元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

豊胸手術の種類:それぞれの特徴とメリット・デメリット

更新日:2025/07/15

公開日:2025/07/01

豊胸手術にはさまざまな種類があり、患者様の希望や体質に応じて適した方法を選ぶことが大切です。

この記事では、美容外科専門医である筆者(元神賢太)が、主要な豊胸手術の種類である「バッグ豊胸(シリコンインプラント)」「脂肪注入豊胸」「ヒアルロン酸豊胸」「アクアフィリング・アクアリフトによる豊胸」の4つについて、その特徴や効果、メリット・デメリットを比較しながら分かりやすく解説します。豊胸手術を検討している方は、ぜひ参考にしてください。(注:医学的根拠は海外の文献に基づいており、日本国内で以前行われた方法についても客観的事実を述べています。)

バッグ豊胸(シリコンバッグによる豊胸手術)

バッグ豊胸とは、医療用シリコンでできたインプラント(バッグ)を胸に挿入してバストアップする手術です。現在のシリコンインプラントは非常に高性能で、安全性と自然な仕上がりの両立が可能になっています。筆者は数ある豊胸手術の種類の中でも、このバッグ豊胸を最も推奨しています。その理由を以下で詳しく説明します。

柔らかさと自然な質感

最新世代のシリコンバッグ(特にMotiva社の「エルゴノミクス(Ergonomix)」)は、胸の組織のようなしなやかな柔らかさと可動性を備えており、触感や見た目が非常に自然です。従来のシリコンインプラントは硬さが残ることもありましたが、Motivaエルゴノミクスは姿勢によって形が変化し、仰向けでは丸く、起立時にはしずく型(ティアドロップ型)になるなど、まるで本物の乳房組織のように動く設計です。この技術革新により、「豊胸手術をしたと分からないほど自然」なバストを実現できます。

効果の持続性と将来的な交換の容易さ

シリコンバッグによる豊胸は一度手術を行えば長期間にわたりボリュームを保てる点が大きなメリットです。一般的に現代のインプラントは生涯に渡って問題なく使用できるとされており、効果が失われる心配がありません。

仮に将来的にサイズ変更を希望したり、何らかの理由で取り出したくなった場合も、インプラントは摘出・交換が比較的容易なため安心です。この取り出しやすさは、後述する注入法にはないインプラント手術の利点です。

傷跡の小ささ

豊胸手術を検討する上で心配な点の一つが傷跡ですが、最近のバッグ豊胸では傷跡は非常に目立ちにくくなっています。最新のインプラントは素材の改良により柔軟性が高く、挿入に必要な切開創が小さくて済みます。

例えばMotivaエルゴノミクスでは約3〜4cmの切開でバッグを挿入可能であり、従来の標準的な豊胸手術の切開(5cm程度)に比べて小さい傷で済みます。傷口は乳房の下縁や腋下など目立ちにくい部位に配置するため、術後しばらくすればほとんど分からなくなるケースがほとんどです。

安全性の向上

近年のインプラントは素材や表面加工技術が進歩し、安全面でも従来より改良されています。例えばMotivaのインプラントは微細なナノテクスチャ表面(SilkSurface™)を採用し、生体適合性を高め炎症反応を減らすことで、被膜硬縮(カプセル拘縮)の発生率を従来のインプラントよりも有意に低減しています。

またシリコンジェル自体も高いコヒーシブ性(粘度)を持ち、もしバッグが万一破損しても中身が流出しない設計です。従来はインプラント破損時の漏出や、表面の粗いバッグで発生する被膜硬縮が課題でしたが、最新のバッグ豊胸ではこれらのリスクが大きく軽減されています。

以上の理由から、バッグ豊胸は柔らかく自然な触感、半永久的なボリューム維持、小さな傷跡、将来の入れ替えも可能な安心感など、多くの利点を持っています。手術には全身麻酔が必要ですが、入院は不要で、術後のダウンタイムも1〜2週間程度の安静で済むことが一般的です。

筆者のクリニックでも最も採用件数の多い方法であり、「しっかりと大きくしたい」「できるだけ自然に仕上げたい」という患者様にはまずバッグ豊胸(シリコンインプラント法)を第一選択肢としてご提案しています。

豊胸手術(バッグ挿入法)1,320,000円(税込) 
※治療後一時的に、腫れるケースがあります。

▶️ バッグ豊胸についてはこちら

脂肪注入による豊胸(自家脂肪移植)

脂肪注入豊胸(コンデンスリッチ豊胸・マイクロCRF豊胸などとも呼ばれます)は、患者様ご自身の体から吸引した脂肪をバストに注入する方法です。日本では「メスを使わない豊胸」として人気があり、一見理想的な方法に思えますが、海外の文献や臨床研究に照らすと効果の不確実性が指摘されています。以下に脂肪注入豊胸の特徴と留意点を解説します。

