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シミの種類の見分け方と対策
更新日:2025/07/15
公開日:2025/06/25

30代以降になると、顔の「シミ」に悩む女性は少なくありません。シミと一口に言っても実は様々な種類があり、それぞれ原因も適した治療法(対策)も異なります。見た目が似ているシミでも、タイプによってレーザー治療が有効なものと、逆にレーザーを当てると悪化するものさえあります。
そのため、まず自分のシミがどの種類か正しく見分け方を知ることが大切です。ここでは美容外科専門医の視点から、代表的なシミの種類ごとの特徴と見分け方、適した治療法(対策)、さらに誤診を防ぐポイントや治療選択時の注意点について解説します。
主なシミの種類と特徴
一般的に「シミ」と呼ばれる代表的なものには以下の5種類があります。
- 老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん) – 別名「日光黒子(にっこうこくし)」。いわゆる年齢と紫外線による典型的なシミ。
- 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう) – 別名「老人性いぼ」。盛り上がりのあるイボ状の良性腫瘍。
- そばかす(雀卵斑〈じゃくらんはん〉) – 遺伝的要因が強い小さな斑点状のシミ。
- 肝斑(かんぱん) – 主に女性ホルモンや刺激が関与する左右対称に出る薄茶色のシミ。
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) – 通称「ADM」。真皮にメラニン細胞が存在することで生じる青灰色~茶褐色のシミ(以前は遅発性両側性太田母斑とも呼ばれたもの)。
見た目は似ていても、これらは原因も性質も異なり、適した治療法もそれぞれ違います。さらに一人の肌に複数の種類のシミが混在することも少なくありません。以下でそれぞれのシミの種類について、見分け方のポイントと対策となる治療法を詳しく見ていきましょう。
老人性色素斑(日光性黒子)
特徴と見分け方: 老人性色素斑は一般的に「シミ」と言えばまず思い浮かぶ代表的なタイプです。主に40代以降から増え始め、頬骨やこめかみ、鼻の上、手の甲など長年日光にさらされた部位に生じやすい傾向があります。形はコイン状の円形または楕円形で、色は薄い茶色~濃い茶褐色、大きさは数ミリから数センチまで様々です。表面は皮膚とほぼフラットで凹凸がなく、輪郭は比較的はっきりしています。
加齢とともに数も大きさも増え、放置すると徐々に濃く大きくなる傾向があります。日光曝露部位によくできますが、まれにお腹など日光が当たりにくい場所にできることもあります。老人性色素斑と紛らわしいものに、小さめで薄いタイプのもの(※若年性の日光黒子)や、後述する脂漏性角化症へ部分的に隆起してきたものがあります。高齢者では非常にまれですが、見た目が似た皮膚がん(悪性黒色腫など)が混在する可能性もゼロではないため、自己判断で放置せず専門医による診断が重要です。
原因: 主な原因は長年にわたる紫外線ダメージと加齢による皮膚の変化です。紫外線により表皮のメラノサイト(色素細胞)が活性化し、メラニンが過剰生成され蓄積すること、さらに細胞の老化現象によるメラノサイトや角化細胞の増殖異常が関与しています。こうした蓄積ダメージが40代以降に表面化してくるのが老人性色素斑です。
治療法・対策: 老人性色素斑にはレーザー治療が非常に効果的で一般的です。主にQスイッチヤグレーザーを用いて、メラニン色素だけを選択的に破壊することでシミを除去します。通常1回の照射でかさぶたができ、1~2週間で剥がれるとシミが薄くなります。浅いものでは1回で消えることもありますが、濃いものや範囲が広いものは複数回の治療が必要になる場合もあります。
