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みみたんが語った「海外で美容整形」の落とし穴とは
更新日:2025/09/09
公開日:2025/09/09

近年、日本では美容整形が若い世代にも身近なものとなり、多くの方が「韓国で安く綺麗になれる」といった宣伝に惹かれて海外での美容整形(いわゆる渡韓整形)を検討しています。しかし、その裏には見過ごせない落とし穴やリスクが存在します。
本記事では、インフルエンサーのみみたんさんが語った体験をもとに、海外で美容整形を受けることの危険性について専門家の視点から冷静に解説します。
海外美容整形ブームとその現状

まず背景として、日本における美容整形需要と海外整形ブームの現状を押さえておきましょう。美容医療・美容整形の市場は世界的に拡大しており、日本国内でも美容クリニック数や市場規模は年々増加しています。それに伴い、SNS上では韓国など海外での美容整形ツアーが手軽でお得だという宣伝があふれ、多くの日本人が実際に海外のクリニックへ足を運んでいます。
統計によれば、美容整形を目的に韓国を訪れる日本人は年間約5万人に上り、ソウル・江南(カンナム)地区には日本人向けの看板や通訳スタッフを配置したクリニックも数多く存在する状況です。さらに韓国全体で見ると、2024年に韓国で医療サービスを受けた外国人患者は過去最高の120万人に達し、その中で最も多かったのは日本人だったと報告されています。このように「安い」「早い」「技術が高い」といったイメージから海外での美容整形が人気を博しています。
しかし、その一方で美容整形を巡るトラブルも増えています。日本国内の消費生活センター等に寄せられた美容医療に関する相談件数は2023年に6280件と、5年前に比べ3倍以上に急増しました。その中には海外で施術を受けたことによるトラブルも含まれます。韓国保健福祉部の発表や医学文献を詳しく検証すると、前述の「安い・早い・技術が高い」という認識は実際のリスクを覆い隠した危険な誤解であることが明らかになっています。つまり、海外での美容整形には安さや手軽さの裏に潜む落とし穴が存在するのです。
インフルエンサー・みみたんさんの体験

では実際に、海外での美容整形にどのようなリスクがあるのか、具体例を見てみましょう。その一つが、有名インフルエンサーみみたんさん(24)の体験です。みみたんさんは中国のSNSで総フォワーワー数300万人以上を誇る実業家・インフルエンサーであり、過去に国内外で複数回の美容整形手術を受けた経験があります。
2023年には慶應義塾大学に在学中の女子大生でありながら企業経営者としても活躍し、かつて大阪・北新地でキャバクラ嬢を務めた異色の経歴の持ち主として話題になりました(本名は関口実々花さん)。そんな彼女が今年4月、「顔の左右非対称がコンプレックスだった」ことから輪郭整形手術を受けるため韓国の美容クリニックを訪れたのです。
手術自体は韓国で無事終わり、みみたんさんは帰国しました。しかし帰国後2〜3週間した頃から異変が起きます。鼻の付け根(鼻根部)が赤黒く腫れ、膿んできたのです。これは明らかに感染症の症状でした。
実際、患部から細菌が入り込み炎症を起こしていたとのことです。その結果、彼女は3か月間ほとんど外出できないほどの状態に陥り、「もうしばらく整形は考えられない」と思うほど精神的にも追い詰められたといいます。
みみたんさんはすぐに韓国のクリニックに異変を連絡しようと試みました。しかしここで海外整形ならではの壁に直面します。クリニックとのやり取りは公式LINEを通じて行いましたが、医師から返答があったのは3日後だったのです。その間にも炎症は悪化し、不安な日々を過ごすことになりました。
「電話をしても日本語のできるスタッフがおらず、直接医師と話すことも叶わなかった」とみみたんさんは振り返っています。結局、すべてLINEのメッセージだけで対応せざるを得ず、しかも送られてくる日本語は機械翻訳調で要領を得ないものでした。自分の症状や不安を十分に伝えられず、相手の指示内容も噛み合わない――まさに言語の壁によるコミュニケーション不全が起きていたのです。
さらに追い打ちをかけたのが、手術前に交わしていた契約内容でした。みみたんさんがサインした契約書には「日本のクリニックで一度でも治療を受けると補償が受けられなくなる」といった条項があったのです。つまり、韓国のクリニック以外で処置をするとアフターケアの補償対象外になる契約を結んでしまっていたのです。
