクもあり、必ずしも満足のいく結果が得られないこともありました。
実際に「レーザーで焼いたけど赤みが引かずシミのようになってしまった」というケースも耳にします。このように、保険診療では有効な治療法がなく、自費でも従来の治療には課題がありました。しかしご安心ください。
エクリン汗嚢腫は治療できないわけではありません。 保険は使えませんが、近年は新しい治療法によって、従来より安全かつ効果的にエクリン汗嚢腫や汗管腫を治療できるようになっています。次に、私が実際に患者さんにおすすめしている2つの治療法について詳しく説明します。
エクリン汗嚢腫の効果的な治療法
ボトックス注射による治療

一つ目の治療法はボトックス注射です。ボトックスは元々シワ取りなどに使われる治療ですが、このボツリヌストキシン製剤を応用してエクリン汗嚢腫の治療に活用します。エクリン汗嚢腫は汗腺から汗がうまく排出されずに溜まることで膨らんだ嚢胞ですから、その部分の発汗を抑えてあげれば膨らみができにくくなります。
具体的には、目の周りなど患部の皮膚にごく少量のボトックスを細かく注射します。ボトックスには汗の分泌を弱める作用があるため、注射後はその部位の発汗量が低下し、汗をかいてもブツブツが生じにくくなります。実際、ボトックス注射を受けた患者さんは「暑い日でも目の下の膨らみが気にならなくなった」と仰います。
さらにボトックスには皮脂分泌を抑え毛穴を引き締める効果もあり、注射部位の小ジワが改善して肌がつるっとするおまけの効果も得られます。ボトックスによる発汗抑制効果は約6ヶ月前後持続します。そのため私は、特に夏場に症状が悪化する患者さんには毎年5月頃に1回注射することを提案しています。
そうすれば汗をかきやすい夏場の間は快適に過ごせますし、効果が切れる頃には涼しくなってくるため症状が気になりにくくなるからです。ボトックスは何度も繰り返し使える治療で、副作用も適切な量で打てば心配ありません。毎年継続して治療を受けていると徐々にその部位の汗腺自体が萎縮して汗をかきにくくなる傾向があり、年々症状が軽くなる方も多いです。
実際、数年間毎年治療を続けた結果、「最近はほとんどブツブツが出なくなり、治療の間隔を空けられるようになった」という患者様もいらっしゃいます。ボトックス治療の利点は、注射だけで済む手軽さと即効性です。施術時間も数十分程度で、ダウンタイムはほぼありません。
注射の針跡も数時間〜1日程度で目立たなくなります。ただし、やはり効果には持続期間があるため、一度の治療で永続的に治るわけではない点は理解しておきましょう。エクリン汗嚢腫の症状が強い方や、夏だけでなく冬場も膨らみが残っているような場合には、次に述べる根本治療も選択肢に入ります。
高周波治療器「アグネス」による治療
二つ目の治療法が、近年登場した高周波治療器「アグネス」による治療です。アグネスは元々ニキビ治療のために開発された医療機器ですが、その優れた効果から汗管腫やエクリン汗嚢腫、脂腺増殖症など顔にできる様々なブツブツを治療する目的で応用されるようになりました。極細の針を皮膚のブツブツ(一つひとつの腫瘍)に直接刺し、その先端から高周波エネルギーを照射することで、汗嚢腫の原因であるエクリン汗腺の組織に熱ダメージを与えます。
簡単に言えば、膨らんだ汗腺の袋を中から焼いてしぼませるイメージです。この治療により、患部の組織を確実に破壊できるため、時間とともに膨らみが小さく縮んでいきます。アグネス治療の大きなメリットは、肌表面へのダメージが最小限であることです。
使用する針は非常に細いため、針を刺した跡はすぐに塞がり目立たなくなります。レーザーのように皮膚を広範囲に削ったり焼いたりしないので、ダウンタイムもほとんどありません。施術後は赤みや軽い腫れが出ることがありますが、メイクは翌日から可能で、日常生活への支障はほぼありません。
さらに、ターゲットとなる汗腺組織を直接破壊できるため再発率が低いとされています。私の臨床経験でも、一度アグネスで治療した部位から同じ大きさの汗嚢腫が再発するケースはほとんど見られません。効果の面でも、アグネス治療は従来のレーザー治療を一変させる画期的なものです。
確実な効果として、超微細針で直接エクリン汗嚢腫の組織にRFエネルギーを送り込むことで、その組織を破壊・変性させます。これにより治療後は汗嚢腫のサイズや数が徐々に減少していきます。汎用性も高く、アグネス一台で汗管腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症、ニキビといった複数種類の「顔のブツブツ」をまとめて治療することが可能です。
