
稗粒腫は皮膚科で保険適用で治せる?徹底解説
更新日:2025/10/15
公開日:2025/10/17

顔にポツポツとした白いできものができてお悩みではありませんか?それ、もしかすると稗粒腫(はいりゅうしゅ、ひりゅうしゅ)かもしれません。今回は「稗粒腫は皮膚科で保険適用で治療できるの?」という疑問について、専門医の立場から親しみやすく徹底解説していきます。
まず結論から言うと、稗粒腫は皮膚科で保険適用の治療が可能です。ただし、保険が適用される治療法は「圧出法」と呼ばれる方法のみとなります。圧出法とは、細い針で稗粒腫に小さな穴を開けて中の角質の塊を押し出す治療法です。
保険診療で行える一般的な方法で、費用を抑えて治療できるのがメリットです。とはいえ、この圧出法にはいくつか注意点もあります。この記事では、稗粒腫とは何かから、保険適用される圧出法の内容とそのメリット・デメリット、そして保険が効かない炭酸ガスレーザー治療の利点まで、順番にわかりやすく説明します。ぜひ最後までお読みいただき、稗粒腫治療の参考にしてくださいね。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)とはどんな症状?

目元に多発する稗粒腫
稗粒腫とは、皮膚表面のすぐ下にできる直径1~2mm程度の白ないし黄白色の小さな粒状の出来物です。見た目が白ニキビに似ているため間違われやすいのですが、中身は膿ではなく角質(ケラチン)の塊で、良性の皮膚腫瘍の一種です。名前の由来は、その白い粒がイネ科の雑穀である「稗(ひえ)」の粒に似ていることから来ています。また医学的には「ミリア (milia)」とも呼ばれます。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)の原因

稗粒腫の原因は、古い角質が毛穴の奥の袋状構造(毛包や汗管)に溜まってしまうことだと考えられています。加齢や皮膚の新陳代謝低下、皮膚への摩擦、ケガや火傷の後など、さまざまな要因で角質の排出がうまくいかなくなると稗粒腫ができやすくなります。誰にでも起こり得ますが、特に目の周り(まぶたや目の下)にできやすく、額や頬、あご先など顔のいろいろな部分に生じます。
基本的に痛みやかゆみといった自覚症状はなく、触ると硬い小さなしこりと感じる程度です。放っておいて悪化したり、健康に害を及ぼすことはありませんが、自然に消えることもほとんどないため、見た目が気になる場合は治療で取り除く必要があります。
稗粒腫の治療は皮膚科で保険適用になる?

本題のとおり、稗粒腫の治療は皮膚科で保険適用で受けることが可能です。
一般的な皮膚科では、稗粒腫が1~2個程度であれば診察当日にすぐ保険診療で除去してもらえるケースが多いです。健康保険が使えることで患者さんの自己負担は3割となり、費用は1個あたり数百円程度(+初診料など)とかなり安価に済みます。経済的な負担が軽いため、「とりあえず安く取ってほしい」という方には魅力的に感じるでしょう。
ただし、保険が適用される治療法は「圧出法」のみです。逆に言えば、レーザーなど他の方法で稗粒腫を取る場合は保険が効かず、自費(自由診療)となります。このためまずは保険診療の圧出法について、具体的にどんな治療か見ていきましょう。
保険適用の稗粒腫治療:「圧出法」とは

圧出法(あっしゅつほう)は稗粒腫に対する最も一般的な治療法で、健康保険が適用されます。
方法はシンプルで、患部の表面に極細の針(場合によってはメスの先など)で小さな穴をプチッと開け、そこから中に詰まっている角質の塊をギュッと押し出して除去するものです。皮膚科医は専用の器具(面皰圧出器といってニキビの芯を押し出すような器具)やピンセットなどを使い、中身を押し出して取り除きます。処置時間は短く、数ミリの小さな傷ができますが、出血があってもすぐ止まり、傷口も数日で塞がって元通りになります。
傷跡も小さいため、通常1週間もすればあまり目立たなくなります。圧出法のメリットとしては、前述のように保険適用で経済的負担が少ないことがまず挙げられます。3割負担なら処置自体は数百円程度ですみ、仮に複数個あっても一度にまとめて処置すれば費用はそれほど増えません。
手軽に行える治療法と言えるでしょう。一方で、圧出法のデメリットや限界もあります。特に知っておいて頂きたいポイントは次のとおりです。
取り残し・再発の可能性
稗粒腫の内容物が皮膚の深いところにあったり癒着している場合、針で穴を開けただけでは中身を十分取り出せないことがあります。その結果、せっかく穴を開けても角質が残ってしまい、後には赤みだけが残る…といったケースもあります。一度で取り切れなかった場合、時間が経ってから再び同じ箇所が膨らんでくる(再発)こともありえます。「圧出法では約20〜30%の再発率」という報告もあり、複数回治療が必要になる可能性も否定できません。
傷跡が残るリスク
圧出法では基本的に小さい傷しかできず綺麗に治ることが多いのですが、やはり皮膚を切開する以上、わずかな傷跡や色素沈着が残ることもあります。特に自己流で無理に針でほじったりすると傷跡が残るリスクが高まりますが、医療機関で適切に行っても体質によっては跡が薄く残る場合があります。また、目元など皮膚の薄い部分は傷の赤み・茶色みが引くまで時間がかかることもあります。
サイズや場所による限界
稗粒腫が比較的大きかったり、皮膚の深い層にある場合、物理的に押し出す圧出法ではうまく除去できないことがあります。無理に押し出そうとすると周囲の皮膚を傷つけてしまう恐れもあります。そのため、深い場所にあるものは圧出法では対応が難しく、後述するレーザー治療が好ましいケースも出てきます。
以上のように、保険適用で行える圧出法には「安い・手軽」の反面、「取り残しや再発・傷跡リスクがある」という特徴があります。「とにかく費用を抑えたい」「多少跡が残ってもいいからまずは取ってほしい」という場合には、圧出法は良い選択肢と言えるでしょう。ただ、仕上がりの綺麗さや再発リスクまで考えると、必ずしも最善の方法とは言えません。
こうした圧出法のデメリットを補うために、多くの美容皮膚科クリニックでは保険の効かない別の治療法を用いて稗粒腫を除去しています。それが炭酸ガスレーザーによる治療です。
保険適用外の治療:炭酸ガスレーザーで稗粒腫を除去