みみたんさん本人は「韓国語がよく分からず契約時に注意して確認していなかったことを深く反省しました」と語っており、言語の壁による情報不足がここでも大きなリスクとなりました。結局、彼女は感染症治療のため日本国内の病院で処置を受ける必要がありましたが、その時点で契約上の補償は無効になり、治療費は全て自己負担になったと推測されます。
このみみたんさんのケースは、海外で美容整形を受けることのリスクが現実に起こった例として大変示唆的です。では、具体的に海外整形にはどのような落とし穴が潜んでいるのか、専門医の立場からポイントを整理してみましょう。
参照元: 《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
海外で美容整形を受けることの主なリスク

アフターケア不足によるトラブル
海外の美容クリニックでは、手術後のアフターケア体制が不十分であるケースが少なくありません。多くのクリニックでは手術翌日に簡単な経過確認を行ったらすぐに帰国を促され、その後のフォローアップは基本的に患者自身の責任とされることが多いのが現状です。実際、国際美容外科学会(ISAPS)の調査によれば、韓国で手術を受けた外国人患者の約40%が「術後ケアが不十分だった」と回答しています。術後の経過観察や傷の処置が不十分なまま帰国した結果、感染症・血腫(血のかたまり)・創傷治癒不全(傷がきちんと治らない)などの合併症が帰国後に発症するケースが多発していることも報告されています。
みみたんさんの例でも、帰国直後は問題なくとも数週間後に感染症が発覚しました。もし国内で手術を受けていれば定期検診や術後ケア外来で早期発見・早期治療が可能だったかもしれません。しかし海外で受けた場合、帰国後に何か起こってもすぐに手術を受けたクリニックに行くことはできませんし、連絡対応にも時間差があります。その間に症状が悪化してしまうリスクが高いのです。
さらに、海外クリニック側も術後トラブルに対して積極的に対応してくれるとは限りません。前述のみみたんさんの契約のように、補償の範囲が制限されている場合もあります。あるいは「症状は個人差の範囲内」「仕上がりは想定の結果」といった理由で責任を回避し、修正手術を追加料金で要求されるケースもあると報告されています。韓国消費者保護院の報告では、美容手術に関する外国人からの苦情の約60%が「修正手術の拒否」や「追加費用の要求」に関するものだったとのことです。安い初回費用に惹かれて受けた結果、結局修正のために高額な出費を強いられる――そんな事態も珍しくありません。
合併症が起きた場合の対応困難と費用負担
仮に術後に合併症や不具合が生じた場合、その対応の難しさも大きな落とし穴です。海外で施術を受けて帰国後にトラブルが起きた場合、患者本人にも施術を行った海外医療機関にも迅速に対処する手段がないことがあり、結局は自分の国(日本)の医療機関で対応せざるを得なくなるケースが多いのです。実際、私のクリニックにも「韓国で整形した傷跡が化膿してしまったがどうすればいいか」「帰国後にプロテーゼ(人工軟骨)が飛び出しそうになっている」といった相談が寄せられることがあります。海外の施術では日本の医師がどんな材料・手技で手術したか詳細を把握できないため、対処に苦慮する場合もあります。
日本美容外科学会の調査によれば、韓国での美容整形後に修正治療を依頼された経験のある日本人医師の約80%が「修正は困難」「責任が取れない」として引き受けを断ったとの報告があります。これは、他院(特に海外)での手術内容が不明瞭であったり、技術的に修正が非常に難しいケースが多いためです。実際、韓国での手術によるトラブルであっても日本国内の医師が緊急で処置しなければならない事例もありますが、その際に生じる費用やリスクの負担は全て患者側にのしかかってきます。
問題は費用面にも及びます。運良く修正手術を引き受けてくれる医師が見つかったとしても、修正手術の費用は初回手術の2〜3倍に膨らむことが多いのです。特に、海外で受けた手術の修正は、組織の癒着や瘢痕(きずあと)、解剖学的な変化などの影響で通常の修正以上に困難となり、術式も複雑になるため費用が高額になりがちです。結果的に「韓国で安く済ませたはずの手術が、最終的には一番高くついてしまった」という笑えない事態にもなり得ます。残念ながら一度損なわれた外見を完全に元通りにするのは難しく、たとえ高額な修正手術を行っても「せめて元の状態に戻したい」という願いが完全には叶わない現実もあります。
費用の問題に関連してもう一つ押さえておくべきは、医療費の公的保障や保険適用がない点です。美容整形手術後に起きた合併症では、日本の健康保険は適用できません。また一般的な旅行保険も、美容目的の医療行為やそれに起因するトラブルは補償対象外です。そのため治療費は全額自己負担となり、高額な医療費が発生するリスクがあります。