レーザー治療後は一時的に炎症後色素沈着(肌の防御反応による一時的な黒ずみ)が生じることがありますが、数ヶ月で徐々に改善します。再発予防には徹底した紫外線対策が欠かせません。日焼け止めはもちろん、帽子や日傘の利用、適切なスキンケアによって治療効果を長持ちさせ、新たなシミ発生を防ぐことが重要です。軽度のシミであればハイドロキノンやトレチノインなどの医療用外用薬で徐々に薄くする方法もありますが、確実に除去したい場合はレーザー治療が推奨されます。

老人性色素斑治療例
レーザー除去費用(税込)1mm3,300円
※レーザー照射後は一時的に赤みが出現します
脂漏性角化症(老人性イボ)
特徴と見分け方: 脂漏性角化症は、俗に「老人性イボ」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。一見シミのように見えますが、色は肌色~茶色~黒色と様々で、形状は表面がやや隆起しイボ状・ざらざらしていることが特徴です。大きさは数ミリ程度の小さいものが多いですが、中には直径1~2cm以上に大きくなるものもあります。触ると引っかかるような盛り上がりを感じ、ろうそくのしずくが垂れて固まったような「貼り付いた」外観とも表現されます。
40代以降の顔や頭、首、手の甲などによく見られますが、20~30代の若い方にも発生することがあります。また、もともとあった老人性色素斑が年月を経て少しずつ盛り上がり脂漏性角化症に変化するケースもあります。
見分け方としては、平らなシミだったものが部分的に盛り上がってきたり、明らかな隆起とざらつきを伴う場合は脂漏性角化症の可能性が高いです。色調も、老人性色素斑は均一な茶色であることが多いのに対し、脂漏性角化症は周囲の皮膚色になじむ薄茶から黒色までばらつきがあり、境界もやや不明瞭なことがあります。
自覚症状は通常ありませんが、たまに炎症を起こすと赤みやかゆみを生じることがあります。見た目が似ているものに隆起性のホクロ(良性母斑)や、一部の悪性腫瘍(基底細胞がんや悪性黒色腫など)があります。特に急に大きくなったり色がまだら・不均一なものは、医師に診てもらい鑑別することが大切です。
原因: 脂漏性角化症の最大の原因も紫外線による光老化ダメージの蓄積です。長年浴びた日光によって皮膚の細胞に遺伝子レベルで傷が蓄積し、加齢とともに角化細胞が異常増殖して発生します。そのため日光が当たりやすい部位(顔、頭皮、手の甲など)にできやすい傾向があります。ただし紫外線と関係なく体幹(お腹や背中)に多数できるケースや、若年でも多発する例もあり、遺伝的要因や他の原因も一部関与すると考えられています。
治療法・対策: 脂漏性角化症自体は良性で放置しても健康上の害はありませんが、見た目の改善や引っかかって炎症を起こすのを防ぐ目的で治療することがあります。レーザー治療・冷凍凝固(液体窒素)・切除手術などが主な選択肢ですが、最もきれいに除去する方法としては筆者は炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による蒸散・削除術で、患部をピンポイントで取り除く方法を推奨します。レーザーによる除去では一度で確実に取りきれることが多く、再発もしにくい優れた方法です。治療後は再発予防のため紫外線対策を継続することが重要です。また新たな脂漏性角化症が年齢とともに発生することはありますが、一度除去したものが同じ場所に再度できることは稀です。

脂漏性角化症治療例
炭酸ガスレーザー除去費用(税込)1mm3,300円
※レーザー照射後は一時的に赤みが出現します
そばかす(雀卵斑)
特徴と見分け方: そばかすは、主に小児期から思春期にかけて現れる小さな茶色の斑点(色素斑)です。遺伝的素因が強く、色白の肌質の方に多く見られます。典型的には両頬骨の下から鼻にかけて左右対称に、直径1~5mm程度の小さな淡褐色の点々が散らばるように多数現れます。幼少期には薄く目立たなかったものが思春期ごろから増えて濃くなり、一番濃く目立つのは10~20代です。
その後、中高年になると少し薄くなることも多いです。分布は主に顔面ですが、重症例では腕や背中などにも及ぶことがあります。ただし髪の生え際やまぶた近くにはあまりできない点も特徴です(日光に当たりにくい箇所のため)。色は薄茶色で均一、形は小さな点状で、境界は比較的はっきりしています。
