投稿日:2024/11/16
(最終更新日:2024/11/16)

切開フェイスリフト手術のデメリットと危険性

フェイスリフトのデメリットと危険性

切開を伴うフェイスリフト手術を検討している方にとって、そのデメリットや危険性を事前にしっかりと理解することは非常に重要です。昨今では、ウルセラなどの肌に全く侵襲を加えないリフトアップ治療や、糸リフトによる手軽な施術が普及していますが、それらと比べて切開フェイスリフトには特有のリスクがあります。本記事では、ウルセラや糸リフトの治療を幅広く手掛け、さらに切開フェイスリフト手術の豊富な経験を持つ筆者が、フェイスリフトのデメリットや実際に起こり得る危険性について解説を行います。筆者は、フェイスリフト関連の学会発表も重ね、各リフトアップ手術のメリットとデメリットについて深く理解しており、あらゆる治療方法を熟知しています。切開フェイスリフトを真剣に検討している方々に向けて、考慮すべき危険性や回避策を明確にお伝えしますので、慎重な判断の一助としてご活用ください。

切開フェイスリフト手術のデメリット:傷跡

切開フェイスリフト手術では、切開を伴うために必ず傷跡が残ることを避けられません。一般的に、傷跡は時間の経過とともに目立たなくなっていきますが、その仕上がりは医師の技術や手術方法によって大きく異なります。そのため、傷跡のデメリットをできる限り抑えるためには、経験豊富で腕の良い医師を選ぶことが最も大切です。しかし、手術の結果は医師の技術だけでなく、患者様自身の体質にも影響を受けます。例えば、ケロイドや肥厚性瘢痕ができやすい体質の方は、どうしても目立つ傷跡が残る可能性があります。このような場合でも、適切な術後ケアと継続的なフォローアップにより、傷跡をできるだけ目立たせないようにすることが可能です。したがって、信頼できる医師を慎重に選ぶことが、リスクを減らし、より満足のいく結果を得るための重要となります。

 切開フェイスリフト手術のデメリット:腫れ

切開フェイスリフト手術では、術後の腫れ(ダウンタイム)が避けられません。特に、剥離範囲が広い術式の場合は、腫れが強く出る傾向があり、回復期間も長くなります。たとえば、「リガメント法」と呼ばれる切開フェイスリフトでは、顔の支持組織である靭帯を切開し、皮膚と筋肉を広範囲に剥離するため、非常に高いリフトアップ効果と長期間持続する若返り効果が期待できます。しかし、その反面、術後の腫れが著しく、ダウンタイムが1か月以上かかることが一般的で、最終的な仕上がりが安定するまで数か月を要する場合もあります。

一方、腫れをできるだけ抑えたい方には、剥離範囲を縮小しつつ、同様の効果が得られる術式を選択することが有効です。たとえば、「元神式フェイスリフト(スプリングスレッド併用切開フェイスリフト)」は、リガメント法ほど剥離範囲が広くないため、腫れが軽減されます。この方法は特殊な糸であるスプリングスレッドを用いてマーラーファット(頬の脂肪)を引き上げ、効果的かつ持続的なリフトアップを実現します。ダウンタイムは約2週間と比較的短く、術後の腫れも抑えられるのが特徴です。

また、フェイスリフト手術と同時に頬や顎の脂肪吸引を行う場合は、さらに腫れが増すことがあります。これらの点を考慮し、手術前には医師と十分な相談を行い、自分のライフスタイルや希望する効果に合った術式を選ぶことが重要です。

出典元:Face Lift(Cleveland Clinic)

切開フェイスリフト手術のデメリット③:不自然さ

切開フェイスリフト手術は、経験豊富な医師によって行われれば、非常に自然な仕上がりが期待できます。しかし、異なる医師のもとで何度も手術を繰り返した場合、不自然な顔立ちになるリスクが高まります。これは、複数回の手術によって過剰に皮膚が切除され、顔のバランスが崩れてしまうことが原因です。

皮膚はもともと柔軟で伸縮性のある組織ですが、繰り返しの引き上げや切除を受けることで徐々に硬化し、弾力性が失われていきます。これにより、顔の表情が引きつったように見え、自然な表情を作りにくくなる「つっぱった感じ」や、明らかな引きつれが生じることがあります。さらに、過度な引き上げは顔の輪郭や表情に不自然な硬直感をもたらし、微笑みや驚きなどの自然な感情表現が難しくなることもあります。

このような不自然な結果を避けるためには、手術の回数を慎重に考えることと、医師の選定が極めて重要です。十分なカウンセリングを受け、顔全体の美的バランスを保つための施術計画を立てることで、自然で調和の取れた若返りを目指しましょう。

