投稿日:2025/04/13
(最終更新日:2025/05/11)
リップアートメイクの徹底解説:効果・種類・注意点
リップのアートメイクは、唇の輪郭を美しく整え、自然な血色感やツヤを長期間キープできる医療施術です。専用の極細針を使って、皮膚のごく浅い層に医療用の色素を丁寧に注入することで、リップメイクをしているかのような華やかさと、すっぴんでも自信の持てる唇を実現します。日本ではアートメイクは医療行為に分類されており、施術を行えるのは医師または看護師などの医療有資格者に限られています。これは、皮膚に針を刺すという侵襲的な行為を伴うため、衛生管理や肌トラブルへの医療的対応が求められるからです。特に唇は皮膚が薄くデリケートな部位であるため、安全かつ美しい仕上がりを得るには、専門的な知識と技術を備えた施術者による施術が欠かせません。本記事では、リップのアートメイクの基本から施術の流れ、注意点まで、詳しくご紹介していきます。
ノーメイクでもずっと綺麗!リップアートメイクで叶える理想の唇
リップアートメイクとは、唇に専用の色素を入れて発色を良くする半永久的なメイクです。プロの施術を受けることで、リップクリーム感覚で色づいた唇を長期間キープできます。最近では美容医療の一つとして注目が高まっており、実際に20~40代女性の約3割がこの施術を知っているとの調査結果もあります。さらに4人に1人が「リップアートメイクに興味がある」と回答しており、その人気は今後ますます高まると期待されています。
20~40代女性を対象にした調査で挙げられた「リップアートメイクの魅力」上位項目(Art+調べ)。グラフを見ると、「落ちない」「マスクにつかない」といった特徴が特に高く評価されていることがわかります。多くの女性がこうした効果に魅力を感じているのですね。
このように、多くの人がリップアートメイクの魅力を感じています。それでは、次にリップアートメイクを受ける目的やメリットを具体的に見ていきましょう。
参照元:Art+(アートプラス)
朝のメイク時間ゼロで余裕の毎日
リップアートメイク最大の利点の一つは、毎朝のリップメイクが不要になることです。施術後はノーメイクでも明るい血色の唇を保てるため、忙しい朝に口紅を塗り直す手間が省けます。メイクが苦手な方や育児・仕事で朝時間がない方でも、リップの準備いらずで身支度が完了。この時短効果で心にも余裕が生まれ、毎日をもっと快適に過ごせるでしょう。
落ちないカラーで一日中安心
リップアートメイクをすると、色落ちしにくい美しい唇が一日中続きます。水に濡れても擦っても簡単には落ちないので、食事や飲み物を楽しんでもリップカラーが消える心配がありません。実際、ある調査でも「リップメイクが落ちない」ことを魅力に感じる女性が最も多く、全体の34.9%に上りました。さらに「マスクにつかない」(31.6%)や「食事をしても色が落ちない」(25.5%)といった点も高く評価されています。マスク生活でも色移りを気にせず、朝から夜までつけたてのような発色をキープできるのは嬉しいポイントです。
くすみ補正で素顔にも自信
唇の色味にコンプレックスがある方にも、リップアートメイクは心強い味方です。唇のくすみや血色の悪さを補正し、健康的で明るい色に整えてくれるため、すっぴんでも顔色がパッと華やぐ効果があります。実際、施術後は肌全体が明るく見え、「素顔でも血色感がある」のが魅力と感じる人が約27.7%いるというデータもあります。温泉やプールでも「メイクが落ちて顔色が悪い…」と心配する必要がなくなり、ノーメイクの自分に自信が持てるでしょう。
形も色も思いのまま!理想の唇をデザイン
リップアートメイクでは、カラーだけでなく唇の形も美しく演出できます。例えば、輪郭がぼやけている唇にメリハリをつけたり、左右非対称なラインを整えたりすることも可能です。熟練者が施術すれば、下がりがちな口角をほんのり上向きに見せるデザイン効果も期待でき、顔全体のバランスアップにつながります。さらに、事前のカウンセリングで好みの色味を選べるので、自分に似合う理想のリップカラーを24時間楽しめます。このように形も色も自在にカスタマイズできる点も、リップアートメイクの大きな魅力です。