老人性色素斑との違いは、発症年齢が幼少期~10代と早いこと、無数に散在すること、そして日光曝露に伴い増減する点です。一方で20代以降に出てくる散在性の細かい茶色斑点は、小型の老人性色素斑である場合もあります。そばかすと日光黒子は発生時期や広がりで概ね区別できますが、見た目が類似するケースもあり、治療法はどちらもレーザーで対応できるため大きな支障はありません。そばかす自体は良性で健康上問題はなく、思春期以降に目立ってきても加齢で薄れる傾向があるため、気にならなければ必ずしも治療の必要はありません。
原因: そばかすは遺伝性の色素異常症の一つです。両親や血縁にそばかすがある場合、その体質を受け継ぐことで子供の頃から出現します。また女性に多いこと、思春期や妊娠を契機に目立つようになることから女性ホルモンの影響も指摘されています。
しかし最大の要因は紫外線です。日焼けをきっかけに新しいそばかすが増えたり濃くなったりすることが非常によくあります。そばかすの元々の色素細胞は紫外線防御が弱く、すぐにメラニンを産生してしまうため、日光に当たるとどんどん濃くなってしまうのです。
治療法・対策: そばかすはレーザー治療や光治療(IPL)で非常に良く反応し、薄くすることが可能です。特にQスイッチヤグレーザーはそばかす治療との相性が良く、短時間でメラニンを粉砕できるため肌への負担が少なく効果的とされています。治療後一時的にかさぶたになりますが、1~2週間で剥がれて色素が薄くなります。顔全体に広がる多数のそばかすにはIPL(フォトシルクプラスなど)で広範囲を一度に照射して薄くする方法も有効です。
注意点は、再発しやすいことです。レーザーで一度消えても、紫外線を浴び続ければ数年かけてまた新たなそばかすが出てきます。とはいえ適切に治療したそばかすは印象として長期間それほど目立って戻ってこないケースも多いです再発予防には日焼け止めの徹底が何より重要です。
日常的にSPF値の高い日焼け止めを使用し、外出時は帽子をかぶるなど紫外線対策を習慣化しましょう。また肝斑など他のシミとの鑑別も大切です。頬に広範囲に広がる薄茶色のクスミは肝斑の可能性があり、肝斑にレーザーを当てると悪化するため、自分のシミが本当にそばかすかどうか判断に迷う場合は専門医に相談してください。

肝斑(かんぱん)
特徴と見分け方: 肝斑は30代~40代の女性に多く発症し、頬骨あたりを中心に左右対称に現れる薄茶色のシミです。色は肌のくすみのように薄い褐色で、輪郭がぼんやり不明瞭なのが特徴です。地図状に広がることもあり、境界がはっきりしないため鏡で見ると顔全体がくすんだ印象を与えます。形は広い面でモヤっとした染み付きのように見え、小さな点ではなく面積を持つのが他のシミとの違いです。
典型的な部位は両頬ですが、額の生え際寄りや口のまわり、鼻の下(いわゆる口ひげ部分)に出ることもあります。一方でまぶたや眉毛の生え際には肝斑は出ないというのも特徴の一つです(ここにシミがある場合は後述のADMを疑います)。左右対称性が高く、ほぼ同じ場所・大きさで両側に存在するのも肝斑に典型的です。発症年齢は主に30~40代で、更年期以降の高齢になると自然に薄くなる傾向があります。
男性に出ることは少ないですがゼロではありません。肝斑は見分け方が難しいシミの一つで、老人性色素斑など他のシミと混在したり、ADMと非常に紛らわしいケースもあります。実際、頬に両側性に生じるという点でADM(後述)と間違えられることも少なくありません。しかし肝斑は摩擦やホルモンとの関連が強く、境界がぼんやりしている点で見慣れれば判別可能です。素人判断は難しいため、経験豊富な皮膚科医に診断してもらうことが望ましいでしょう。
原因: 肝斑の原因は明確には解明されていませんが、女性ホルモンの変動と外部刺激による炎症が主に関与していると考えられます。具体的には、妊娠や経口避妊薬(ピル)の使用によるホルモンバランスの変化が肝斑発症・悪化に関与することが示唆されています。また男性にはほとんど見られず、閉経後は薄くなることからも女性ホルモンとの関係がうかがえます。
