投稿日:2025/03/07
(最終更新日:2025/03/06)
ヒアルロン酸で涙袋を作ると後悔する? 効果とリスクを徹底解説!

涙袋の症例写真
涙袋を強調することで、目元の印象を大きく変えられるヒアルロン酸注入は、今も昔も変わらぬ人気を誇る美容施術の一つです。筆者が運営するこのブログでも、約20年前の記事で既にヒアルロン酸による涙袋形成の症例を紹介しており、その需要の高さがうかがえます。しかし、一見シンプルな施術に見えるものの、適切な注入量や注入部位のわずかな違いが、仕上がりの自然さや満足度を大きく左右する繊細な技術であることをご存じでしょうか?
本記事では、ヒアルロン酸による涙袋形成の効果やリスクを詳しく解説するとともに、後悔しないためのポイントや、信頼できるクリニックの選び方についても徹底的に解説します。施術を検討している方や、より自然な仕上がりを求める方はぜひ最後までご覧ください。
涙袋のヒアルロン酸注入の基本(施術の流れ)
涙袋のヒアルロン酸注入における施術の流れについて、一般的な工程を詳しく解説します。
1.カウンセリング・診察
まず、医師とのカウンセリングが行われます。
この段階では以下の点を確認します。
- 希望する涙袋の形・ボリューム
- 使用するヒアルロン酸の種類や特徴
- リスクや副作用についての説明
- 施術後の注意点の説明
2.麻酔の使用(必要に応じて)
ヒアルロン酸注入は比較的痛みの少ない施術ですが、痛みに敏感な方のために以下の方法で麻酔が行われることがあります。
- 麻酔クリームの塗布(表面麻酔)
- アイスパックで冷却して痛みを軽減
- ヒアルロン酸自体に含まれるリドカイン(局所麻酔)
3.ヒアルロン酸の注入
医師がデザインに合わせて注入ポイントを決定
- 細い針を使用してヒアルロン酸を注入
※涙袋注入においてカニューレ(鈍針)による注入は一般的ではありません。
- 少量ずつ調整しながら自然な仕上がりを目指す
- 通常、片側0.1~0.3mL程度のヒアルロン酸を使用することが多いです。
↑筆者が行ったヒアルロン酸による涙袋形成症例写真
涙袋のヒアルロン酸注入で自然な仕上がりを追求するポイント
涙袋をヒアルロン酸で形成する際に、「不自然にならないようにするためのポイント」を解説します。以下の点に注意することで、よりナチュラルで魅力的な仕上がりを得られることでしょう。
1.適切なヒアルロン酸の種類の選択
総合的に判断して、筆者はジュビダーム・ボリフトXCを推奨します。
❶ 柔らかめのヒアルロン酸を使用する
- 涙袋は皮膚が薄いため、硬めのヒアルロン酸を使うと凹凸や不自然な膨らみが生じやすい。
- 中程度の硬さでなめらかに広がるタイプが適している。一方で柔らか過ぎると、吸収が早ぎ過ぎたり、下方に移動するので注意が必要です。
❷ 吸水性が低い製剤を選ぶ
- 吸水性が高い製剤だと、時間が経つと膨らみすぎて不自然になりやすい。
- 水分を吸収しにくく、自然なボリュームを維持できるものを選ぶ。
2.注入量のコントロール
❶ 少量ずつ注入して調整
- 片側0.1~0.3mL程度が適量
→ 入れすぎると不自然になりやすい。
→ まず少なめに注入し、微調整するのがコツ。
❷ 一度に多く入れすぎない
- 「しっかり涙袋を作りたい」と思っても、最初から大量に入れると不自然になりやすい。
- 1回で完結させず、2回に分けて調整する方法もあり。
3.デザインの工夫
❶ 笑ったときに自然な涙袋の形にする
- 常に膨らんでいるデザインは不自然。
- 笑ったときに目の下がふっくらするように筋肉の動きと調和させるのが理想。
❷ 目頭側を控えめに、目尻側に向かってなだらかに
- 目頭側に入れすぎると腫れぼったい印象になりやすい。
- 目の中央~目尻にかけてふんわりとしたラインを作ると自然に見える。
❸ 下まぶたの「涙袋の位置」に合わせる
- ヒアルロン酸を下げすぎるとクマのように見えるため注意!
