投稿日:2025/04/14
(最終更新日:2025/05/11)
夏な大丈夫?アートメイクに最適な時期と夏場の注意点
「アートメイクは夏を避けた方がいいのでしょうか?」というご質問を、患者様から頻繁にいただきます。確かに、汗をかきやすい季節である夏は、衛生管理やアフターケアの面で少し気をつけるべきポイントが増えるため、「避けたほうがよい」といわれることがあります。しかし、正しい知識とケアを行えば、夏場であってもアートメイクの施術はまったく問題ありません。実際、夏の長期休暇などを利用して施術される方も多く、むしろタイミングとして好都合な場合もあります。今回は、アートメイクを受ける時期ごとの特徴や、季節ごとの注意点、そして夏でも安心して施術を受けるためのポイントについて、医師の視点から詳しく解説いたします。施術時期に迷っている方は、ぜひ本記事を参考にご自身に合ったベストなタイミングを見つけてください。
アートメイクとは
アートメイクとは、専用の極細の針を使用し、皮膚のごく浅い層―表皮から真皮の浅層(深さ約0.01〜0.3mm)に色素を注入し、半永久的に自然な色味を定着させる医療行為です。いわゆる「落ちないメイク」として知られており、眉やアイライン、リップなどに施術することで、メイク時間の短縮やすっぴんへの自信につながると、多くの方に支持されています。色素はタトゥーのように深くまで入れるものではなく、数年かけて徐々に薄くなるのが特徴です。通常は2〜3年程度持続しますが、肌質や新陳代謝、日々のスキンケア、紫外線の影響、喫煙・飲酒の習慣などによって色素の定着度や持続期間には個人差があります。また、アートメイクは医療行為に分類されるため、医療機関で、衛生管理の整った環境下で医師または医師の指導のもと有資格者が行うことが法律で義務付けられています。
なぜ夏場は避けたほうが良いといわれることがあるのか
アートメイク施術に関して「夏は避けた方がよい」と言われる背景には、主に汗や紫外線といった夏特有の外的要因が、施術直後のデリケートな肌に悪影響を及ぼす可能性があるからです。以下に、その代表的な理由を詳しくご説明します。
汗による影響
施術直後の皮膚は微細な傷がついた状態であり、色素が肌に定着する過程にあります。この時期に大量の汗をかくと、次のようなリスクが考えられます。
■色素の流出
汗とともに色素が流れ、均一に定着しづらくなることで、色ムラや仕上がりの薄さの原因になります。
■感染のリスク
汗や皮脂に含まれる雑菌が毛穴から侵入し、炎症や赤みを引き起こすことがあります。
■かゆみや赤みの悪化
発汗によってかゆみが増し、無意識に掻いてしまうと色素が抜けたり、傷の治癒が遅れる場合があります。
紫外線による影響
施術後の皮膚は、まだ完全には修復されておらず、バリア機能も低下しています。この状態で夏場の強い紫外線を浴びると、以下のようなトラブルにつながることがあります。
■色ムラや変色のリスク
紫外線によって色素が酸化し、意図した色味とは異なる赤みや青みが強調されることがあります。また、紫外線によるダメージで皮膚が剥がれ、色素が一部抜けてしまうことも。特に眉のアートメイクでは変色が起こりやすい傾向にあります。
■炎症やかゆみの悪化
紫外線が刺激となって炎症を助長し、赤みやかゆみが長引くことがあります。
夏までにアートメイクを受けるメリット
アートメイクは「汗や水に強い落ちないメイク」として知られていますが、特にその真価が発揮されるのが夏の季節です。汗や皮脂によるメイク崩れが避けられない夏こそ、アートメイクを事前に済ませておくことで、快適さと美しさを両立させることができます。
メイク崩れの心配がなく、常に理想の状態をキープ
夏は気温や湿度が高く、通常のメイクでは汗や皮脂によって崩れやすくなります。しかしアートメイクなら、以下のような効果が得られます。
眉毛:描いた眉が汗で消える心配がなく、いつでも整った印象を保てます。
アイライン:プールや海、ジムでの汗でも滲まず、くっきりとした目元が持続します。
リップ:紫外線で血色が悪くなりがちな唇に自然な色味をプラスし、顔全体の印象が明るくなります。
レジャーや旅行でも美しさをキープし、時短にも
夏はアウトドアイベントや旅行、海やプールなどのレジャーが増える時期。アートメイクをしておけば、朝のメイク時間を大幅に短縮できるほか、メイク直しの手間も不要になります。水や汗に強いので、温泉やスポーツシーンでも「すっぴんでもきれい」を実現できます。
マスクによる蒸れや肌荒れの予防にも
夏のマスク着用は蒸れによるメイク崩れや肌荒れの原因になりがちですが、アートメイクならベースメイクやポイントメイクを控えることができ、皮膚への負担も軽減されます。
美しさの維持:マスクをしていても眉やリップの輪郭がはっきりしているため、印象がぼやけません。
肌への優しさ:ファンデーションやアイブロウの使用頻度が減ることで、ニキビや毛穴詰まりといった肌トラブルの予防にもつながります。
→合わせて読みたい「アートメイクが薄くなる理由と退色を遅らせる方法」」
夏は絶対にアートメイクできない?