一方で、紫外線や不適切なスキンケア(手でゴシゴシ洗顔する、強いピーリングの乱用など)、合わない化粧品によるかぶれ、さらにはシミ治療のレーザー照射そのものも外部刺激となって肝斑を誘発・悪化させることがあります。頬の高い位置は日焼けしやすく、また洗顔時やメイク時に摩擦が加わりやすいため、肝斑ができやすい部位と言えます。要するに、肝斑はホルモン要因+紫外線+摩擦刺激が重なって発症する複合的な肌トラブルと考えられています。なお「肝斑」という名前は肝臓の病気と直接関係があるわけではなく、昔の中医学で肝臓の不調が顔に出るという考えに由来する名称です。
治療法・対策: 肝斑は他のシミと治療法が大きく異なる点に注意が必要です。まずレーザー治療の強い照射は禁忌です。老人性色素斑のように高出力のレーザーで焼くと、肝斑はかえって悪化したり、再発を繰り返す恐れがあります。筆者が推奨する肝斑治療の第一選択はレーザートーニングと呼ばれる低出力レーザーを繰り返し当てる方法です。これはQスイッチヤグレーザーなどを弱い出力で顔全体に照射し、徐々に色素を薄くしていく方法です。
また、レーザートーニングと同時にビタミンイオン導入を行うことで、効果が高まります。さらに、レーザートーニング、ビタミンイオン導入と同時に、トラネキサム酸の内服も推奨します。さらに肝斑を悪化させないスキンケアが極めて重要です。具体的には、紫外線対策を徹底し(SPF/PA値の高い日焼け止めを毎日使用)、洗顔やクレンジングでは肌を擦らず優しく行い、保湿を十分にしてバリア機能を高めます。摩擦や刺激を極力避ける生活習慣を心がけるだけでも肝斑が改善することがあります。
総じて肝斑は「一気に消す」ことは難しく、長期的なケアで少しずつ改善を目指すシミと言えます。患者さん自身も肝斑と上手に付き合い、根気強く治療とセルフケアを続けることが大切です。
参照元: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27338120/
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
特徴と見分け方: ADMは「Acquired Dermal Melanocytosis」の略称で、日本人を含む東アジア人に見られる頬の青みがかったシミです。20~30代で発症することが多く、左右の頬に褐色~灰青色の斑点状の色素斑が散在します。大きさは直径1~5mm程度の小斑が集まったように見える場合が多いです。分布は頬骨の高い位置に多く、左右対称に現れる点では肝斑と紛らわしいですが、ADMの色調は肝斑より濃く青みを帯びるのが特徴です。
またADMはまぶたや額、鼻、こめかみなどにも出現することがあります。肝斑と異なり、輪郭は比較的はっきりした斑点が集まっている印象です。素人目には肝斑との違いが難しいことがありますが、見慣れれば診断は容易なことが多いとされます。実際には肝斑と混在しているケースも多く、肝斑の上にADMが重なっているようなこともあります。
ポイントとして、写真などで見比べるとADMは肝斑より色が濃く斑点状であること、また肝斑で典型的に見られない目の周囲(下まぶた~上顎)や鼻翼部にも斑点がある場合ADMの可能性が高いです。ADM自体は先天性ではなく後天的(思春期以降)に出現する「アザ」の一種として分類されます。なおADMという名称は一般的ですが、かつては「遅発性両側性太田母斑」という分類名でも呼ばれていました。
見分け方まとめると、20代前後から発生した青灰色調の頬のシミで、他のシミとは色調が異なること、肝斑とは輪郭が明瞭な点が鑑別の鍵になります。しかし肝斑と非常に近接した場所にできるため間違われることもあり、その場合は誤った治療で「全然消えないシミ…」となってしまうので注意が必要です。