フェイスリフト前後

↑筆者によるフェイスリフト手術の前後

切開フェイスリフト手術のデメリット④:費用

切開フェイスリフト手術は、施術方法や選ぶ医療機関によって非常に高額になる場合があります。特に、顔面の靭帯(リガメント)を切開して広範囲にわたるリフトアップを行う「リガメント法」は、手術時間が6時間以上かかることが多く、そのため費用は200万円を超えるケースも一般的です。さらに、リガメント法に限らず、高度な技術を要するフェイスリフト手術は全般的に高額になりやすく、術後のケアや追加治療が必要になれば、さらにコストがかかることもあります。

費用は医療機関によって大きく異なるため、適切な医療機関を選ぶ際には、費用対効果をしっかりと比較することが重要です。信頼性や実績のある医師に相談し、自分に合ったプランを選ぶことが賢明です。一方で、単に費用の安さだけで選択するのは非常にリスクが高い行為です。価格だけで決めてしまうと、術後の仕上がりが不自然になることや、トラブルが発生して修正手術が必要になる場合もあります。その結果、最初に節約したつもりが、最終的に追加の出費が発生し、合計費用がかさむことになることも考えられます。

また、医師の技術や手術経験は、費用に大きく影響しますが、その分安全性や仕上がりの質が保障されることが多いです。長期的な視点で見て、満足できる結果を得るためには、費用だけではなく、医師が行った手術のビフォーアフター写真、医師の学会発表等の実績、医療機関の評判など、複合的に判断することが不可欠です。施術前にはしっかりとリサーチを行い、自分が納得できる医師と治療方法を選ぶことが、理想のフェイスリフトを実現するための第一歩です。

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切開フェイスリフト手術の危険性

どの外科手術にも一定のリスクが伴うように、切開を伴うフェイスリフト手術にも特有の危険性があります。ここでは、フェイスリフト手術の主なリスク要因について詳しく説明します。

神経損傷

フェイスリフト手術の中でも特に注視すべきリスクが、顔の筋肉を動かす役割を持つ「顔面神経」の損傷です。この神経が損傷を受けると、一時的または永続的な顔面麻痺が発生する可能性があります。手術後に顔の表情を動かすことが困難になるケースも考えられ、回復までに時間がかかる場合があります。特に、顔の深部組織にアプローチする「リガメント法」では、このリスクが高まるため、手術を受ける際には慎重な検討が必要です。熟練した医師が手術を行ったとしても、「リガメント法」は神経が損傷するリスクはゼロにはなりません。

麻酔に関連するリスク

フェイスリフト手術では局所麻酔に加え、鎮静効果のある静脈麻酔が併用されることが一般的です。しかし、日本の美容外科では麻酔管理に関するトラブルが多く報告されており、その一因は医師が麻酔管理と手術を同時に行う慣習にあります。特に、最近では「直美(ちょくび)」と呼ばれる、初期研修を終えた直後に直接美容外科に就職し、全身麻酔管理の経験がほとんどない医師が増えている現状が問題視されています。このような経験不足が原因で、麻酔事故が発生するリスクが高まっているのです。安全性を確保するためには、麻酔管理に熟練した経験豊富な医師が手術を担当するかを確認することが重要です。

血腫の形成と感染

フェイスリフト手術の後には、出血が原因で血腫(血液の塊)が形成されることがあります。血腫が発生した場合、腫れや痛みを引き起こし、再手術が必要になることもあります。研究によると、血腫の発生率は18%とされており、適切な術後ケアが必要です。血腫が感染に発展するリスクもありますが、しっかりと管理されていれば深刻な後遺症に発展することは少ないでしょう。血腫や感染のリスクを減らすためには、手術後の徹底したケアが不可欠です。

フェイスリフト手術を受ける際には、こうしたリスクを十分に理解し、経験豊富な医師を選ぶことが極めて大切です。術前にリスクを明確に説明してくれる医師を見つけ、安心できる環境で手術を受けることが成功への鍵となります。

美容外科医専門医元神賢太医師

まとめ

このブログ記事では、切開フェイスリフト手術のデメリットや危険性について詳しく解説しました。本文でも述べたように、どの手術にも危険性やデメリットが伴いますが、それを理解した上で受ける価値があると考える方が多いため、フェイスリフトは広く選ばれています。しかし、手術を成功させ、リスクを最小限に抑えるためには、慎重な医師選びが何よりも重要です。

信頼できる医師を選ぶには、手術経験や症例数に加えて、医師が行った手術のビフォーアフター写真を確認することが大切です。また、学会発表や講演などの実績を調べることで、技術力や知識の深さを知ることができます。さらに、医療機関の評判も参考にし、総合的に判断することが不可欠です。

リサーチを怠らず、事前に十分な情報を得て、納得できる医師と治療方法を選ぶことが、理想の仕上がりを手に入れるための最初の一歩です。フェイスリフトは外見だけでなく、自信や幸福感を取り戻す手助けにもなり得ます。この記事が、手術を検討している方にとって有益な情報となり、安心して最良の選択をする一助となれば幸いです。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっているウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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