投稿日:2024/03/05
(最終更新日:2024/03/05)
【ワカメで髪が増える?】髪にはたんぱく質が大事!【女性薄毛16】
(第15回「カツラやウィッグ、エクステで、女性の薄毛が加速!」からの続き)
「ワカメやひじきなど海藻類を食べると髪が黒々と丈夫になる」……。すでに常識のよう に語られる、薄毛にまつわる話の数々があります。つい信じてしまいがちですが、それらは本当に正しいのでしょうか。この記事ではワカメなどの海藻類などの髪への効果と髪の成長にとって最も大切である栄養素「タンパク質」について解説します。
海藻類は確かに髪の毛にとってよい!
ワカメや他の海藻が髪の毛に良いとされる言い伝えは、実際にはいくつかの根拠に基づいています。海藻に含まれる栄養素が髪の健康に良い影響を与える可能性があるためです。ここで海藻類に含まれる栄養素をいくつか挙げます。
■ミネラルとビタミン
ワカメを含む海藻は、亜鉛、鉄、セレニウム、カルシウム、ビタミンA、ビタミンCなど、髪の健康に重要なミネラルとビタミンを豊富に含んでいます。これらの栄養素は、髪の成長を促進し、髪を強く、健康に保つのに役立ちます。
■アミノ酸:
海藻にはアミノ酸も豊富に含まれています。アミノ酸は、髪の主要成分であるケラチンの構成要素です。これにより、髪の強度と弾力性が向上します。
■脂肪酸
特にオメガ-3脂肪酸が豊富な海藻は、髪の保湿と頭皮の健康をサポートするとされています。これは、乾燥やフケを防ぎ、髪の全体的な外見を改善するのに役立ちます。
■抗酸化物質
海藻に含まれる抗酸化物質は、紫外線や環境汚染から髪を保護し、早期の髪の老化を防ぐのに役立ちます。
これらの栄養素に基づいて、伝統的に海藻が髪の健康に良いと考えられているのは理解できます。ただし、これらの効果は科学的に厳密に証明されたものではなく、また、各物質の含有量は極めて微量であったりするため、個々の栄養素がどの程度髪に直接的に影響を与えるかはまだ明確ではありません。次に、特に髪にとってよいとされる特に良いとされる亜鉛、オメガ-3脂肪酸の海藻類の含有量をみていきましょう。
海藻に含まれる亜鉛の量について
亜鉛は重要なミネラルで、多くの海藻類に含まれています。亜鉛が豊富な海藻の例として、以下のものが挙げられます。
■ヒジキ
ヒジキは亜鉛を豊富に含むことで知られています。約100gの乾燥ヒジキには約34mgの亜鉛が含まれているとされています。
■コンブ
コンブは、日本料理でよく使われる海藻で、亜鉛の良い供給源です。100gあたり約1.23mgの亜鉛が含まれています。
■ワカメ
ワカメもまた亜鉛を含む海藻の一つで、100gあたり約3.4mgの亜鉛を含んでいます。
■ノリ(Nori)
寿司の巻き物に使われるノリも亜鉛を含んでいます。100gあたりの亜鉛含有量は約1.8mgです。
ヒジキは突出して多くの亜鉛を含んでいますが、1日15mgの亜鉛が髪の成長に不可欠と言われていますので、その他海藻類については亜鉛含有量がそれほど多くありません。また、海藻を食べる際は、過剰摂取を避けるために適量を心がけることが重要です。海藻には他にもヨウ素などのミネラルが豊富に含まれており、過剰に摂取すると健康上の問題を引き起こす可能性があります。特に甲状腺機能に問題がある場合は、摂取量に注意する必要があります。
オメガ-3脂肪酸の髪への作用について
オメガ-3脂肪酸は、髪の毛にとって多くの利点を提供します。これらの脂肪酸は、特に次のような方法で髪の健康に寄与すると考えられています。
■頭皮の健康の改善
オメガ-3脂肪酸は、抗炎症作用を持っているため、頭皮の炎症を減らし、フケや頭皮の乾燥を防ぐのに役立ちます。健康な頭皮は、健康な髪の成長に不可欠です。
■髪の成長の促進
オメガ-3が髪の毛包の健康をサポートし、髪の成長サイクルを改善する可能性があります。これは、より健康で強い髪の成長につながります。
■髪の輝きと強さの向上
オメガ-3脂肪酸は、髪の自然な油分のバランスを整え、髪に自然な輝きと強さを与えます。これにより、髪が乾燥して抜けやすくなるのを防ぐことができます。
■髪の損傷の減少
オメガ-3は髪の毛を保湿し、外部からの損傷(例えば紫外線や汚染物質による損傷)に対する抵抗力を高めることができます。
ただし、100g当たり乾燥ノリには数十mg、乾燥ワカメには数十mgから数百mgのオメガ-3脂肪酸が含まれている程度です。亜鉛と同様にこのように海藻類は含まれる髪の良いとされる栄養素は極めて微量であり、これだけで髪の成長を実感できることはありません。
昔から海藻類が髪の良いとされてきたのはなぜ?
