元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

ドーム(釣鐘)状乳輪修正術の解説(画像多数あり)

更新日:2026/01/23

公開日:2025/12/27

今回は、男女問わず「乳輪がふくらんでいる」「乳輪が大きい」といったお悩み(ドーム状・釣鐘状乳輪)をお持ちで、「乳輪のふくらみを小さくしたい」と考えている方向けに、ドーム(釣鐘)状乳輪修正術について詳しく解説します。

この記事では術中の手順や術前・術後の比較写真など画像も多数交えながら、症例をもとにドーム状乳輪・乳頭の悩みとその解決法を紹介します。

ドーム(釣鐘)状乳輪・乳頭とは

ドーム(釣鐘)状乳輪とは、通常はほぼ平らな乳輪部が半球状(鐘のような形状)に前方へ膨らんでいる乳輪のことです。乳輪全体がドーム状に突出し、先端の乳頭が垂れ下がった「釣鐘(つりがね)」のような外観になる場合もあります。

はっきりした原因は特定されていませんが、多くの場合は思春期に乳輪の結合組織や乳管組織が過剰に増殖してしまう結果と考えられています。その過程で左右の乳房の発育に非対称がある場合や、片側の乳房の発育不全に伴って発生することもあります。乳輪や乳頭自体には病的な問題はなく健康上差し障りはありませんが、見た目の問題として悩まれる方が多い症状です。

見た目上、乳輪が常に膨らんでいることで乳輪が大きい印象を与え、特に薄着や水着になると乳輪部の膨らみが服越しにも目立つことがあります。そのため男女ともにコンプレックスになりやすく、温泉やプールで人に見られるのが恥ずかしい、親しい関係でも指摘されないか不安、といった心理的負担につながります。実際、男性でも思春期以降にホルモンバランスの変化などで乳輪が膨らみ「乳輪がふくらんでいる男性」状態に悩むケースがあります。

以上のようにドーム状乳輪・乳頭は決して珍しいものではなく、見た目を改善したいと手術による治療を希望される方も少なくありません。

従来の手術方法とその問題点

ドーム状乳輪・乳頭を根本的に治すには、外科的に乳輪の膨らみを平らにする手術が必要です。これまで一般的に行われてきた従来の乳輪縮小術では、乳頭基部の乳輪皮膚をドーナツ状(環状)に切除して縫い縮める方法が取られてきました。

乳輪部の膨らみの原因と考えられる余剰な組織を直接取り除くイメージで、一見理にかなった方法に思えますし、手術直後の見た目は平坦になって効果があるように見えます。

しかし、この方法には大きな欠点があります。

従来法では時間の経過とともに傷跡(瘢痕組織)が引き延ばされてしまう点が問題です。具体的には、ドーナツ状に切除・縫合した乳頭基部周囲の傷跡が徐々に広がり、引っ張られることで乳頭まで扁平(平ら)になってしまうケースが多いのです。

その結果、せっかく乳輪を小さくしたつもりが時間とともに元に戻ってしまい、変形だけが残るという残念な事態になりがちです。私自身、他院でこの従来法の手術を受けた後に「乳輪が小さくならなかった」「乳頭が低く平坦になってしまった」という相談を受けることがあります。

以上の理由から、この旧来の方法で行うくらいなら手術を受けないほうが良いと言われるほど、長期的な効果に乏しい術式でした。

↑従来の乳輪縮小手術の方法

私が推奨する手術方法(酒井法によるドーム状乳輪修正術)

上述のように従来の術式では十分な効果が得られないため、私は酒井成身医師が考案した術式でドーム状乳輪の修正手術を行っています。酒井医師は、日本の形成外科の権威であり、従来法では難しかったドーム状乳輪・乳頭の修正法を独自に工夫して確立しました。

この方法では、乳輪を支える真皮層(皮膚の深い層)を活用し、乳輪外径を絞める特殊な縫合を組み合わせることで、乳輪の膨らみを抑えて縮小します。私のクリニックでもこの術式を採用しており、長期的に安定した良好な結果が得られています。