残存率(定着率)の問題

脂肪注入では移植した脂肪細胞がどの程度生着するかが結果を左右します。しかし、注入脂肪の生着率(残存率)は低く不安定であることが海外の研究で報告されています。例えば「注入した脂肪の50〜70%が1年以内に体内に吸収されて失われる」とのデータもあり、思ったほどバストサイズが維持されないケースが多いのです。

一般的な見解では、最終的に20〜30%程度しか残らないとも言われ、1回の手術で大幅なサイズアップを永久に得るのは難しいのが現状です。このため、理想のバストボリュームに到達するには複数回の脂肪注入手術が必要になることが一般的です。

ダウンタイムと手術の負担

脂肪注入豊胸は、実質的に「脂肪吸引」と「豊胸」の二つの手術を同時に行うことになります。まず太ももやお腹などから脂肪を吸引する必要があり、吸引部位には内出血や腫れ、痛みが出ます。脂肪吸引のダウンタイムとしては通常2〜3週間程度で大部分の腫れや痛みが引くものの、人によっては数週間は日常生活に支障が出る可能性があります。

また、脂肪の採取量が多い場合や複数部位にわたる場合、手術時間も長く(全手術で3〜4時間程度になることもあります)、患者様の負担は小さくありません。技術的にも脂肪の採取・精製・慎重な注入が求められ、高度な熟練を要する難易度の高い手術です。

仕上がりとリスク

自身の脂肪を使うため素材に対するアレルギーの心配がない点や、痩身も同時にかなう点はメリットです。ただし上述のように効果に限界があるため、得られるボリュームは控えめです。また、生着しなかった脂肪がしこり(脂肪壊死による硬結や油胞)になることもあります。

経験豊富な医師が適切に行えば安全な手術ですが、それでも脂肪が部分的に塊となって触れるしこりや、石灰化による術後の検診時の紛らわしさなどの問題が起こりうります。これらの多くは良性で経過観察となりますが、まれにしこりの除去が必要になるケースもあります。

以上のように、脂肪注入豊胸は「自分の組織でバストアップできる」という魅力がある反面、効果が予測しづらく持続しにくいというデメリットがあります。そのため筆者の見解では、「確実なサイズアップ」が最優先であれば脂肪注入単独より前述のバッグ豊胸をおすすめしています。

一方で、元々痩身目的で脂肪吸引を行う予定があり、その副次効果としてバストにも脂肪を入れてみたいという場合には、脂肪注入豊胸も一つの選択肢になります。実際、ボディラインの改善が主目的で余剰な脂肪が取れる患者様には、「取れた脂肪を捨てずにバストに入れてプチ豊胸する」という追加施術を提案することもあります。ただし繰り返しになりますが、脂肪注入豊胸だけで大幅なバストアップを永久に得ることは難しいため、期待値については施術前のカウンセリングで十分に話し合うことが重要です。

参照元: Fat Transfer

ヒアルロン酸による豊胸

ヒアルロン酸注入豊胸は、ヒアルロン酸フィラーをバストに注入する方法です。メスを使わない手軽な豊胸術として一時期注目され、「切らない豊胸」などと宣伝されることもありました。この方法の特徴はダウンタイムの短さと効果の即時性ですが、一方で持続期間が短いため、将来的なコストやメンテナンスを考慮する必要があります。以下に詳しく解説します。

手軽さとダウンタイムの少なさ

ヒアルロン酸豊胸の最大の利点は、気軽に受けられることです。局所麻酔下で注射を行い、メスによる切開は不要です。そのため手術時間も短く(15分程度)、注入後の傷跡も針穴程度で済みます。入院や長期の安静も必要なく、施術当日から比較的普通に過ごせるケースが多いです。

多少の腫れや内出血が出ても1週間程度で落ち着き、仕事や日常生活への復帰も早いことから、「とりあえずバストに少しボリュームを足してみたい」という方には心理的ハードルが低い方法です。また、注入後に万一仕上がりに不満があった場合も、ヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)の注射でフィラーを溶解できるため、修正や除去が比較的容易なのも安心材料でしょう。

効果の即時性と持続期間

ヒアルロン酸を注入するとその場でバストのボリュームアップ効果を実感できます。ただし、その効果は永久的ではありません。使用されるヒアルロン酸は体内に徐々に分解・吸収されていくため、効果の持続期間は約1年程度とされています。製剤や注入量によって多少前後しますが、一般的には6か月〜1年で元のバストサイズに戻ることを念頭に置く必要があります。

どれだけ持続性が長いhPaでも、12〜18か月で吸収されるため1年毎の追加注入が推奨されていたとの報告があります。そのため、ヒアルロン酸豊胸を続けてバストサイズを維持するには定期的な再注入(メンテナンス)が必要となり、長期的に見ると費用がかさむ点には注意が必要です。

カプセル内注入による長期持続の可能性

一方で、海外の一部文献にはヒアルロン酸豊胸の効果をより長持ちさせる工夫についての報告があります。具体的には、ヒアルロン酸を一箇所にまとめて大量注入すると体内で薄い被膜(カプセル)が形成されるため、そのカプセル内に再度ヒアルロン酸を追加注入することで分解吸収が遅くなり、より長期にわたりボリュームを維持できる可能性が示唆されています。

