投稿日:2024/06/03
(最終更新日:2024/06/03)

【顎プロテーゼのデメリットと老後】失敗・後悔しないための方法

あごプロテーゼ術後写真

顎プロテーゼ手術は、劇的に顔の輪郭を整え、スマートな印象を与える効果があります。目が小さい美人や鼻が大きい美人やエラが張っている美人は多くいますが、顎が後退している女性で美人に見える顔はほとんどありません。それだけに、顎の形状は顔の美しさにおいて非常に重要な要素です。顎プロテーゼ手術は、この問題を解決するための最適な方法とされています。

しかし、インターネット上では「顎プロテーゼ デメリット」「老後」「後悔」などのネガティブなキーワードが頻繁に検索されており、手術に対する一定の不安が存在することが分かります。本記事では、顎プロテーゼに関する様々な懸念点について詳しく解説し、そのリスクを理解し、失敗や後悔を避けるための方法についてご紹介します。

この記事を通じて、顎プロテーゼ手術を検討している方々が安心して決断を下せるよう、必要な情報を提供します。

顎プロテーゼ手術の概要

顎プロテーゼ手術は、小さな顎(小顎)や後退した顎の状態を改善し、顔の輪郭を整えるために行われます。この手術に使用される素材の多くはシリコンであり、シリコンはその柔軟性と自然な触感が特徴で、患者にとって快適な結果をもたらします。

手術は通常、局所麻酔下で行われ、口腔内(下唇の内側)に小さな切開を入れて実施されます。このアプローチにより、外部に傷跡が残らない利点があります。切開を通じて顎の骨にアクセスし、プロテーゼを顎の骨の上に固定します。手術自体は比較的短時間で完了し、通常は1時間以内で終わります。

このように、顎プロテーゼ手術は顎の形状を効果的に改善し、顔全体のバランスを向上させるための安全で効果的な手法です。

顎プロテーゼのシリコン

↑顎の骨の上にプロテーゼを固定したところ

顎プロテーゼ手術のデメリットや老後の変化について

顎プロテーゼ手術にはいくつかのデメリットがあります。また、加齢や挿入後の経時的変化により、老後にいくつかのトラブルが発生する可能性があります。これらは手術のリスクや術後の問題を含み、患者が十分に理解しておくべき重要なポイントです。

1.感染リスク

どの手術にも共通するリスクの一つに、術後の感染があります。顎プロテーゼ手術においても例外ではありませんが、プロテーゼに使用される素材は生体適合性が高く、感染リスクは非常に低いとされています。それでも、まれに感染が発生する場合があり、その際にはプロテーゼの除去が必要となることがあります。

2.プロテーゼのずれや位置の変化

顎プロテーゼが意図した位置からずれることがあり、これにより顔の非対称や不自然な見た目が生じることがあります。特に、加齢に伴って皮膚や軟部組織が弛緩するため、プロテーゼの位置が変わることがあり、見た目に違和感が生じたり、プロテーゼが目立つようになる可能性があります。このような場合、ずれを修正するためには再手術が必要になることがあります。ただし、経験豊富な医師による手術であれば、プロテーゼのずれや位置の変化のリスクを最小限に抑えることができます。

3.感覚の変化

顎プロテーゼ手術において、オトガイ神経が損傷されるリスクがあり、これにより顎や唇の感覚が鈍くなったり、しびれが生じたりすることがあります。この感覚の変化は一時的な場合もありますが、まれに永続的になることもあります。しかし、経験豊富な医師による手術であれば、このようなリスクは極めて低く抑えることが可能です。

4.骨吸収

顎プロテーゼの長期間の使用に伴い、プロテーゼが挿入された部位で骨吸収が起こる可能性があります。骨吸収とは、骨が破壊され再構築される生理的な自然現象であり、骨の健康を維持するために必要な現象です。しかし、プロテーゼの周囲で過剰な骨吸収が発生すると、骨密度が減少し、インプラントの安定性に問題が生じることがあります。特に、プロテーゼが骨膜上に適切に挿入されていない場合、この問題が顕著になることがあります。骨吸収の予防には、経験豊富な医師による適切な大きさと位置へのプロテーゼの正確な挿入が不可欠です。骨吸収が進行すると、インプラントの安定性が低下し、最終的にはインプラントの除去や再手術が必要になる場合があります。

5.見た目の不満

顎プロテーゼ手術の結果が期待と異なる場合、患者は美容的な不満を感じることがあります。特に、プロテーゼの形やサイズ、位置が理想と違う場合に不満が生じることが多いです。また、加齢に伴う顔全体の変化(例えば皮膚のたるみやボリュームの減少)は、プロテーゼの位置や見た目に影響を与えることがあります。これにより、再手術や追加の美容処置が必要になる場合もあります。

6.ダウンタイムと回復期間

手術後の回復には数週間かかることがあり、その間は腫れや痛み、制限された活動を伴うことがあります。これにより、日常生活や仕事に影響が出ることがあります​​。

出典元:

Evaluating Facial Esthetics: The Esthetic Plane

あごプロテーゼの実際

↑あごプロテーゼ(シリコン製)

顎プロテーゼの後悔する場合

顎プロテーゼ手術後に後悔する可能性がある要因はいくつかあります。以下に詳細を説明します。

■見た目の変化や対称性に対する不満

手術後の顔の輪郭が予想と異なる場合、不満が生じることがあります。特に、プロテーゼの形やサイズが期待に沿わない場合や、自然な見た目でないと感じる場合があります​ また、顎の左右対称性が保たれない場合、見た目に違和感を覚えることがあります。

■手術のリスクや副作用

手術後の感染は一般的なリスクであり、感染が発生すると痛みや腫れ、さらには再手術が必要になることもあります​。また、プロテーゼが年月が経過してから正しい位置からずれることがあり、これにより不自然な見た目や不快感が生じることがあります​。

■感覚の変化

顎や唇の感覚が一時的または永続的に変わる可能性があります。これはオトガイ神経の損傷によるものです​。

顎プロテーゼ手術を失敗・後悔しないために①:明確なイメージを持つこと

顎プロテーゼ手術を成功させるためには、手術後の自分の顔のイメージを明確に持つことが極めて重要です。顎プロテーゼは、シャープでバランスの取れた顎を作り出す効果がありますが、プロテーゼのサイズや形状が不適切だと、不自然な見た目になるリスクがあります。このような失敗や後悔を避けるためには、手術前に医師との十分なカウンセリングが欠かせません。

カウンセリングでは、自分の希望や期待を詳しく伝え、医師と共に具体的な手術後のイメージを共有することが大切です。経験豊富な医師は、患者の顔のバランスや骨格に基づいて最適なプロテーゼのサイズや形状を提案してくれます。手術を受ける前に、具体的なイメージを持つことで、自信を持って手術に臨むことができ、術後の満足度も高まります。

顎プロテーゼを失敗・後悔しないために②:経験豊富な医師による手術

顎プロテーゼ手術は高度な技術を要するため、経験豊富な医師による施術が極めて重要です。経験の浅い医師が手術を行うと、オトガイ神経を損傷し、術後にしびれが残ったり、プロテーゼがずれるなどのトラブルが発生するリスクが高まります。手術の成功は医師の技術に大きく依存し、合併症のリスクも医師の腕次第で大きく異なります。手術の成功率を高め、術後の後悔を避けるためには、手術を担当する医師の経歴や実績を事前に確認し、信頼できる実績を持つ医師を選ぶことが最も重要です。過去の手術例や患者の口コミも参考にしましょう。医師の選択は、手術の結果に直接影響を与えるため、慎重に行うことが大切です。

顎プロテーゼを失敗・後悔しないために③:安いクリニックに惑わされない

 顎プロテーゼ手術の費用はクリニックによって大きく異なりますが、極端に安い価格を提示するクリニックには注意が必要です。安さの背後には、医師の経験不足や隠れた追加費用が潜んでいることがよくあります。

安い価格には主に二つの理由が考えられます。第一に、経験の浅い医師が練習のために手術件数を増やそうとして、価格を下げて集客を図っている場合があります。このような状況では、技術が未熟なため手術の成功率が低く、結果として患者が後悔するリスクが高まります。

第二に、初期費用を低く設定して患者を引きつけ、カウンセリング時に追加費用を積み重ねるアップセールスが行われるケースです。カウンセリングの段階で根拠のない理由を挙げて高額な追加手術を勧められることがあり、最終的には表示価格の数倍の費用がかかることも珍しくありません。

このようなリスクを避けるためには、価格だけでクリニックを選ばず、医師の経歴や実績、クリニックの評判を十分に調査することが重要です。信頼できるクリニックで適切な価格設定と高い技術を持つ医師による手術を受けることが、後悔しないための鍵となります。

顎プロテーゼ手術前後

まとめ

本ブログでは、顎プロテーゼのデメリットと後悔しないための方法について詳しく解説しました。顎プロテーゼ手術は、適切なプロテーゼの選定と挿入位置の確保が非常に重要です。これにより、プロテーゼの安定性が保たれ、術後の見た目に対する満足度が高まります。

全体として、顎プロテーゼ手術は高い満足度を得られる美容整形手術であり、合併症の発生率も比較的低いです。しかし、手術後に失敗や後悔を避けるためには、信頼できる医師の選定が特に重要です。クリニックの評判、医師の実績、過去の症例写真などを詳しく調査し、質の高い医療を提供する医師を選びましょう。この情報が、顎プロテーゼ手術を検討している方々にとって、後悔のない選択をするための貴重な参考になれば幸いです。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、プロテーゼ挿入手術、輪郭形成治療、リフトアップ治療を得意としている。

【関連項目】

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【顎プロテーゼ手術の全貌】メリットとダウンタイム等について

顎(あご)のプロテーゼ手術【症例写真あり】

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