例えば目の下に汗管腫とエクリン汗嚢腫が混在している場合でも、区別せず一緒に治療できるので効率的です。アグネス治療の流れとしては、まず患部に麻酔クリームなどで十分な表面麻酔を行った後、一本ずつの腫瘍に針を刺してエネルギーを与えていきます。治療直後は針を刺した周囲がわずかに腫れるため、一時的に「治療前より目立っている?」と感じるかもしれません。
しかし心配いりません。腫れは数日で引き、その後数週間から数ヶ月かけて徐々に治療部位の膨らみが縮小していきます。1回の治療で劇的に全て消えるわけではありませんが、確実に小さくなることは実感いただけるはずです。
私のクリニックでは通常、2〜3ヶ月おきに計3回程度の施術を推奨しています。小さいものや数が少ない場合は1回で満足されるケースもありますが、ブツブツが多発している場合は複数回の治療で少しずつ確実に症状を改善していく方が効果的だからです。実際、3回の治療を終える頃には「鏡に映る肌がかなりツルツルになった」「ファンデーションで隠さなくても気にならないレベルになった」といった喜びの声を多数いただいています。
アグネス治療には思わぬ副次的なメリットもあります。それは皮膚の引き締め効果です。高周波エネルギーが真皮に伝わることでコラーゲン生成が促され、治療部位の肌にハリが出て小ジワが目立ちにくくなることがあります。
ボトックス注射でもシワ改善効果が得られると述べましたが、アグネスでも「目元のシワが改善された」という嬉しいおまけ効果が報告されています。エクリン汗嚢腫や汗管腫の治療をしながら肌質の向上も期待できるのは、一石二鳥と言えるでしょう。私自身、このアグネス治療を国内でいち早く導入し、多くの患者様に提供してきました(これまでに延べ1万人以上へのアグネス治療経験があります)。
その経験から断言できるのは、アグネスは汗管腫やエクリン汗嚢腫で悩む方々の「救世主」になり得る治療法だということです。従来のレーザー治療よりも格段にダウンタイムが短く、副作用も最小限に抑えられるため、忙しい社会人の方や遠方から通院する方にも安心して受けていただけます。
もちろん施術には高度な技術と経験が必要なので、専門のトレーニングを積んだ医師と看護師のもとで受けることが大切です。正しい設定と手技で行えば、安全性は非常に高く効果もしっかり出ます。
まとめ
エクリン汗嚢腫は一見ニキビやイボのようにも見えるため、正体が分からず不安になる患者さんも多いでしょう。さらに皮膚科で「保険が効かない」「治療法がない」と言われて途方に暮れてしまうケースもあります。しかし、本記事で解説した通りエクリン汗嚢腫自体は良性で健康に問題を起こす疾患ではなく、保険適用外ではあるものの治療自体は可能です。
大切なのは正しく診断し、適切な治療法を選択することです。私のおすすめするボトックス注射とアグネス治療は、それぞれアプローチは異なりますが、いずれもエクリン汗嚢腫や汗管腫の改善に有効な治療法です。ボトックス注射は汗の分泌を抑えて症状をコントロールする方法で、特に夏場だけ症状が出るような方には手軽で効果的な選択肢でしょう。
一方、アグネス治療は腫瘍そのものを小さく破壊していく根本治療で、多少時間はかかっても再発しにくい確実な効果が期待できます。症状の程度や患者さんの希望に応じて、これらの治療を組み合わせることも可能です。例えばまずボトックスで夏の急激な悪化を抑えつつ、残った嚢腫をアグネスで徐々に縮小させていく、といったプランも状況によっては提案しています。
いずれの治療も保険適用外にはなりますが、見た目のコンプレックスを解消しQOL(生活の質)を高める十分な価値があると私は考えています。実際、治療を受けられた患者様からは「鏡を見るストレスが減った」「人前で自信を持って話せるようになった」といった声が寄せられます。エクリン汗嚢腫や汗管腫でお悩みの方は、ぜひ一度美容皮膚科専門医にご相談ください。
経験豊富な医師であれば、あなたの症状に合わせた最適な治療法を提案してくれるはずです。私のクリニックでも、エクリン汗嚢腫かどうか分からない初期段階のご相談から承っています。適切な診断と治療によって、長年悩んだ顔のブツブツが改善し、明るい素肌を取り戻すお手伝いができれば幸いです。
お気軽にご相談ください。この記事が、エクリン汗嚢腫に悩む皆さんの参考になれば幸いです。一人で悩まず、専門家の力を借りて是非前向きに治療をご検討ください。あなたの肌の悩みが解決する日を、私も心から願っています。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。
ボトックス, アグネス, 汗管腫, エクリン汗嚢腫, ほくろ
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