実際、アメリカの研究グループがまとめた報告では、海外で美容整形手術を受けた後に合併症が起きてアメリカ国内で治療を受けた患者214人について分析したところ、半数以上が帰国後に追加の手術を要し、治療期間は平均2ヶ月以上(最長で1年)に及んだとされています。さらに驚くべきことに、その合併症治療にかかった費用は約1万5千ドル~15万5千ドル(約200万円~2000万円)と非常に高額で、中には治療費のために自宅を手放す羽目になった人もいたそうです。米国と日本では医療費が異なるため単純比較はできませんが、「想定外の出費」が数百万円単位で発生し得る点は共通しています。海外で美容整形を受ける以上、こうした最悪のシナリオも念頭に置いておく必要があるでしょう。
参照元: 美容整形を海外で受ける前に知っておきたいこと、米国の研究から学ぶ潜在的なリスク
「安さ」の陰に隠れた実際のコスト
海外での美容整形が人気となる一番の理由は費用の安さにあると言われます。確かに韓国をはじめ海外の美容整形の施術料金そのものは、日本より安いケースが多々あります。しかし、その「安さ」は本当にお得と言えるのでしょうか?トータルコストで考えた場合、決して安くないどころかかえって高くつく可能性があるのです。
まず単純に、渡航費や滞在費がかかります。航空券代、現地での宿泊費、通訳や現地コーディネーターへの手数料など、手術代以外に必要となる費用を合計すると、思ったより差額が小さい場合もあります。特に大型の手術になると入院や抜糸まで含め1〜2週間程度の滞在が必要になることもあり、その分の費用負担は軽視できません。日程の都合で手術後すぐに帰国した場合でも、抜糸や経過チェックのために再度渡航しなければならないケースもあります。その際の航空券や宿泊費を考えると、初回の手術費用の安さが相殺されるだけでなく、結果的に日本で最初から受けていた方が安上がりだったということも起こりえます。
実際、韓国で受けた美容整形の術後フォローとして「抜糸だけ日本でお願いしたい」という相談も増えています。結論から言えば、日本のクリニックで韓国整形の抜糸だけを行ってもらうこと自体は可能ですが、すべてのクリニックが引き受けてくれるわけではありません。事前に対応可能か確認が必要ですし、クリニックによっては他院施術の抜糸には追加料金を設けているところもあります。また料金面では、日本で抜糸をする場合は本来手術を受けた韓国クリニックで抜糸してもらうより高額になる傾向があります。一方、韓国で抜糸まで受けようとすれば長期滞在の費用や後日再渡韓する費用がかさみ、どのみち追加コストは避けられません。
さらに見逃せないのが、為替レートや追加オプションによる誤算です。手術費用が安いとされる韓国ですが、支払いはウォン建てで行われます。円安が進行している時期には想定より割高になることもありますし、カウンセリング時に追加の処置やグレードアップを勧められてオプション料金が積み重なり、最初に聞いていた価格と最終的な支払い額が大きく乖離する例もあります。いわゆる「パッケージ料金に含まれない追加費用」が後から判明するケースですね。安さを期待して行ったのに、日本で受けるのと変わらないかむしろ高くついたという笑えない話も耳にします。
以上のように、海外での整形は決して「安いからお得」とは限らないのです。特に前述したような合併症や修正手術が絡めば、金銭的負担は当初の何倍にも膨らむリスクがあります。経済的な側面から見ても、海外整形の安さには慎重なシミュレーションとリスク判断が必要と言えるでしょう。
言語・文化の壁と法的リスク
海外で施術を受ける際には、言語や文化の違いによるトラブルも発生しがちです。カウンセリング時に自分の希望や不安を細かく伝えられなかったり、医師からの説明を十分に理解できなかったりすると、仕上がりのイメージ違いやリスク説明の不足につながります。実際、韓国での美容手術を受けた外国人の約30%が「期待していた結果と異なる」と回答し、日本人からは「仕上がりが不自然」「日本の美的感覚に合わない」といった不満が多いという調査結果もあります。これは言語の問題だけでなく、美容に対する感性や流行の違いも影響しているでしょう。日本人の骨格や美意識を十分に理解していない医師による施術では、たとえ技術的に成功しても患者が満足できないケースがあり得ます。
さらに、海外でトラブルが起きた場合の法的な問題も考えておく必要があります。手術の失敗や医療過誤が疑われる場合でも、それが海外での出来事であれば日本の法律は適用されません。現地で裁判を起こすことは現実的にハードルが高く、仮に訴訟に踏み切っても言語や法制度の違いから泣き寝入りせざるを得ない例もあります。また、国によっては医療紛争の仲介機関や苦情受付窓口が整備されていない場合もあります。