原因: ADMは皮膚の真皮層(通常メラノサイトが存在しない深い層)にメラニン産生細胞が入り込んでしまうことで生じます。なぜ本来表皮にいるメラノサイトが真皮内に存在するようになるのか、明確な原因はまだ解明されていません。先天的ではなく思春期以降に出るため、思春期のホルモン変化や日焼けなど何らかの誘因でメラノサイトが真皮に迷入するのではと考えられています。一部では遺伝的要因も指摘され、家族内でADMがみられるケースもあります。ADMは一種の後天性のアザとも言え、皮膚の深部に存在するため放置しても自然には消えません。また紫外線により悪化することもありますので、他のシミ同様UVケアは大事です。
治療法・対策: ADMに対して有効なのはレーザー治療のみとされています。表皮ではなく真皮にあるメラニンを破壊できるレーザーとして、Qスイッチヤグレーザーを長波長で高出力に照射する必要があります。IPL(光治療)や美白成分の塗り薬・飲み薬では効果が得られません。レーザー照射後、ADMは治療経過が独特で、効果の実感に時間がかかる点に留意が必要です。
照射しても1~2ヶ月ほどは見た目にほとんど変化がなく、3ヶ月ほど経ってから徐々に色が薄れていき、最終的な効果発現まで約1年かかることもあります。このため、効果が見られないからといって焦って短期間に何度もレーザーを繰り返すと、かえって色素沈着の悪化や色抜け(色素脱失)など副作用のリスクが高まります。医師の指示通り、間隔を開けて根気よく治療を継続することが成功の鍵です。一般的には3ヶ月おきに数回(3程度)レーザーを当てるとかなり薄くなるケースが多いです。
一度薄くなったADMは、適切に治療できていれば再発しにくい傾向があります。ただし不完全に除去されて真皮内にメラニン細胞が残っていると、再び色素沈着が出てくる可能性があります。そのため完全に消すには追加照射が必要になることもあります。
またADMと肝斑・老人性色素斑が混在している場合、どの順番・方針で治療するか専門医の判断が重要です。例えば肝斑が濃い人にADM治療のレーザーを当てると肝斑が悪化する恐れがありますし、逆にADMがあるのに肝斑治療だけしてもADM部分は残ります。
複数のシミがある場合は一度で完璧に取ろうと焦らず、まず肝斑を落ち着かせてからADMに取り組むなど計画的に進めることが大切です。いずれにせよ、自己判断せず専門の医療機関で適切な診断を受けて治療計画を立てることが不可欠でしょう。

ADM治療例
レーザー除去費用(税込)1mm3,300円
※レーザー照射後は一時的に赤みが出現します
シミの見分け方と誤診防止のポイント
このようにシミには様々な種類があり自己判断で見分けるのは難しい場合があります。特に肝斑とADM、老人性色素斑と脂漏性角化症、そばかすと小さな日光黒子などは非常に紛らわしい組み合わせです。それぞれ間違った治療をすると効果がなかったり、悪化する恐れがあるため注意が必要です。例えば、肝斑を老人性色素斑と思い込んで強いレーザーを当てると肝斑が悪化して濃くなってしまいますし、逆にADMを肝斑と思って内服や外用のみで経過を見てもADMはほとんど薄くなりません。
また、高齢者の顔にある濃いシミの中には悪性黒色腫など皮膚癌が紛れているケースもまれに存在します。普通のシミに比べて色が黒々と濃く不規則な形をしていたり、大きさが短期間で変化するものは要注意です。シミと思って放置していたら実は皮膚癌だったということのないよう、気になる症状があれば早めに専門医を受診してください。
シミは複数の種類が同時に存在することも少なくありません。例えば30代以降の女性では、肝斑と日光黒子が混在しているケースがよくあります。この場合、肝斑をケアしつつ日光黒子には別の治療を組み合わせるなど、総合的なアプローチが必要になります。
自己流の判断や市販クリームだけに頼ったケアは禁物です。適切な診断なく強いピーリングをしたり美容医療を受けたりすると、かえってシミが増悪するリスクがあります。まずは信頼できる医療機関で診察を受け、自分のシミの正体をはっきりさせることが美肌への近道です。
治療法の選択と再発・費用の注意点
シミ治療を選ぶ際には、再発リスクや治療回数、費用について理解しておくことも大切です。
再発リスク
シミの種類によって再発のしやすさが異なります。老人性色素斑は一度レーザーで除去すれば同じ箇所に再発することは少ないですが、紫外線対策を怠ると新しいシミが別の場所に出てきやすくなります。脂漏性角化症は治療後に同じ場所へ再発することはほとんどありませんが、加齢に伴い別の箇所に新生する可能性はあります。