保険は効きませんが、私が稗粒腫の治療で積極的におすすめしている方法が、この炭酸ガスレーザーによる除去です。炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は水分に反応して組織を瞬時に蒸発させる特殊な医療用レーザーで、ホクロ除去やイボ取りなど皮膚科・美容皮膚科で幅広く使われています。稗粒腫にレーザーを照射すると、白い角質の袋(嚢腫)ごと焼灼・蒸散させて取り除くことができます。
簡単に言えば、「レーザーで稗粒腫そのものを根元から焼いて削り取る」イメージです。炭酸ガスレーザー治療のメリットは圧出法と比較して非常に大きいです。
確実に除去でき再発しにくい
レーザーは稗粒腫を袋ごと綺麗に蒸散できるため、取り残しがほとんどありません。その分、再発率も低く抑えられます。実際、「レーザー治療では再発率5%以下」と圧出法より明らかに低い数値が報告されています。一度でしっかり治したい方には大きな利点です。
傷跡が目立ちにくく綺麗に治りやすい
レーザー照射ではメスで切るような物理的損傷が少なく、施術時の出血もほとんどありません。また皮膚の浅い部分だけに作用し周囲組織へのダメージを最小限に抑えるため、色素沈着なども起こりにくく、傷跡がきれいに治る傾向があります。特に顔の目立つ部分の治療には嬉しいポイントですね。
大きい稗粒腫や数が多い場合にも適している
圧出法で押し出すのが難しいような大きめの稗粒腫や、顔中に多数できてしまった場合でも、レーザーなら一つ一つ確実に除去できます。深い層にあるものでもレーザーのエネルギーで蒸散させられるため、大小問わず対応しやすいです。一度に複数個を短時間で治療できるのも利点です。
こういった理由から、私のクリニックでも稗粒腫の除去には炭酸ガスレーザーを第一選択としておすすめしています。
ただし、炭酸ガスレーザーの施術後の経過についてはいくつか留意点があります。レーザーで焼いた部分には小さなかさぶたができますが、これは自然に剥がれるまで1週間前後かかります。その間は処置部位にお化粧できない、テープで保護するといったケアが必要になることがあります。
かさぶたが取れた直後はピンク色の新しい皮膚が見えますが、徐々に周囲の肌色と馴染んでいき、赤みも1〜3ヶ月ほどでほぼ目立たなくなります。個人差はありますが、長い目で見ればレーザー治療の傷跡は非常に綺麗に治ることがほとんどです。
どちらの治療法を選ぶべき?私のおすすめは…

ここまで保険適用の圧出法と保険適用外のレーザー治療について、それぞれの特徴を説明してきました。それでは結局のところ、どちらの治療法を選ぶのが良いのでしょうか?私個人のおすすめは、やはり炭酸ガスレーザーによる稗粒腫治療です。
費用は多少かかりますが、その分「取り残しなく一度でしっかり取れる」「跡が残りにくく再発もしにくい」というメリットが大きいからです。特にお顔の場合、あとになって傷跡や再発に悩むくらいなら、初めから最も確実で綺麗に治る方法を選ぶ価値は高いと考えています。とはいえ、患者様それぞれの事情や優先事項もあるでしょう。
「とにかく保険適用で安く治したい」という場合は、まず皮膚科で圧出法による治療を受けてみるのも一つの考え方です。少数の稗粒腫であれば圧出法で問題なく取れてしまうことも多いですし、保険診療なら気軽に受けやすいと思います。ただし、圧出法で取った後にまた同じようなポツポツが出てきたり、傷あとが気になるようであれば、次はぜひ自由診療の美容皮膚科に相談してみてください。
その際は炭酸ガスレーザー治療を検討してみる価値が大いにあります。
まとめ
顔のできものは放っておいても自然に消えないことが多いです。稗粒腫かも?と思ったら、まずはお気軽に皮膚科を受診してみてください。一般皮膚科でも美容皮膚科でも構いません。専門の医師が診察すれば、その白いポツポツが稗粒腫なのか他の症状なのか判断できますし、適切な治療法の提案をしてくれます。
自己流でつぶそうとすると炎症や傷跡の原因になりますので避けてくださいね。美肌の大敵ともいえる稗粒腫ですが、正しい治療を受ければきれいに改善できます。顔の稗粒腫でお悩みの方はぜひ早めに専門医に相談してみてください。当院でも稗粒腫治療のご相談を随時承っておりますので、お困りの際は遠慮なくご相談ください。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。また、ほくろ、そばかす、シミ、にきび、ニキビ跡に対しての肌治療も積極的にさまざまな治療機器を導入し、多角的に治療を行っている。
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