以下に具体的な手術手順を説明しましょう。

1.デザインと表皮の剥削切除

まず、膨らんだ乳輪の外周部にドーナツ状(環状)のデザインを描きます。膨らみの原因となっている乳輪の余剰部分を円環状に切除する範囲を決める作業です。

ポイントは、皮膚を全層で除去せず表皮(皮膚の表面層)のみを削ぎ取る(剥削する)点です。メスを用いて表皮だけを慎重に削り、真皮層を露出させます。

このように表皮のみをドーナツ状に取り除くことで、乳輪の膨らみを抑える土台を作ります。表皮を除去した箇所には、乳輪の色の部分(真皮)がリング状に残った状態になります。

↑ドーナツ状に表皮を剥削した直後の乳輪(真皮層が露出した状態)

次に、露出した真皮層に放射状の切開を加えていきます。乳頭を中心として真皮のリングに向かって何本か放射状(スポーク状)の切れ込みを入れるイメージです。

この操作によって、リング状の真皮がいくつかの扇形の真皮弁(皮膚の真皮フラップ)に分割されます。真皮弁とは皮膚の一部を弁(フラップ)状に残したもので、血流を維持しつつ位置をずらすことができます。

↑表皮を剥削した乳輪に放射状の切開を加え、複数の真皮弁を作成したところ

2.乳輪周囲の剥離と真皮弁の固定

続いて、乳輪の周囲組織を丁寧に剥離(はくり)します。剥離とは、皮膚とその下の組織を分離する操作です。

そして、先ほど作った複数の真皮弁を、それぞれ外側へ歯車の歯のように広げて展開し、乳輪の周囲の皮下組織に向かって貼り付けるように配置します。そしてその真皮弁を周囲の組織にしっかりと縫合固定します。

これを例えるなら、ドーム状に盛り上がっていた乳輪の中身を、周囲へ平らに押し広げて固定するイメージです。真皮弁を内側(乳頭側)から外側へ向けて放射状に広げて縫い留めることで、平坦に矯正する効果があります。

↑作成した真皮弁を歯車状に広げて乳輪周囲の皮下に縫合固定したところ

3.巾着縫合(外周の縮小)

次に、乳輪の外周部分を縮小するための縫合を行います。表皮をドーナツ状に除去していますので、その除去した外側の直径(乳輪の元の大きさ)は、これから形成する新しい乳輪の直径(内側)よりも当然大きいままです。

そこで、乳輪外周部に糸を通して絞り込む巾着(きんちゃく)縫合という方法で外径を小さく縮めます。これは、袋の口を紐で絞る巾着袋のように、円周状に糸を通して締め上げる縫合方法です。

外周の皮膚(真皮層)に沿って円形に糸を通し、ゆっくりと引き絞ることで、余っていた乳輪外周がキュッと内側に縮まります。この巾着縫合によって、新しく形成する乳輪の直径に合わせて余分な外周を調整し、乳輪全体のサイズを小さくすることができます。

↑巾着縫合により乳輪外周の皮膚を縮め、乳輪の外径を小さく調整したところ

4.皮膚の縫合(傷の閉鎖)

巾着縫合によって乳輪のサイズを縮小できたら、皮膚を丁寧に縫合して手術を完了します。乳頭周囲(内側円)と外側の皮膚の境目を糸で縫い合わせ、傷口を閉じます。

内側の乳輪と外側の正常皮膚の境界に一周するような傷跡は残りますが、時間とともに目立たなくなり、また乳輪の色調差に紛れてほとんどわからなくなります。

以上でドーム状乳輪修正術の手術操作自体は終了です。

↑手術直後(皮膚縫合を終えた直後)の乳輪周囲。乳輪の膨らみが解消されている

5.術後の管理(アフターケア)

手術後は、乳輪部分が腫れないよう専用の圧迫バンドで約1週間ほど圧迫固定を行います。剥離した皮膚の下に血液や体液が溜まらないように適度な圧迫を加えて安静に保つ目的です。

術後7日目程度で圧迫固定を解除し、術後10日前後で皮膚の抜糸(縫合糸を取る処置)を行います。抜糸までは傷口にテープ保護をしたまま経過を見ます。

抜糸時点では、傷跡はまだ赤みを帯びていますが、乳輪のドーム状の隆起は明らかに解消されています。

↑術後10日目(抜糸時)の乳輪。創部は順調に回復し、膨らみのない平らな状態になっている

▶️ 乳輪縮小についてはこちら

術前術後の比較症例(ビフォーアフター画像)

