投稿日:2025/02/21
(最終更新日:2025/02/21)
ほくろ除去で後悔しないための完全ガイド|医師が解説する5つのポイント
「ほくろを除去したら傷跡が目立ってしまった」
「思ったより綺麗に仕上がらなかった」
といった後悔の声を耳にすることがあります。ほくろ除去は比較的シンプルな施術ですが、適切な知識や医師選びをしないまま受けると、期待と現実のギャップに悩むことになりかねません。
この記事では、ほくろ除去で後悔する理由と、満足のいく結果を得るために必要な知識をお伝えします。適切な選択のための情報を得ることで、ほくろ除去を前向きな経験にしていただければ幸いです。
ほくろ除去で後悔する主な5つの理由
ほくろ除去後に患者さんが後悔する理由は、大きく分けて以下の5つです。これらを理解することで、あなたも後悔のリスクを減らすことができます。
予想以上の目立つ傷跡が残った
ほくろ除去で最も多い後悔の理由は「傷跡が予想より目立つ」というものです。特に顔や首などの目立つ部位では、小さな傷跡でも気になることがあります。
傷跡の程度は施術方法(切除法・レーザー・電気メスなど)、医師の技術と経験、患者さん自身の肌質や治癒力、そして術後のケア方法に大きく左右されます。肌質によっては、ケロイド体質や肥厚性瘢痕ができやすい方もいるため、事前の見極めが重要です。
色素沈着・色素脱失が起きてしまった
施術後に色素沈着(茶色っぽく色が残る)や色素脱失(白く抜ける)が起こると、新たな肌トラブルとして悩むことになります。特にレーザー治療や電気メスによる治療後は、一時的な色素沈着が起こりやすい傾向があります。多くの場合は時間とともに改善しますが、完全に元の肌色に戻るまでに数か月〜1年以上かかることもあります。
再発してしまった
ほくろは完全に除去したつもりでも、深部に残った細胞から再発することがあります。特に大きなほくろや色の濃いほくろは、再発リスクが高まります。再発を防ぐためには、適切な深さまで除去すること、症例に合わせた最適な施術方法を選ぶこと、そして定期的な経過観察を行うことが重要です。
費用対効果に満足できなかった
自由診療となるほくろ除去は、クリニックによって料金体系が大きく異なります。高額な費用を支払ったにもかかわらず、期待していた結果が得られないと強い後悔につながります。
料金だけでなく、医師の技術や経験、使用する機器、アフターケアの充実度など総合的に判断することが大切です。
医師とのコミュニケーション不足によるミスマッチ
施術前の丁寧な説明と、患者さんの希望・不安の共有が不十分だと、期待と現実のギャップが生じます。
例えば、傷跡の程度について具体的なイメージを持てていなかった、回復までの経過や期間について説明を受けていなかった、複数回の施術が必要なことを知らされていなかったなどの情報不足が後悔につながるケースが少なくありません。施術前のカウンセリングでは、どんな小さな疑問でも遠慮なく医師に質問することが重要です。
ほくろとは|基本的な知識
ほくろは黒子とも呼ばれていますが、医学用語では色素性母斑と言います。ほくろは良性の腫瘍であり、腫瘍の特性として長い年月をかけて増大したり、形態を変えたりします。
重要なポイントとして、ほくろは良性腫瘍ですので、悪性化して癌になることはありません(癌は悪性腫瘍に分類されます)。ほくろの形や色の濃さなどはさまざまですが、顔・唇のほくろや体のほくろなど、すべてのほくろは適切な治療で除去することが可能です。
ほくろ除去の種類と特徴|それぞれのリスクと適応
ほくろ除去方法には様々な種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。ほくろの種類や部位、大きさによって最適な方法は異なります。
切除縫縮法(メスによる除去)
切除縫縮法は、ほくろをメスでくり抜いて除去し、皮膚の端を縫い合わせる方法です。縫合した傷は通常7日後に抜糸を行います。
メリット:
- 完全に除去できる確率が高い
- 病理検査が可能
- 深いほくろにも対応可能