- 本来の涙袋がある位置を確認し、そこに沿って注入するのが標準的な方法
→合わせて読みたい「TCB/東京中央美容外科での涙袋でデメキンに!涙袋ヒアルの解説」」
涙袋のヒアルロン酸注入の仕上がりと持続期間
ヒアルロン酸を注入すると、施術直後から涙袋のふくらみを実感できるのが特徴です。最初の数日はわずかな腫れやむくみが生じることもありますが、約1〜2週間ほどで馴染み、より自然な仕上がりへと変化していきます。特に、涙袋のデザインによっては、時間の経過とともに立体感が柔らかくなり、表情に自然に溶け込むようになります。
ヒアルロン酸の持続期間は約6ヶ月〜1年とされており、使用する製剤の種類や個人の代謝によって異なります。早い方では数ヶ月で効果が薄れることもありますが、比較的長持ちするタイプのヒアルロン酸を使用すると1年以上維持できるケースもあります。ただし、ヒアルロン酸は体内で徐々に分解・吸収されるため、理想の形を維持するには定期的なメンテナンスが必要です。施術の間隔や再注入のタイミングについては、担当医と相談しながら決めることをおすすめします。
涙袋のヒアルロン酸注入の失敗例や後悔ポイント(不自然になるケースとは?)
涙袋のヒアルロン酸注入は手軽な施術ですが、デザインや技術が適切でないと不自然になったり、後悔したりこともあります。ここでは、よくある失敗例とその原因、対策について詳しく解説します。
❶ ヒアルロン酸の量が多すぎて不自然
🔻 失敗例
- 「くっきり涙袋を作りたい」と思って多く注入しすぎた結果、目の下が腫れぼったくなった。
- 下まぶたが盛り上がりすぎて、目が小さく見える。
- 笑ったときに涙袋が不自然に動かず、表情に違和感が出る。
💡 原因
- 片側 0.5mL以上入れると、膨らみすぎて不自然になることが多い。
- 涙袋の適量は片側0.1〜0.3mL程度が目安。
- ヒアルロン酸は時間が経つと水分を吸って膨らむため、入れた直後よりも大きくなることがある。
❷ 涙袋の形が不自然(のっぺり・ボコボコ)
🔻 失敗例
- 均一に膨らみすぎて「涙袋」というよりも目の下全体が腫れぼったい感じになった」。
- 涙袋の中央部分が盛り上がりすぎて、「ミミズ腫れ」みたいに見える。
- 左右差が大きくなり、バランスが悪い。
💡 原因
- 均一に注入しすぎてメリハリのないデザインになっている。
- 注入位置がずれて、不自然なラインになっている。
- 片側だけ量が多かったり、注入深さが異なり、左右差が出てしまった。
❸ ヒアルロン酸が下がってクマのように見える
🔻 失敗例
- 「涙袋を作ったはずなのに、目の下がたるんだように見える」
- ヒアルロン酸が下がってクマみたいに影になってしまった。
💡 原因
- 適切な位置に注入されていない(涙袋よりも下に入ってしまった)。
- 目の周りの皮膚が薄いため、ヒアルロン酸が馴染む前に重力で下がってしまうことがある。
❹ ヒアルロン酸が青く透けてしまう(チンダル現象)
🔻 失敗例
- 目の下が青白く透けて見えて、不健康そうに見える。
- クマが悪化したように感じる。
💡 原因
- 光の屈折によって青白く見えてしまう(チンダル現象)現象であり、原因としてヒアルロン酸の種類が適していない(粒子の大きいタイプだと透けやすい)ことが考えられる。
❺ 内出血・腫れがひどい
🔻 失敗例
- 「施術後に内出血がひどくて、1週間以上消えない」
- 「思ったより腫れが長引いて、人前に出られなかった」
💡 原因
- 針を使用するので、毛細血管に当たって内出血が起こる可能性は避けられないが、術直後の施術者の圧迫が不足すると、内出血が出現しやすい。
- ヒアルロン酸を入れた直後は腫れやすいため、予想以上に膨らんで見えることがある。
❻ 時間が経つと不自然になる(ヒアルロン酸の劣化)
🔻 失敗例
- 「最初はよかったのに、数ヶ月後にボコボコしてきた」
- 「時間が経つと、涙袋が下方に広がりすぎて目袋にようになった」
💡 原因
- 吸水性の高いヒアルロン酸を使用すると、時間とともに膨らみすぎることがある。
- 品質の悪いヒアルロンは移動しやすい。
