投稿日:2023/11/25
(最終更新日:2024/12/09)
男なのにおっぱいがある?女性化乳房の可能性について
男なのにおっぱいがある、男なのに胸がある、という悩みは実は多くの男性が持っています。医学的には女性化乳房と言います。英語ではgynecomastiaと書き、ガイノコマスチアまたはギネコマスチアと発音されます。ネット上ではガイノと呼ばれることがよくあります。また、女性化乳房には大きく分類して、乳腺が本当に発達している場合と脂肪が発達している場合の2つ分けられます。前者を真性女性化乳房、後者は偽性女性化乳房と言います。今回は偽性女性化乳房について深堀した説明をします。
偽性女性化乳房とは
偽性女性化乳房(pseudogynecomastia)は、男性における乳房の異常な膨らみで、主に過剰な脂肪組織の蓄積によって生じます。これは、本来の女性化乳房(gynecomastia)とは異なり、乳腺組織の増大ではなく脂肪組織の増加が原因です。偽性(ぎせい)とは「偽り」、「本当でない」という意味です。乳腺があることが本当の乳房であるのに対して、脂肪ばっかりある偽性女性化乳房は偽物ということに医学的には定義されています。
偽性女性化乳房の原因とは
偽性女性化乳房の原因は以下の通りです:
●肥満
体重が増加すると、体の脂肪組織も増加します。特に、胸部周囲の脂肪が増えることで、乳房のように見える膨らみが生じることがあります。
●肝機能の低下
肝臓は体内のホルモンバランスを調節する重要な役割を果たしており、特に性ホルモンの代謝に関与しています。肝機能低下でエストロゲンの量が相対的に増えたり、テストステロンの活性が抑制されたりすること女性化乳房の原因となることがあります。
●年齢とホルモンの変化
年齢とともにホルモンバランスが変化し、特に男性ホルモン(テストステロン)の減少と女性ホルモン(エストロゲン)の相対的な増加が、脂肪の分布に影響を及ぼすことがあります。
●遺伝的要因
体脂肪の分布は遺伝的要因によっても影響される可能性があり、特定の家族では胸部周囲に脂肪が蓄積しやすい傾向が見られることがあります。
●幼少期の肥満
肥満が幼少期からあった場合、胸部に脂肪が蓄積しやすくなる可能性があり、成人後に痩せた場合も胸部に脂肪が残りやすい傾向があります。
●生活習慣
不健康な食生活や運動不足も、体脂肪の増加に寄与し、結果として偽性女性化乳房の発生に関係する可能性があります。
偽性女性化乳房が気になる背景
偽性女性化乳房の患者は、「痩せていた時も膨らみが気になっていた」、「筋トレは頑張ってやっているのに胸の脂肪だけ取れない」、「中学生頃から気になっていたが、中年になって膨らみが大きくなった」などの訴えが多くあります。偽性女性化乳房が気になる時期としては30代以降の傾向があり、30代以降では男性もやはり脂肪の燃焼が減り、脂肪を蓄積しやすいとされています。もともと胸の脂肪のふくらみがあった上に、脂肪量が増えたことでより「おっぱい」のように見えてしまい、偽性女性化乳房が悩みとなります。
偽性女性化乳房の解決法
偽性女性化乳房(pseudogynecomastia)の主な原因は胸部に蓄積した過剰な脂肪であり、これは通常、ライフスタイルの変更によって改善することができます。以下に、偽性女性化乳房の解決策をいくつか挙げます:
●食生活の改善
カロリー摂取量を減らし、バランスの取れた食事に切り替えます。
高脂肪、高糖質の食品を避け、野菜、果物、全粒穀物、たんぱく質が豊富な食品を摂取します。
●定期的な運動
有酸素運動
有酸素運動(ジョギング、サイクリング、水泳など)を定期的に行い、全体的な体脂肪を減らします。
筋トレ
胸部の筋肉を鍛えることで、胸部の外見を改善することができます。プッシュアップ、ベンチプレス、ダンベルフライなどの筋トレが効果的です。
●体重管理
健康的な体重を維持または達成するために、栄養士や医師と相談することが重要です。またアプリを活用するのもよいでしょう。
●ライフスタイルの変更
アルコールの摂取量を減らす、禁煙するなど、健康的なライフスタイルの選択を行います。
●医療的介入
運動や食事で効果が見られない場合、乳腺と脂肪の吸引手術が選択肢となることがあります。

↑脂肪吸引法で脂肪と乳腺を吸引した例
まとめ
「男なのにおっぱいがある」状態は非常に大きな悩みとなり得ます。真性女性化乳房なのか、偽性女性化乳房なのか、ご自身では判断が付かない場合は、確実に診断するために専門の医療機関を受診されることをおすすめします。また、偽性女性化乳房の場合、ライフスタイルの見直しなどでも脂肪の減少が見られなかった場合は早めに専門医に相談されるのもよいでしょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、多くの女性化乳房治療を行っている。【関連項目】
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