ワカメやひじき、昆布など、黒い海藻類が黒々とした髪の毛のイメージと重なるうえ、 海藻類に含まれるミネラルが髪によいというのが、この説の根拠でしょう。確かに前述した亜鉛やオメガ-3脂肪酸などのミネラルやアミノ酸は髪の毛がつくられるときに必要ですし、体のためにも大切な栄養素です。ただし、それらを含む食物を摂取したからといって、その含有量が極めて微量であるため、髪の毛が丈夫になったり、増えたりすることはありません。
たんぱく質が大事
海藻類を多く摂取するよりも、しっかりと摂取したい栄養素はタンパク質です。人間の体はすべてタンパ ク質からできており、それは髪の毛も同じです。そのため、過剰なダイエットで肉や魚を食べなかったり、偏食のために避けたりするのは薄毛対策としてもNG。タンパク質をきちんととらないと薄毛の原因になってしまいます。クリニックを訪れる方々を見ていても、自覚なく偏食している女性は多いのが実態です。 具体的にはタンパク質、ビタミン、ミネラルなどが不足しがちで、パスタやパンなどの炭 水化物が中心の食事が薄毛の原因のひとつとなっていると考えています。
たんぱく質が髪の毛に良い理由
たんぱく質が髪の成長に不可欠である理由は、髪の主要な構成成分がたんぱく質であるからです。以下に、たんぱく質が髪の成長にどのように重要であるかを分かりやすく説明します。
■髪の主成分はケラチン
髪の毛は主にケラチンというたんぱく質で構成されています。ケラチンは強度と弾力性を髪に提供し、健康な髪の外観を維持します。
■たんぱく質は髪の構築ブロック
体内で新しい髪の毛を作る際、たんぱく質は文字通りの「構築ブロック」として機能します。髪の毛を構成するためには、適切な量のたんぱく質が必要です。
■成長と修復に必要
髪の毛は常に成長し、修復されています。この過程にはたんぱく質が不可欠で、不足すると髪の成長が遅くなったり、髪が薄く弱くなったりします。
■健康な髪の外観をサポート
十分なたんぱく質を摂取することで、髪は強く、光沢があり、健康的な状態を保つことができます。たんぱく質が不足すると、髪は乾燥して脆く、容易に折れたり、分け目ができたりする可能性があります。
■食事からのたんぱく質摂取
良質なたんぱく質は肉、魚、卵、乳製品、豆類などの食品から摂取できます。バランスの良い食事を通じて、髪の成長と健康をサポートするために十分なたんぱく質を摂取することが重要です。
参照元:
まとめ
髪のためにも、 偏った食生活に陥らないように注意するようにしてください。たんぱく質は髪の毛を作るための基本的な素材であり、十分なたんぱく質がなければ、健康で丈夫な髪の成長は期待できません。髪の成長には、ビタミンもミネラルもタンパク質も必要だということは、つまり食生活 においては「バランスのいい食事」が大切だということです。当たり前のことですが、薄毛対策としても、いろいろな栄養をきちんと、まんべんなくとることが基本なのです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。これまで延べ5万以上の薄毛治療を行う。著書に「専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本」(元神賢太著 / 幻冬舎)。女性の薄毛治療のほか、エイジングケア治療、美肌治療を得意としている。
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