- 1週間で治療が完了する(他の方法に比べて早い)
デメリット:
- 縫合の跡が残る可能性がある
- 鼻先や口の周りなどの部位や大きなほくろは、傷が少し目立って残ることがある
適応:
- 大きめのほくろ(5mm以上)
- 病理検査が必要な場合
- 盛り上がったほくろ
施術後の経過:
- 抜糸した直後の傷はくっきりとした線ですが、時間の経過とともに薄くなります
- ほくろの除去部位にもよりますが、月日が経てば最終的にはうっすらとした細い線になり、ほとんどわからなくなることが多いです
- 施術後はほくろを除去した部位に肌色の小さいテープを貼ります(テープの上からお化粧もできるため、それほど目立ちません)
炭酸ガスレーザーによるほくろ除去
炭酸ガスレーザーでほくろを削り取って除去する方法です。ほくろを削ることにより、除去直後はほくろがあった部位には皮膚のくぼみができます。
メリット:
- 最終的な跡は全ての方法の中で最も優れている
- 傷跡が比較的目立ちにくい
- 顔の目立つ部位にも適している
デメリット:
- 治癒までに2〜3週間かかる
- 処置後のテープが比較的大きく目立つことがある
- まれに再発することがある
適応:
- 顔など目立つ部位の小さなほくろ
- 跡を最小限にしたい場合
- 色素性の薄いほくろ
施術後の経過:
- くぼみは皮膚の細胞が再生することにより約2~3週間で平らになります(皮膚の上皮化)
- 上皮化したばかりの皮膚は赤みがありますが、さらに1~3か月ほどかけて赤みが収まります
- 最終的には周囲の皮膚とほとんど区別がつかないほどきれいに治ることが多いです
- 施術後は1日2回軟膏を塗り、ガーゼ付きのテープを除去部位に貼る必要があります(約2~3週間継続)
電気分解法によるほくろ除去
メリット:
- 比較的短時間で施術可能
- 出血が少ない
- 除去直後のテープが目立ちにくい
デメリット:
- 熱による色素沈着が起こりやすい
- 深いほくろには不向き
- 病理検査ができない場合がある
適応:
- 小さく薄いほくろ
- 複数の小さなほくろの除去
※当院では現在、切除縫縮法と炭酸ガスレーザー法を主な施術方法としており、電気分解法は提供しておりません。それぞれの患者様に最適な方法を診断時にご提案させていただいております。
これらの方法にはそれぞれ特徴がありますので、ご自身のほくろの状態や希望に合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。
ほくろ除去で後悔しないためのクリニック選びのポイント
適切なクリニック選びは、施術の成功と満足度を大きく左右します。以下のポイントをチェックしましょう。
医師の専門性と経験を確認する
ほくろ除去を担当する医師の専門性と経験は非常に重要です。
- 皮膚科専門医または形成外科専門医の資格を持っているか
- ほくろ除去の施術実績数
- 特に顔など目立つ部位の症例経験
これらの情報は公式サイトに掲載されていることが多いですが、カウンセリング時に直接確認するのも良いでしょう。
症例写真で実績を確認する方法
多くのクリニックでは症例写真を公開しています。チェックポイントは:
- 施術前・施術後の比較写真があるか
- あなたのほくろと似た症例があるか
- 術後の経過(1週間後、1か月後、半年後など)が確認できるか
- 傷跡の状態が確認できるか
症例写真を見る際は、照明や角度によって見え方が違うことも考慮してください。
カウンセリングで確認すべき5つの質問
- どの施術方法が最適か、その理由は?
医師がなぜその方法を勧めるのか、他の方法と比較してどうかを説明してもらいましょう。 - 予想される傷跡の程度と回復期間は?
具体的なイメージを持つことで、術後の期待値を現実的なものにできます。 - 再発の可能性とその対応は?
再発した場合の対応方針や追加費用について確認しておきましょう。 - 起こりうる合併症とその対処法は?
リスクを理解した上で施術を受けることが大切です。 - 術後のケア方法と注意点は?