つまりトラブル時の救済が極めて困難なのです。みみたんさんのケースでも、契約上「日本で治療を受けたら補償無効」という条項があったため、もはや韓国のクリニックに補償や返金を求めることはできなくなっていました。仮にこの契約内容に不当性があったとしても、海外のクリニックを相手に争うのは容易ではありません。
適切な選択のために – 専門医からのアドバイス

以上、海外で美容整形を受けることの主なリスクについて見てきました。アフターケア不足、合併症発生時の対応困難、費用面での誤算、そして言語・制度の違いによるトラブルと、どれも決して無視できない重大なポイントです。もちろん、海外のすべてのクリニックが危険だと言い切るつもりはありません。優秀な医師もおりますし、手厚いサービスを提供している施設もあるでしょう。
しかし、第三者的なデータや実際の事例が示すように、海外での美容整形には国内より高いリスクが存在するのは確かです。世界保健機関(WHO)の報告でも「医療制度の違いにより海外医療のリスクは国内の3~5倍高い」とされており、特に緊急性のない美容医療について「リスクを冒してまで海外で受ける必要性は低い」と指摘されています。私自身、長年美容外科医として多くの患者さんと向き合ってきましたが、本当に大切なのは一回の手術で終わりではない長期的なケアだと痛感しています。美容整形は施術して終わりではなく、その後の経過観察やメンテナンス、年齢変化への対応など継続したフォローがあって初めて満足度の高い結果が得られます。
国内であれば何かあった時すぐに受診できる安心感がありますし、担当医との信頼関係を築きやすいメリットもあります。海外ではその継続性が確保できないため、どうしてもリスクが高まります。韓国での美容整形は近年ブームとなり、多くの成功例がSNS上で華やかに紹介されているかもしれません。しかし、その裏で今回のみみたんさんのように苦しんだケースがあることも事実です。
「安いから」「みんなやっているから」という理由だけで飛びつくのではなく、一度立ち止まってメリットとデメリットを冷静に比較検討してください。美容整形は自分の体と人生に関わる大事な医療行為です。費用面だけでなくアフターケアや安全性まで含めて総合的に判断することが大切です。
もしそれでも海外での施術を検討する場合は、事前に可能な限り情報収集を行いましょう。クリニックの評判、医師の資格や経験、アフターケアの内容、日本語対応の有無、緊急時の連絡体制、保証制度の詳細など、確認すべき点は山ほどあります。また、言葉が分からない書類に安易にサインしないことも肝要です。場合によっては日本の医療コーディネーターや専門の代理店を通じて、安全性に定評のある医療機関を選ぶことも検討してください。それでも残るリスクについては、「最悪自分で全部対処する」という覚悟と準備を持つ必要があります。
まとめ
専門医の立場から率直に申し上げれば、できる限り美容整形は信頼できる国内の医療機関で受けることをおすすめします。国内であれば言語や制度の壁もなく、何かあってもすぐ適切な処置を受けられますし、長期的なケアも含めてトータルでサポートを受けやすいからです。多少費用が高く感じられても、安全と安心には代えられません。美しさを求める気持ちは尊いものですが、その過程で健康を損ねては本末転倒です。ぜひ賢明な選択を心がけてください。
最後に繰り返しになりますが、海外で美容整形を受けることのメリットとデメリットを天秤にかけたとき、デメリットが上回る場合が多いというのが現場の実感です。みみたんさんが身をもって経験した「海外整形の落とし穴」から学び、皆さんには後悔のないよう安全な道を選んでいただければと思います。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
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勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
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勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者






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