元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

高嶋ちさ子のボ●ックス失敗:カラス天狗の原因

更新日:2025/12/08

公開日:2025/11/05

高嶋ちさ子さんは日本を代表するヴァイオリニストで、その歯に衣着せぬ発言と明るいキャラクターから多くのテレビ番組で活躍しています。そんな高嶋ちさ子さんの顔つきが一時期「変わった」と話題になりました。実は本人が出演したテレビ番組で、韓国で受けたボ●ックス注射(●部分はト)が失敗し、顔に思わぬ変化が起きたことを赤裸々に告白しました。

その際、2024年9月放送のバラエティ番組『ザワつく!金曜日』でこの体験を「夏休みの悲劇」として明かし、視聴者にも大きな衝撃を与えました。放送後、この“美容やらかし”体験談はネットニュースや週刊誌でも取り上げられ、大きな話題となりました。その結果、一時的に家族から「カラス天狗みたいになっている」とまで言われてしまったとか。

本記事では、美容外科専門医(ボ●ックス治療歴20年以上)の私の視点から、この高嶋ちさ子さんのボ●ックス失敗エピソードの経緯と原因を分かりやすく解説します。

参照元: joshi-spa.jptoyokeizai.net

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韓国で受けたボ●ックスが招いた悲劇

2024年の夏、高嶋ちさ子さんは額のシワ及び眉間のシワを解消するために韓国の美容クリニックでボ●ックス注射を受けました。施術後、担当医師から「薬剤が余ったからサービスで他の部位にも打ってあげる」と提案され、顔の別の箇所にもボ●ックスを追加注射されたそうです 。麻酔が効いていたこともあり、どこにどのくらい注射されたのか把握できないまま施術が終了したそうです。

しかしその約1週間後、高嶋さんの顔に異変が起こりました。ボ●ックスの効果が強く出すぎて、鼻の下(上唇と鼻の間)が伸びきってしまい、口元が思うように動かなくなったのです。笑っても上唇が持ち上がらず歯が見えなくなり、口元が不自然な状態になってしまいました。

高嶋さん自身、「顔が動かなくなってしゃべりにくくなった」と異変に気づき、「涙なしでは語れない」ほど苦い経験だったと振り返っています。

この顔の変化に家族も驚き、お父様からは電話で「お前の顔どうしたんだ?カラス天狗になってるぞ」と言われてしまったそうです。高嶋さんのお姉様にも「ちいちゃん、お顔がスネ夫みたいよ」とユニークに指摘され、本人もショックとともに笑いのネタにせざるを得ない状況だったようです。ネット上でも「顔の違和感がすごい」「鳥みたいな口になってる」などと高嶋さんの激変に驚く声が多数上がりました。

左側が「カラス天狗」のイメージ画像、右側がボ●ックス失敗後に表情が硬くなっていた頃の高嶋ちさ子さんの顔。家族から「カラス天狗」「スネ夫」と表現されたように、注射後の高嶋さんの顔は鼻の下が伸びて間延びし、笑顔がぎこちなくなっていました。比較すると確かに鼻の下が長く見え、まるでお面のカラス天狗のようにも感じられます。

高嶋さんは異変に気づいてすぐ、日本の病院でボ●ックス注射の効果を弱める修正注射を受けることにしました。しかしここで新たな問題が発生します。韓国のクリニックに「どの部位にボ●ックスを打ったのか教えてほしい」と問い合わせたところ、「カルテを作成していないので分からない」と返答されてしまったのです。

施術した医師側が記録を残しておらず、修正治療のための情報が得られないという杜撰さには、高嶋さんも困惑したことでしょう。

それでも日本の病院で適切な処置を受け、徐々に顔の状態は回復に向かいました。修正注射(アセチルコリン注射)を数回行いながらボ●ックス効果が自然に薄れるのを待った結果、その後は徐々に笑ったときに上の歯が半分見える程度まで回復したといいます。幸い現在は後遺症も残らず元の表情を取り戻りました。

整形の失敗談は本来人に知られたくないものですが、高嶋さんはこの出来事を隠さず公表し、自虐ネタに昇華できる強さも持ち合わせていました。

高嶋ちさ子さんの施術前(左)とボ●ックス失敗直後(右)の笑顔を比較した写真です。施術後は上唇がほとんど動かず、鼻の下が伸びてしまったため笑っても上の歯がほとんど見えなくなっている様子が分かります。不自然に感じる口元の変化は明らかで、高嶋さんが自ら失敗を告白したのもうなずける結果と言えるでしょう。