具体的なケア方法と通院スケジュールを確認しましょう。
料金体系の透明性を見極める
後悔しないためには、費用面での透明性も重要です。
- 施術費用に含まれるものと別途かかるものの区別
- 再発時や修正時の費用
- 術後薬や処置にかかる費用
明確な料金表がなく、あいまいな説明しかないクリニックは避けた方が無難です。
当院では以下のような施術費用となっておりますので、他院と比べる際は参考にしてください:
- 切除縫縮法 1mm: 13,200円(税込)
- 炭酸ガスレーザー除去法 1mm: 13,200円(税込)
大きさによって料金が変わりますので、カウンセリング時にお気軽にご相談ください。
ほくろ除去後のアフターケアと経過
適切なアフターケアは、傷跡を最小限に抑え、合併症を防ぐために非常に重要です。
正常な回復過程と注意すべきサイン
施術後の一般的な経過は以下の通りです:
- 施術直後:赤み、軽い腫れ、痛み
- 1〜3日後:かさぶた形成
- 1週間後:かさぶたが取れ始める
- 2週間後:表面は概ね治癒
- 1〜3か月:赤みや色素沈着が徐々に薄くなる
- 6か月〜1年:最終的な傷跡の状態に落ち着く
以下のサインがある場合は医師に相談してください:
- 強い痛みや腫れが続く
- 膿が出る
- 38℃以上の発熱
- 傷口の異常な開き
- かさぶたが2週間以上取れない
傷跡を目立たなくするためのケア方法
傷跡を最小限に抑えるためのケア方法:
- 医師の指示に従った消毒と軟膏塗布
- 必要に応じてテープ固定や傷跡保護材の使用
- 最低3ヶ月間の徹底した紫外線対策(SPF50以上の日焼け止め使用)
- 入浴時の濡れ・こすれ防止
- アルコール摂取や激しい運動の制限(医師の指示期間)
フォローアップの重要性
定期的なフォローアップは、傷跡の状態確認や合併症予防のために重要です。
- 抜糸のタイミング(切除法の場合)
- 1週間後のチェック
- 1ヶ月後の経過確認
- 3〜6ヶ月後の最終確認
医師から指示された通院スケジュールは必ず守りましょう。
ほくろ除去の満足度を高める心構えとポイント
最後に、ほくろ除去で高い満足度を得るための重要なポイントをまとめます。
現実的な期待値を持つ
完全に跡が残らない施術は存在しません。どんなに技術が高い医師でも、ほくろ除去後には何らかの跡が残ります。その跡がどの程度目立つかは、施術方法や個人の肌質、ほくろの性質によって異なります。
「跡が全く残らない」という非現実的な期待は、必ず後悔につながります。医師と十分に相談し、あなたの場合にどの程度の跡が残る可能性があるかを理解しておきましょう。
十分な情報収集と複数の意見
特に顔など目立つ部位のほくろ除去を検討している場合は、一つのクリニックだけでなく、複数のクリニックでカウンセリングを受けることをおすすめします。それぞれの医師の見解や提案を比較することで、より適切な判断ができます。
当院のほくろ除去症例写真
ほくろ除去の実際の結果をご覧いただくことで、施術のイメージがより具体的になります。以下に当院で施術を受けられた患者様の症例写真をご紹介します。
※症例写真は患者様の同意を得て掲載しています。結果には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
よくある質問
Q1.ほくろは再発しますか?
A1. ほくろ除去の方法で再発率は違います。最も再発しないのは切除縫縮法とくり抜き法です。まず再発することはありません。炭酸ガスレーザー除去法も再発する確率はかなり小さいです。電気焼灼法は、他の方法に比べると再発しやすいです。
Q2. 除去した跡は残りますか?
A2. どの方法でも跡形もなく、なくなるわけではありません。厳密に言うと、どれも跡が残ります。ただ、炭酸ガスレーザー除去法は除去後しっかり軟膏処置を行えば、ほとんど跡がわからないくらいになります。切除縫縮法の傷跡もあまり大きなほくろではない限り、かなりきれいに治ります。
Q3. 炭酸ガスレーザー除去法後の軟膏処置のテープは目立ちますか?
A3. テープはほくろより1回り大きい程度で肌色です。人により感じ方が違いますので、言い切ることはできませんが、除去部位が顔に1か所であれば、それほど目立ちません。
まとめ
ほくろ除去で後悔しないためには、正しい知識を身につけ、自分に最適な施術方法を選ぶことが重要です。信頼できる医師・クリニックを選び、適切なアフターケアを行うことで、満足度は大きく向上します。また、完璧な結果を求めすぎず、現実的な期待値を持つことも大切です。
ほくろ除去は適切な知識と信頼できる医師選びがあれば、後悔するどころか、むしろ自信につながる前向きな選択となります。不安や疑問がある方は、当院の経験豊富な医師によるカウンセリングでお気軽にご相談ください。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている。
ウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
千葉エリアで治療をご希望の方はこちら

〒273-0005
千葉県船橋市本町6-4-15
グラン大誠ビル 2F
責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
東京エリアで治療をご希望の方はこちら

〒107-0061
東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者