投稿日:2023/11/21
(最終更新日:2024/01/05)

ウルセラは老けるのか?適切な治療間隔とは?

インターネット上で一部に広がるウルセラ治療に関する誤解について、詳細に解説します。

特に、ネット上ではウルセラを高頻度に受けると余計に老けるという噂に焦点を当て、いくつかの視点から詳しく解説します。

ウルセラが老けるかについて

ウルセラの過剰な使用と老けるリスク

ウルセラ治療は、自然にたるみを解消する非常に効果的な方法です。しかし、治療を短期間に何度も行うことは、必ずしも効果を高めるわけではありません。特に3ヶ月未満という短期間で連続して治療を行うと、SMAS筋膜に過度なダメージを与え、コラーゲンの再生が間に合わない可能性もあります。これにより肌の弾力が失われるという悪影響を与える恐れがあります。これが、高頻度のウルセラが老けると言われる原因の一つです。個々の肌の状態やたるみの状態に合わせて適切な治療間隔でウルセラを受けることが、ウルセラの高い効果を得るためのポイントです。

ウルセラは間違った部位に照射すると老ける

ウルセラの間違った照射でも老けて見えるようになる可能性はあります。それはコメカミの部分です。コメカミは顔の中でもかなり皮下組織が薄い部分であり、この部位を4.5mmのハンドピースで短い期間のうちに高頻度に照射すると、筋膜が自体菲薄化して、コメカミがこけた状態になります。コメカミの凹みは加齢で起こってしまうことですが、ウルセラ照射がコケを加速してしまう可能性があります。解剖学の知識があるドクターなら通常コメカミのへのウルセラ照射を避けることが多いです。

ウルセラが適用でないと老ける?

ウルセラ治療は万能ではなく、すべての人にご満足できる効果があるわけではありません。一部の人には効果が感じられないかもしれず、その場合、過剰な施術は推奨されません。効果が不十分であれば、残念ながら「老けた」と感じることもあるかもしれません。ウルセラが自分に合わないと感じた場合は、他のリフトアップ治療や、ヒアルロン酸注入などの異なるアプローチを検討することも一つの選択です。またウルセラを治療する前にウルセラに求める期待値と実際の効果の予想値が合致しているのか、十分に事前にドクターと話すことが重要です。

ウルセラの効果的な受け方とは

ウルセラ治療を最大限に活用するためには、適切な間隔での施術が重要です。通常、半年から1年に1度の治療が推奨されています。ウルセラは治療直後から効果は現れ、1~2か月後にはコラーゲンの再生と相まって最大の効果が現れます。その後も効果は続きますが、6ヶ月を過ぎると徐々に効果は薄れ、1年以上経過すると自然に元の状態に戻ります。ウルセラの長期的な効果を維持するためには、ピークが過ぎた後、完全に効果が薄れる前に再度治療を受けることが推奨されます。

年代別ウルセラの取り入れ方

■20代でのウルセラは早すぎる?

20代でもウルセラ治療を受けることは可能です。20代でたるみが気になる原因は、過度なダイエットによる体重の激しい増減や過度な美容外科への依存などが考えられます。多くの場合、この年代では状態が深刻でないため、フォトシルクプラスなどのIPLを使用した機器による肌のメンテナンス目的での治療が十分に効果的です。しかしながら、20代でウルセラ治療を受けるのが早すぎるかというと、必ずしもそうではありません。より高い効果を求める場合や、早めにアンチエイジングを始めたいという強い希望がある場合は、ウルセラ治療を推奨します。

■30代でのウルセラ開始はベスト!

30代は、たるみ治療を開始するのに最適な年代と言えます。ウルセラはこの年代において最も適した治療法の一つであると断言できます。通常、30代の中頃になると、多くの男女が自分の顔の輪郭やシルエットに変化を感じ始めます。例えば、鏡やガラスに映った自分の顔が老けて見えたり、顔の形が以前と異なって四角くなったように感じたりすることがあります。老化を完全に止めることは不可能ですが、ウルセラを利用して老化の進行を緩め、若々しさを保つことは可能です。30代からたるみ治療を始めることで、10年後の見た目年齢に顕著な差を実感することができるでしょう。

■40代と50代のウルセラ治療

40代と50代は、ウルセラ治療を受ける人が最も多い年代です。この時期の治療は、特に効果が実感しやすくなっています。理想的には、1年に一度程度のペースでウルセラ治療を受けることが推奨されており、これにより、同年代の他の人よりも5~10歳若く見える可能性があります。定期的なウルセラ治療は、この年代の顔のたるみや皮膚の弾力性の低下を効果的に抑える手段となり得ます。

■60代以降のシニア世代のウルセラ治療

現在、多くのシニア世代、特に60代の方々がウルセラ治療を受けています。60代以降になると、ウルセラ治療の熱ダメージからの回復に時間がかかることや、効果の持続期間が以前に比べて短くなるという報告があります。たるみの状態は日々変化し、同じ治療法に永遠に満足することは難しいです。過去に満足していた治療に違和感を感じた場合は、現在の自分の状態に合った治療法を再検討することが重要です。ウルセラ治療を無理に継続するのではなく、他のリフトアップ治療への切り替えを検討することも良いでしょう。

まとめ

ウルセラは、信頼できる医療機関で適切な方法と間隔で行えば、「余計に老ける」など老化を加速することはありません。重要なのは、自分に必要な治療を正しく取り入れることです。また、治療する前にご自身が求める期待値と実際の効果の予想値が合致しているのか、十分に事前にドクターと話すことが重要です。これはウルセラに限らず、美容医療全般に当てはまるアドバイスです。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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