敏感肌でも安心、口紅いらずの美リップ
化粧品で唇が荒れてしまう方や口紅アレルギーの方にとっても、リップアートメイクは救世主となります。実際に「口紅やグロスで唇が荒れやすい」という人にはこの施術がおすすめで、メイクをしなくても血色の良い唇を維持できるとされています。お気に入りのリップカラーを直接入れてある状態なので、もう刺激の強い化粧品を重ねる必要がありません。皮膚が弱くても医療機関で行うアートメイクなら衛生管理も徹底されており、安心して綺麗な発色を楽しめるでしょう。
美しい唇を長くキープできる
一度施術を受ければ、その効果は長期間にわたって持続します。リップアートメイクの色持ちは個人差はあるものの1~3年程度持続するとされています。また、定期的に色を足すリタッチを行えば、2年後でも理想の状態をキープ可能です。つまり、日常的なメイク直しから解放されるだけでなく、数年間というスパンで美しさを保てるということです。忙しい日々の中でも常に綺麗な唇でいられるのは、大きな安心感につながります。
リップアートメイクの進化と日本での歩み
アートメイクは、アイラインや眉の形や色を整え、自然な美しさを長期間保つための施術です。その歴史は古代中国にまでさかのぼり、眉や唇を染めることで美しさや運勢を高めると信じられていました。この技術は台湾やアメリカを経て進化し、1980年代後半から1990年代にかけて日本にも広まりました。
1990年代:アートメイクの黎明期
日本でアートメイクが注目され始めたのは、バブル経済の影響で美容への関心が高まった1990年代です。当時は眉やアイラインの施術が主流で、リップアートメイクも一部で行われていましたが、色味が濃く不自然な仕上がりが多かったため、一般的にはあまり普及しませんでした。
2001年:医療行為としての認定
2001年、厚生労働省はアートメイクを医療行為と認定し、医師または看護師の資格を持つ者のみが施術を行えるようになりました(平成13年11月8日医政医発第105号)。これにより、一時的にアートメイク業界が縮小したものの、安全性が確保されたことで無資格の施術者によるトラブルが減少し、業界全体の信頼性が向上しました。
2010年代:技術の進化と自然な仕上がり
2010年代に入ると、グラデーション技術や自然な色味を実現する「リップブレッシュ」などの新しい手法が登場しました。これにより、リップアートメイクはより自然で美しい仕上がりが可能となり、再び注目を集めるようになりました。
2020年代:韓国発の技術とさらなる進化
近年では、韓国で人気の「リップティント風アートメイク」が日本にも導入され、血色感をプラスするナチュラルなカラーが人気を集めています。また、医療アートメイクを行うクリニックも増加し、より多くの人々が安全で高品質な施術を受けられるようになっています。
リップアートメイクの主な種類と特徴
フルリップ(Full Lip)
唇全体に色素を均一に注入する技法で、リップスティックを塗ったような鮮やかな仕上がりが特徴です。唇のくすみをカバーし、血色感を与えるため、すっぴんでも華やかな印象を保てます。特に、唇の色が薄い方や、くすみが気になる方におすすめです。
グラデーションリップ(Gradient Lip)
唇の中心部を濃く、外側に向かって徐々に色を薄くする技法です。自然な立体感とふんわりとした印象を演出します。最近では最も人気な技法となります。ナチュラルメイクを好む方や、柔らかな雰囲気を求める方に適しています。
リップライン(Lip Line)
唇の輪郭を強調する技法で、唇の形を整え、立体感を出します。唇の輪郭がぼやけている方や、左右差を調整したい方におすすめです。リップラインのみの施術も可能で、日によってリップカラーを変えたい方にも適しています。
シャドウリップ(Shadow Lip)
唇の内側から外側にかけて色を薄くする技法で、自然な影を作り出し、唇に奥行きと立体感を与えます。ふっくらとした唇を演出したい方におすすめです。