実際、ヒアルロン酸豊胸を一度行った後、半年〜1年以内に追加注入(リタッチ)をすると、二度目の注入から2年後でも約20〜30%の充填物が残存していたとの研究結果もあります。このように「カプセル内注入」という手法を取れば持続期間を多少延ばせる可能性はありますが、それでもシリコンバッグのような半永久的な効果には及びません。

参照元:Safety and Efficacy of Stabilized Hyaluronic Acid Gel for Breast Enhancement

まとめると、ヒアルロン酸豊胸は「ダウンタイムなく手軽にバストアップを試せるが、効果は一時的」な方法です。バストの形を根本的に変えるというより、一時的なボリュームアップや左右差の修正、イベント前のプチ豊胸などに向いています。

筆者のクリニックでも過去にヒアルロン酸豊胸を希望される患者様が多数来院しましたが、現在は効果持続の短さやコストパフォーマンスを考慮し、積極的には推奨していません。ただ「どうしても手術は受けたくないが少しバストにハリが欲しい」という場合には選択肢となりえます。その際も、一度きりでなく将来的な追加施術の可能性を踏まえて計画を立てることが重要です。

写真上段:バストにヒアルロン酸を注射する前
写真中段:片側100ccのヒアルロン酸を注射した直後
写真下段:ヒアルロン酸注射6日後

プチ豊胸(ヒアルロン酸注射)660,000円(税込)
※治療後一時的に、腫れるケースがあります。

▶️ ヒアルロン酸豊胸についてはこちら

アクアフィリング・アクアリフト(注入式ハイドロジェル)による豊胸

最後に、過去に日本で流行したものの現在は非推奨となっている豊胸材として「アクアフィリング」「アクアリフト」について触れておきます。これらは注入式のハイドロジェル(半永久型充填剤)で、一時期「切らずに長持ちする豊胸法」として海外から輸入され、国内でも施術が行われました。しかし、安全性の問題から現在は事実上行われていない方法です。

アクアフィリング/アクアリフトとは

アクアフィリング(商品名Aquafilling®)およびアクアリフトは、98%が水溶液・2%がポリアクリルアミドという化合物でできた注入用充填剤です。もともとはシワやボリューム形成のための顔用フィラーとして開発されましたが、その後バストやヒップなど体のボリュームアップにも応用されるようになりました。

注射器で乳房にゲルを大量注入することで、メスを入れずにサイズアップでき、かつヒアルロン酸と違って体内で吸収されにくいため効果が長持ちすると宣伝されました。日本では2010年代前半に多くのクリニックで導入され人気を博した時期があります。

重篤な合併症と禁止措置

しかし、その後アクアフィリング等の長期的な合併症報告が相次ぎ、現在では世界的に見ると事実上この製品は市場から姿を消しています。具体的な問題として、注入部位の炎症・感染、硬いシコリの大量発生、充填剤の漏出や移動、胸の変形などが報告されています。

特に出産後の授乳時に乳房が膨大化して、痛みと腫れを生じる授乳関連合併症や、注入ゲルが胸から遠く離れた体内(腹壁や鼠径部、陰部など)に流れてしまうケースすら報告されました。これらのリスクが判明したことで、アクアフィリングは各国で使用が制限され、日本国内でも現在扱っているクリニックはほとんどありません。

以上の理由から、アクアフィリングやアクアリフトによる豊胸は現在推奨されません。現在ではこれらに代わる新しい長期持続フィラーは登場しておらず、豊胸施術の主流は先述したシリコンバッグ、脂肪注入、ヒアルロン酸の3種類に落ち着いています。

▶️ 豊胸・バスト治療についてはこちら

まとめ

豊胸手術の主要な種類について、その特徴やメリット・デメリットを解説してきました。「豊胸」と一口に言っても、これだけ多様な方法がありますが、クリニック選びで豊胸が成功するかどうかが決まると言っても過言ではありません。

 

大切なのは、信頼できる美容外科専門医に相談し、自分の体型・バストの状態、希望のサイズや質感、ライフスタイルなどを詳しく伝えた上でプロの意見を聞くことです。例えば、「確実に2カップ以上大きくしたい」「長期間効果を持続させたい」という方にはバッグ豊胸のほかに選択肢はありません。一方で、「人工物の挿入に抵抗がある」という方には脂肪注入豊胸が一案です。また「手術には抵抗があるが少しだけ張りを出したい」という方はヒアルロン酸注入を短期的に試す選択肢もあります。

 

私(青山セレスクリニック・船橋中央クリニック院長)は、豊胸手術のカウンセリングに特に力を入れております。カウンセリングでは患者様のご希望や不安を丁寧に伺い、豊胸の各種類についてメリットだけでなくデメリットやリスクも含め正直にお伝えしています。その上で、理想のバストを実現するために最適な施術プランをご提案いたします。無理に手術を勧めることは決してありませんので、まずはお気軽にご相談ください。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている
ウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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