↑筆者が行ったヒアルロン酸による涙袋形成症例写真
涙袋のヒアルロン酸注入の副作用
涙袋のヒアルロン酸注入は比較的安全な施術ですが、副作用やダウンタイム(施術後の回復期間)に注意することが重要です。以下に、よくある副作用やダウンタイムの具体的な症状、注意点を詳しく解説します。
❶ 腫れ
🔻 起こる可能性: ★★★☆☆(3/5)
🔻 発生期間: 1~3日程度
- 施術直後は腫れが出るのが普通。
- 翌日がピークで、2〜3日で落ち着くことが多い。
- 大量に注入すると腫れが強くなるため、少しずつ調整するのがベター。
✅ 対策
- 施術後3時間は強く触らない(腫れやむくみが悪化する可能性あり)。
- 冷やしすぎると血行が悪くなり、ヒアルロン酸が定着しづらくなるため、やりすぎ注意。
- 腫れが長引く場合は、クリニックに相談する。
❷ 内出血
🔻 起こる可能性: ★★☆☆☆(2/5)
🔻 発生期間: 1~2週間程度(個人差あり)
- 針が血管に当たると青紫色の内出血が出ることがある。
✅ 対策
- 筆者は極細の針(35G)を使用することで、極力内出血が現れないように対策をしている。
- 施術後24時間は、血行を促進する行動(飲酒・運動・入浴)を避ける。
- 内出血が出た場合、コンシーラーでカバー可能。
❸ むくみ
🔻 起こる可能性: ★★★☆☆(3/5)
🔻 発生期間: 1週間程度(個人差あり)
- ヒアルロン酸は水分を引き寄せるため、むくみが出ることがある。
- 特に寝起きにむくみやすい。
✅ 対策
- 施術直後は、塩分を控えた食事を心がける。
- 水分を適度に摂り、代謝を促す。
- 寝るときは頭を少し高くすると、翌朝のむくみが軽減される。
❹ ヒアルロン酸の偏り・凹凸
🔻 起こる可能性: ★★☆☆☆(2/5)
🔻 発生期間: 数日~2週間程度
- 施術直後に軽い凹凸が見えることがあるが、時間とともに馴染む。
- 強く触るとヒアルロン酸が偏る可能性がある。
- 目の下の皮膚が薄いため、浅すぎると凸凹が目立つことも。
✅ 対策
- 施術後1週間は強く押さない・こすらない。
- 必要なら1〜2週間後に修正注入や溶解処置が可能。
❺ チンダル現象(ヒアルロン酸が青く透ける)
🔻 起こる可能性: ★☆☆☆☆(1/5)
🔻 発生期間: ヒアルロン酸が吸収されるまで(数ヶ月〜1年)
- 皮膚が薄い部分に浅くヒアルロン酸が入ると、光の屈折で青白く透ける(チンダル現象)。
- 特に粒子の大きいヒアルロン酸を使用すると起こりやすい。
✅ 対策
- 適切な層(皮下組織層)に注入することが大事。
- チンダル現象が起こりにくい製剤を選ぶ(例:ジュビダーム)。
- 青白く見えた場合は、ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)で改善可能。
涙袋のヒアルロン酸注入におけるダウンタイムの注意点
❶ 施術当日の注意点
🚫 血行が良くなることは避ける(腫れや内出血を防ぐ)
- 長時間の入浴やサウナは禁止(シャワー程度ならOK)。
- アルコール・激しい運動はNG(内出血のリスクを上げる)。
- コンタクトレンズの装着は避けた方がよい(当日はできるだけメガネ)。
❷ 施術後1週間の注意点
✔ マッサージや強い圧迫は避ける(ヒアルロン酸が偏る可能性あり)。
✔ 寝るときにうつ伏せを避ける(無意識にこすらないように)。
✔ メイクは施術数時間後からOKだが、目元を強くこすらない。
❸ 施術後1ヶ月の注意点
✔ ヒアルロン酸が完全に馴染むまで、形を気にしすぎない。
✔ 1ヶ月経っても違和感があれば、修正・溶解も可能。
涙袋のヒアルロン酸注入における「良いクリニック」を選ぶコツ
涙袋のヒアルロン酸注入は手軽な施術ですが、仕上がりの自然さや安全性はクリニックと医師の技術に大きく左右されます。
以下のポイントをチェックし、信頼できるクリニックを選びましょう。
① 症例数・実績が豊富なクリニックを選ぶ
🔍 チェックポイント
✅ 美容外科医として経験年数数が多いか?(HPの医師紹介で確認)
✅ 涙袋のヒアルロン酸注入の症例写真があり、ナチュラルな仕上がりが多いか?