「夏はアートメイクを避けたほうが良い」といった情報から、夏場の施術を諦めてしまう方もいらっしゃいますが、実際のところ“夏だから絶対にできない”というわけではありません。むしろ、以下の適切なアフターケアと注意点を守っていただければ、夏でも問題なくアートメイクを受けることが可能です。
汗に関する注意点
施術直後の皮膚はとてもデリケートで、色素がまだ定着途中の状態です。そのため、施術後1週間は大量の汗をかかないように注意しましょう。具体的には、サウナや岩盤浴、長風呂、ジムでの運動、ジョギングなどの激しい運動は控えることをおすすめします。
とはいえ、夏は日常生活の中でもどうしても汗をかいてしまう場面があります。そんなときは、清潔なティッシュやコットンで肌をこすらず、軽く押さえるようにして汗を拭き取ることが大切です。また、冷たいタオルや保冷剤などで患部をやさしくクールダウンすることで、炎症を抑え、色素の定着を促す効果も期待できます。
紫外線対策の徹底
日焼けは色素の変色や皮むけの原因となるため、紫外線対策も欠かせません。施術部位を紫外線から守るため、施術後しばらくは帽子や日傘、サングラスの使用をおすすめします。施術から約1週間後には通常メイクが可能となりますので、そのタイミングからは日焼け止めをしっかり塗布することで、より効果的な紫外線対策ができます。
保湿によるバリア機能のサポート
施術後1週間は、クリニックで処方された専用の軟膏を1日数回、清潔な状態でしっかり塗布しましょう。これは汗による刺激を軽減し、皮膚のバリア機能をサポートする重要なケアです。
このように、基本的な注意事項を守って適切にケアを行えば、夏でも安全かつ美しいアートメイクを実現することが可能です。季節にとらわれすぎず、自分のライフスタイルやスケジュールに合わせてベストなタイミングを選びましょう。
まとめ
本記事では、特にご質問の多い「夏場のアートメイク施術」について詳しくご説明しました。アートメイクは、汗や水によるメイク崩れの心配がなくなるため、夏の季節こそその利便性を実感しやすい美容医療の一つです。一方で、施術直後の皮膚はデリケートな状態にあるため、紫外線や発汗などへの注意が必要な時期でもあります。そのため、不安を感じる方は春や秋などの比較的過ごしやすい季節を選択するのも一つの方法です。当院では、どの季節においても安心して施術を受けていただけるよう、経験豊富な施術看護師による丁寧なカウンセリングと、ライフスタイルに応じたご提案を行っております。施術後のご不安に対しても、医師による的確なアフターケア体制を整えておりますので、夏場の施術を検討されている方もどうぞご安心ください。本記事が、アートメイク施術の時期選びに迷われている方のご参考になれば幸いです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療、リフトアップ治療を得意としている。【関連項目】
アートメイクで後悔しないために。デメリットとダウンタイムの詳細
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