投稿日:2024/02/20
(最終更新日:2024/02/20)
過度なパーマやカラーリングは要注意【女性薄毛対策ブログ第14回】
(第13回「洗髪後のドライヤーとブラッシングの重要性」からの続き)
日常生活において、私たちが無意識のうちに行っているルーティンの一つが、シャワーを浴びた後の髪の手入れです。以前のブログでは、この習慣の中でも特にドライヤーの使用と髪のブラッシングの重要性に焦点を当て、その適切な方法について詳しくご説明しました。今回は、同じ日々の生活の中で、しばしば見過ごされがちながらも、実は髪の健康に大きな影響を与える要素であるパーマとカラーリングにスポットライトを当てます。これらの美容施術は、適切に行われた場合には魅力的な外見を演出する一方で、過度に行われると髪のダメージを引き起こす原因となり得るのです。そこで、今回はパーマとカラーリングが髪に与える影響を皆さんにお伝えします。
パーマの髪の毛への影響
薄毛が気になる女性は、パーマをかけて毛をふんわりと立たせ、薄毛を目立たなくしようとすることも多いものです。しかし、パーマの薬剤は強いので、過度にかけていると髪が傷み、脱毛してしまうこともあります。そのためパーマのかけすぎは禁物です。
パーマの毛根への影響
パーマは、髪の形状を変えるために使用される化学処理です。パーマ液には通常、チオグリコール酸塩が含まれており、これが髪のキューティクルを開き、髪の内部のケラチン結合を一時的に断ち切ります。この過程で髪は柔軟になり、望む形状に設定されます。その後、中和剤を使用して髪の結合を再形成し、新しい形状を固定します。しかし、より強い薬剤を使用すると、より強いカールやウェーブが得られますが、それに伴い髪へのダメージも大きくなります。
■パーマの毛根への間接的な影響
パーマ液が毛根に到達することはほとんどありませんが、もし漏れて毛根に接触した場合、刺激や炎症を引き起こす可能性があります。これは頭皮の健康に影響を与え、場合によっては脱毛の原因になることがあります。従って。パーマを行う際には、頭皮にパーマ液が直接触れないようにすることが重要です。また、施術者は適切な技術と知識を持っている必要があります。
■パーマの毛根への間接的なストレス
パーマによる髪のダメージは、髪の健康全体に影響を与え、間接的に毛根の健康にも影響を及ぼす可能性があります。髪が弱くなり、抜けやすくなることがあります。また、パーマ液に含まれる化学物質は、頭皮に刺激を与えることがあります。特に敏感肌の人やアレルギー体質の人は、かぶれや炎症を引き起こすリスクが高まります。
カラーリングも注意が必要
同じくカラーリングも薄毛に悩む人にはあまりおすすめできません。一般的なカラーリングで使用されているヘアダイは、髪のメラニン色素を分解し脱色したうえで、色素を入れます。このようなヘアダイの染毛剤は化学薬品や人工着色料などの成分でできており、 頭皮に刺激を与え、ときには炎症も引き起こします。そのため、特に20代前半の女性の場合は、ヘアダイが薄毛の大きな原因とも考えられいるのです。また一般的な白髪染めもヘアダイの一種のため、頭皮、毛根へのダメージは同様にあります。それでも、やはり髪の色でおしゃれを楽しみたい方、白髪が気になる方のカラーリングにはヘアマニキュアをおすすめします。
ヘアダイとヘアマニキュアの違い
ヘアダイとヘアマニキュアは、どちらも髪の色を変えるための製品ですが、使用方法や効果にいくつかの違いがあります。
ヘアダイの特徴
■染料の浸透方法
ヘアダイは永久染毛剤であり、アンモニアなどの化学物質を使用して。化学反応を利用して髪のキューティクルを開き、髪のメラニン色素を変化させ、色素を髪の内部に浸透させます。これにより、永久的または半永久的な色の変化が生じます。
■色持ちの期間
ヘアダイは 色持ちは長く、根本の成長によってのみ色が消えます。
■根本からのカラーチェンジ
白髪を覆ったり、髪の根本から色を変えるのに適しています。