そばかすは体質的に新しいものが出やすく、治療後も長年かけて少しずつ再発することが多いです。とはいえ適切な紫外線ケアで再発を最小限に抑えることができます。肝斑はホルモンや生活習慣の影響を受けるため、治療で薄くなっても日焼けで再燃しやすく、完全に消失させるのは難しいとされています。ADMは真皮のアザなので、きちんと治療すれば再発は少ないですが、不完全だと残存した色素がまた目立ってくることがあります。
必要な治療回数
老人性色素斑は1回のレーザーで取れることも多いですが、濃いものは2~3回照射が必要です。脂漏性角化症は基本的に1回のレーザー照射で除去できます。ただし多数ある場合は複数回に分けて治療することもあります。
そばかすは顔全体に広がるため、広範囲を一度で治療するIPLなどを数回行うか、濃い部分にスポット照射を数回繰り返すケースがあります。
肝斑は長期戦で、トラネキサム酸内服を数ヶ月~1年以上続け、様子を見ながら必要に応じてレーザートーニングを何度も繰り返すことになります。
ADMは上述の通り数回(3程度)のレーザー治療を、数ヶ月おきに行う必要があります。治療効果が出るまでに時間がかかるため、根気強く通院することが求められます。
その他の注意点
シミ治療後は一時的に治療箇所が濃く見えたり、赤み・かさぶたが生じたりします。これは治療過程で必要な反応なので心配いりませんが、アフターケアがとても重要です。日焼け止めを欠かさず塗る、処方された軟膏を使用する、かさぶたを無理に剥がさない等、医師の指示を守りましょう。特にレーザー後に紫外線を浴びると強い炎症後色素沈着を起こしやすくなるため、厳重にUVカットする必要があります。
また、シミ治療は基本的に自由診療で保険が効かないことを念頭に置き、治療開始前にトータル費用のおおよその見積もりを確認しておくと安心です。最近はレーザー機器の進歩で治療時間が短縮され痛みも軽減していますが、不安な場合は麻酔クリームの併用も可能です。いずれにせよ、疑問点は事前に医師に相談し、納得した上で治療を受けるようにしましょう。
まとめ
シミに悩んだら、まずは専門の医療機関で適切な診断を受けることが重要です。経験豊富な医師であればシミの種類を見極めた上で、それぞれに最適な治療法を提案してくれます。自己流のケアや市販薬では限界があり、場合によっては逆効果となることもあります。医療機関ではレーザー治療だけでなく、肌質やライフスタイルも考慮した総合的なケアプランを立ててもらえます。
特に肝斑のようにデリケートなシミは専門知識が不可欠ですし、ADMのように特殊なシミも病院でしか治療できません。また前述のように、見た目がシミそっくりな皮膚癌を見逃さないためにもプロの目によるチェックが安心です。シミは適切に対処すれば必ず改善が期待できます。しかし種類を見極めずに誤った方法を試すと、時間とお金が無駄になるばかりか症状が悪化するリスクもあります。
30代以降の女性にとってシミ治療はエイジングケアの大切な一歩です。まずは信頼できる医師のもとで正しい診断を受け、自分のシミに合った最善のケアを始めましょう。医師と二人三脚で取り組めば、シミのない明るい素肌を取り戻すことも夢ではありません。悩みを一人で抱え込まず、ぜひお気軽に専門家に相談してみてください。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、美容外科医でありながら、肌治療にも精通している。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。シミ治療、にきび、ニキビ跡治療に定評がある。
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最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
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