では、実際にドーム状乳輪修正術を受けられた男性の患者様の術前術後画像を見てみましょう。以下の写真は、当院で手術を行った症例の術前(手術前)と術後の状態を、立位(体を起こした状態)と仰臥位(横になった状態)で比較したものです。

 

↑術前のドーム状に乳輪が膨らんだ状態(男性の乳輪・乳頭です)

↑術後の乳輪。乳輪の膨らみが改善し平らになっている

ご覧のように、術前は乳輪全体が前方へ丸くせり出すように膨隆していましたが、術後は明らかにドーム状の形状が改善し、乳輪部が平坦になっていることが分かります。立った状態でも横になった状態でも、乳輪の厚みが薄くなり、余分なふくらみが解消されています。

また、乳輪径(直径)も一回り小さくなっており、「乳輪が大きい」状態がしっかり是正されています。術後の経過も良好で、傷跡は時間とともに目立ちにくくなりました。

この患者様も長年のコンプレックスが解消されたことで、自信を持って日常生活を送れるようになったと大変喜ばれていました。

考えられる副作用・リスク

このドーム状乳輪修正術は、従来法と比べて術後の変形リスクが低く、安全性の高い手術方法です。特に乳頭基部を過度に切除しないため、乳頭が扁平化してしまうリスクを最小限に抑えています。術後に大きな副作用が起こる可能性はほとんどありません。

ただし、細かな点まで含めて考えると、以下のような注意点・リスクが考えられます。

  • 乳頭の高さがわずかに低くなる可能性:乳輪の膨らみを周囲に引き伸ばして固定する関係上、術後に乳頭の突出具合(高さ)が術前よりも若干低くなることがあります。これは乳頭周囲の皮膚が外側へ引っ張られる影響で、乳頭が多少押し込まれるためです。ただし、多くの場合は数ミリ程度の変化で、見た目や機能に支障が出るほどではありません。術前に患者様と十分に話し合い、許容できる範囲か確認しています。

  • 傷跡・瘢痕:乳輪の周囲一周にわたって傷跡が残ります。上記のように傷跡は乳輪と周囲皮膚の境界線に沿うため、時間経過とともにかなり目立ちにくくなります。しかし体質的にケロイド体質の方などは、傷が盛り上がったり赤みが長引いたりする可能性もゼロではありません。

  • 感覚や母乳への影響:術式上、乳頭・乳管には直接手を加えませんので、術後の乳頭の感覚や授乳機能(女性の場合)への影響は基本的にありません。ただし術中の操作によって一時的に乳輪・乳頭の知覚が鈍くなる可能性はありますが、時間とともに回復するのが通常です。

以上のように、大きな副作用はほとんどありませんが、手術である以上わずかな出血や感染のリスク、左右差が残る可能性などゼロとは言えません。当院では術前にこれらリスクも含めしっかりご説明した上で施術を行っておりますのでご安心ください。

▶️ 乳輪縮小についてはこちら

まとめ

ドーム状(釣鐘状)乳輪・乳頭は、本人にとってはとても気になるお悩みですが、この症状に対応した手術を行っている医療機関は多くありません。そのため、「どこに相談すればいいかわからない」「恥ずかしくて人に聞けない」と一人で悩んでしまっている方が少なくないのが現状です。

 

しかし、適切な手術によって乳輪の膨らみを平らにし、乳輪を小さく整えることは十分可能です。当院では今回ご紹介した酒井医師考案の術式を用いて、患者様のドーム状乳輪・乳頭のお悩みを解消してきました。

 

長年「乳輪が大きい」「乳輪がふくらんでいる」ことで悩んできた方、そして「どうにか乳輪を小さくしたい」と願っている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。当院(青山セレスクリニック・船橋中央クリニック)は乳頭・乳輪の手術症例が豊富で、経験に基づいた的確な治療法をご提案できます。

 

カウンセリングでは患者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策を一緒に考えてまいります。コンプレックスから解放され、自信を持って過ごせる毎日を取り戻すお手伝いができれば幸いです。お気軽にお問い合わせください。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、豊胸手術、アンチエイジング治療を得意としている。日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている男性乳頭縮小手術でタモリ俱楽部に出演歴あり。

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