🔹 避けたほうがよいクリニックの特徴
🚫 症例写真がほとんどない(経験不足の可能性)
🚫 不自然な仕上がりの症例写真(過剰注入の傾向)
② 価格が適正で、安すぎないクリニックを選ぶ
🔍 チェックポイント
✅ 相場:両側合計 0.6mLで 60,000円~100,000円程度(ヒアルロン酸の種類による)
✅ 安すぎるクリニック(1万円台など)は注意
🔹 なぜ「安すぎる」クリニックは危険なのか?
🚫 使用するヒアルロン酸の品質が低い可能性(持続力や安全性に影響)
🚫 経験の浅い医師が施術する場合がある
🚫 大量に入れることを勧められる(追加料金が発生しやすい)
参照元:涙袋をつくるためのヒアルロン酸注入で“デメキン”に…「整形がトラウマに」施術女性が涙の訴え 大手美容クリニックの疑問だらけのカウンセリングとアフターケア
③ カウンセリングが丁寧であるか
🔍 チェックポイント
✅ 医師がしっかり話を聞いてくれるか?
✅ 仕上がりのイメージを明確に説明してくれるか?
✅ リスクや副作用についても詳しく説明があるか?
🚫 避けたほうがよいクリニック
- カウンセリングが短く、すぐに施術を勧めてくる
- メリットばかりを強調し、リスクについて話さない
- 希望をあまり聞かず、決めつけたデザインにされる
④施術後のアフターケアが充実しているか
🔍 チェックポイント
✅ 施術後の腫れ・むくみ・違和感に対するサポートがあるか?
✅ 万が一不満があった場合の修正(ヒアルロン酸溶解)ができるか?
✅ 追加施術を無理に勧められないか?
🚫 避けたほうがよいクリニック
- 施術後の相談ができない、保証制度がない
- ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)に対応していない
- 「もっと入れたほうがいい」と追加施術を強く勧めてくる
まとめ
ヒアルロン酸を使った涙袋の形成は、手軽に目元の印象を変えられる人気の美容施術ですが、適切なデザインや施術を行わないと後悔するケースもあります。「入れすぎて不自然になった」「仕上がりに左右差がある」「時間が経つと違和感が出た」といったトラブルは、主に施術の技術やヒアルロン酸の選び方によって起こります。
失敗を防ぐためには、ヒアルロン酸の種類や注入量を適切に調整し、自然なデザインを意識することが重要です。また、施術後の腫れやむくみ、内出血といったダウンタイムを考慮し、無理のないスケジュールで施術を受けることも大切です。
さらに、クリニック選びは慎重に行うべきポイントの一つです。症例数が豊富で、ナチュラルな仕上がりを得意とする医師を選ぶことで、後悔のリスクを大幅に減らすことができます。カウンセリング時には、リスクやデザインについてしっかり説明してくれる医師を選びましょう。
涙袋のヒアルロン酸注入は、正しく行えば目元をより魅力的に演出できる効果的な施術です。後悔しないためにも、施術前にしっかり情報収集を行い、自分に合った方法で理想の涙袋を手に入れましょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療、リフトアップ,治療、ヒアルロン酸注入を得意としている。【関連項目】
TCB/東京中央美容外科での涙袋でデメキンに!涙袋ヒアルの解説
千葉エリアで治療をご希望の方はこちら

〒273-0005
千葉県船橋市本町6-4-15
グラン大誠ビル 2F
責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
東京エリアで治療をご希望の方はこちら

〒107-0061
東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者