オーバーリップ(Over Lip)
本来の唇の輪郭よりも少し外側に色素を注入する技法で、唇を大きく見せたい方に適しています。ただし、過度なオーバーリップは不自然に見える可能性があるため、施術者とよく相談することが重要です。
カラー選びのポイント
リップアートメイクのカラーは、肌の色味や普段のメイクスタイルに合わせて選ぶことが大切です。一般的に、イエローベースの肌にはオレンジ系やコーラル系、ブルーベースの肌にはピンク系やレッド系が似合うとされています。また、唇のくすみが気になる方は、オレンジ系のカラーを選ぶことで明るい印象を与えることができます。
→合わせて読みたい「アートメイクが薄くなる理由と退色を遅らせる方法」」
リップアートメイクの施術回数と期間
リップアートメイクは、自然な血色感や輪郭を長期間キープできる魅力的な美容施術です。しかし、理想的な仕上がりを得るためには、複数回の施術と適切な期間を要します。以下に、施術の流れと期間について詳しくご紹介します。
施術回数とその目的
■1回目:ベース施術
初回の施術では、唇全体に色素を注入し、ベースとなる色味を作ります。この段階では、色素の定着率は約30〜40%とされており、肌質や代謝によって個人差があります。特に唇のくすみが気になる方には、くすみをカバーするカラーを選択することが一般的です。
■2回目:リタッチ施術
初回施術から1.5〜3ヶ月後に行われるリタッチでは、色素の定着状況を確認し、不足している部分や色ムラを補正します。この施術により、色素の定着率は約80%に向上し、より均一で自然な仕上がりが期待できます。
■追加のリタッチ
肌質や生活習慣によっては、3回目以降の施術が必要となる場合もあります。また、時間の経過とともに色素が徐々に薄くなるため、1〜2年ごとにリタッチを行うことで、美しい状態を維持できます。
施術期間とスケジュール
初回施術からリタッチまでの期間:約1.5〜3ヶ月。
色素の定着期間:施術後2週間程度で色味が安定しますが、完全な定着には約1ヶ月を要します。
持続期間:個人差はありますが、約1〜3年とされています。
施術後の注意点
ダウンタイム:施術後1週間程度は腫れや皮むけが生じることがあります。
アフターケア:施術部位を清潔に保ち、保湿を心がけることで、色素の定着を促進します。
生活習慣:喫煙や過度な紫外線曝露は色素の定着を妨げる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
今回の記事では、リップアートメイクの基本的な知識から、施術の種類・流れ・注意点に至るまでを幅広くご紹介しました。リップアートメイクは、見た目の印象を大きく左右するだけでなく、日々のメイク時間の短縮やすっぴんへの自信にもつながる、魅力的な美容医療のひとつです。
ただし、アートメイクは医療行為に該当するため、日本では医師または看護師などの有資格者による施術が法律で定められています。にもかかわらず、現在も一部では無資格者による違法な施術が行われており、感染や仕上がりの不満などのトラブルに発展するケースも少なくありません。安全性と美しさの両立を図るためにも、医療機関での施術を選ぶことが非常に重要です。
理想の唇を手に入れるためには、施術者の経験や技術、クリニックの衛生管理体制などをしっかり確認し、信頼できる環境で施術を受けることが大切です。カラーや仕上がりのイメージを丁寧に相談しながら、自分にぴったりのデザインを見つけてください。
本記事が、リップアートメイクに関心をお持ちの皆さまの参考となり、安心して施術に臨むための一助となれば幸いです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療、リフトアップ治療を得意としている。【関連項目】
アートメイクで後悔しないために。デメリットとダウンタイムの詳細
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