■使用方法
ヘアダイは混合してから髪に塗布し、一定時間放置した後に洗い流します。色の持続性が高く、数週間から数ヶ月持続しますが、根本の再成長により定期的なリタッチが必要です。
■ダメージの度合い
キューティクルを開く化学反応により、髪へのダメージが大きいことがあります。
ヘアマニキュア の特徴
■染料の浸透方法
ヘアマニキュアは、髪の表面に色をコーティングすることで色を変えます。一時的な染毛剤で、色素が髪の表面にのみ付着します。髪の内部には浸透せず、表面に一時的な被膜を形成します。キューティクルを開かないため、髪へのダメージが少なく、洗うと徐々に色が落ちます。
■色持ちの期間
ヘアマニキュアは色持ちは比較的短く、数週間で色が薄れます。
■傷んだ髪への優しさ
髪の内部の構造に影響を与えないため、ダメージヘアにも使用しやすいです。
■使用方法
髪に直接塗布し、一定時間放置後に洗い流します。色の持続性はヘアダイより短く、数回のシャンプーで徐々に落ちていきます。
■カラーバリエーション
明るい色や特異な色の選択肢が豊富です。
■ダメージの度合い
ヘアマニキュアは、髪へのダメージが少ない傾向があります。
ヘアダイの薬液が毛根に及ぼす影響
ヘアダイに含まれる化学物質、特にアンモニアや過酸化水素は、髪だけでなく頭皮にも影響を与える可能性があります。これらの成分は次のような影響を及ぼす可能性があります
■頭皮への刺激
強い化学物質は頭皮に刺激を与えることがあり、かゆみ、赤み、または軽い炎症を引き起こすことがあります。
■アレルギー反応
染料成分に対してアレルギー反応を示すことがあります。これは時に重篤な症状を引き起こすこともあります。
■毛根への影響
長期間にわたる強い化学物質の使用は、毛根にダメージを与える可能性があります。これにより、髪の成長が遅くなったり、髪質が変わったりことがあります。
カラーリングはヘアマニキュアがおすすめ
要約すると、ヘアダイはより永久的な色の変更を目指す製品で、髪の構造に影響を与える可能性がありますが、ヘアマニキュアは一時的で、髪の表面のみに作用し、ダメージヘアにも優しい製品です。ヘアマニキュアは髪の内部ではなく、表面だけを染色する、半永久染毛料です。持続性は1カ月程度と短いのが欠点ですが、頭皮への影響 はあまりなく、薄毛の要因にはほとんどなりません。
まとめ
本記事では、私たちの美容ルーティンにおいて一般的かつ頻繁に行われるパーマとカラーリングのプロセスに焦点を当て、それらが髪に与える影響について詳しく探求しました。パーマやカラーリングは、適切に管理されれば美しさを演出する素晴らしい手段となりますが、過度に行うことは髪の健康を損なうリスクを伴います。したがって、パーマはなるべく控えめにし、カラーリングには髪に優しいヘアマニキュアを選択することが賢明です。日々の生活の中で、髪の健康を保ちながら美しさを追求するために、これらのポイントを意識することが重要です。常に髪を思いやり、適切なケアを行うことで、健康な髪と美しいスタイルの両立を目指しましょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。これまで延べ5万以上の薄毛治療を行う。著書に「専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本」(元神賢太著 / 幻冬舎)。女性の薄毛治療のほか、エイジングケア治療、美肌治療を得意としている。
【関連項目】
洗髪後のドライヤーとブラッシングの重要性【女性薄毛対策ブログ第13回】
薄毛対策のウソ?シャンプーについて【女性薄毛対策ブログ第11回】
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ヘアダイ, ヘアーカラーリング, パーマ, 女性薄毛, ヘアマニキュア
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