専門医が解説:高嶋ちさ子さんの顔が「カラス天狗」化した原因

では、なぜこのような顔の変化(いわゆる「カラス天狗」のような顔つき)が起きてしまったのでしょうか。しわの対するボ●ックス注射とは、筋肉内に注入し、筋肉の緊張を緩めてシワを軽減する治療です。メスを使わず手軽にシワ取りができるプチ整形の代表格として幅広い世代に人気を集めています。

しかし、軽い気持ちで手を出すと「こんなはずじゃなかった…」という結果を招きます。事実、ボ●ックス注射は一見手軽なプチ整形に思えますが、注入する部位や量、技術を誤れば表情が失われたり、顔のバランスが崩れたりするリスクがあります。高嶋さんのケースはまさにそのリスクが現実化したもので、背景には2つの問題があったと考えられます。

額へのボ●ックス注射による眉の不自然な変化

ボ●ックスを額(おでこ)に打つとき、注入の仕方が不適切だと眉の位置が不自然に吊り上がってしまうことがあります。経験の浅い医師が額の筋肉への注射バランスを誤ると、一部の筋肉だけが過剰に緩み、逆に眉を引き上げる筋肉が相対的に強く働いてしまうのです(いわゆる「スパックブロウ現象」と呼ばれる眉だけが尖ったように上がる状態)。高嶋さんの場合も、施術直後は眉が不自然に上がった表情になっていた可能性があります。

この眉の吊り上がりを修正するため、後から眉の上部に追加でボ●ックスを打つことがあります。眉を下げる筋肉を緩めてバランスを取る狙いですが、今度はそれが効きすぎるとまぶた(上眼瞼)が重たくなり、目が開けにくくなってしまうのです。要するに、額への打ち方が不適切だと「眉が上がりすぎる」→それを直そうとして「眉を下げすぎる」という二段階の失敗が起こり得ます。

結果として二重の幅が狭くなり、まぶたに脂肪が被さって目元が腫れぼったく見える状態になってしまいます。実際、眉が極端に吊り上がった不自然な表情はボ●ックス注射の典型的な失敗例としてしばしば見られます。高嶋さんのボ●ックス施術後の写真を見ると、目元がやや重たく腫れぼったい印象も受けます。

これは額ボ●ックスの調整ミスによる典型的な症状と言えるでしょう。

▶️ 額・眉間のシワ治療についてはこちら

上唇への過剰なボ●ックス注射による鼻下(人中)の延長

高嶋さんの顔変化でもっとも顕著だったのが、上唇がほとんど動かなくなり鼻の下が間延びして見えた点です。これは、ボ●ックスが上唇を持ち上げる筋肉(上唇挙筋・上唇鼻翼挙筋など)に強く作用しすぎたために起こりました。本来、この部位へのボ●ックス注射は笑ったときに歯茎が出すぎる「ガミースマイル」の改善目的で行うことがありますが、高嶋さんは元々ガミースマイルではありません。

当然、この部分に注射をしてもシワ改善の効果はほとんど期待できず、副作用のリスクだけが高まります。それにも関わらず上唇上部に余計なボ●ックスを打てば、上唇が完全に緩んで伸びきってしまい、笑っても歯が全く見えない状態になってしまいます。まさに今回、高嶋さんの口元に生じた「鼻の下が伸びきって間延びした顔」はこれが原因でした。

家族から例えられた「カラス天狗」や「スネ夫」のような顔つきになってしまったのも、この上唇周りの筋肉が効きすぎて麻痺した結果なのです。

おそらく韓国の医師は、高嶋さんの加齢による上唇上の小じわ(いわゆる口唇上の縦ジワ)やほうれい線を目立たなくする目的で「サービス」のつもりでボ●ックスを追加注射したのではないかと推測されます。しかし、上唇周辺へのボ●ックス注射は特に慎重な適量投与が求められる部位です。効果が出やすい分、ほんの少し量を誤っただけで高嶋さんのように口元が動かなくなり、笑顔が作れないほど不自然な表情になってしまいます。

実際、私のクリニックにも他院で唇周りにボ●ックスを打たれ、「飲み物がうまく飲めない」「口元が歪んでしまった」「顔がこわばって不自然」などと訴える患者さんが少なくありません。

なお、今回の高嶋さんのように海外で安易に美容施術を受けてトラブルになるケースは珍しくありません。韓国は「整形大国」と呼ばれ技術力が高い先生も多くいますが、一方で施術後のトラブルが起こる例も後を絶ちません。言葉の通じる通訳がいるからといって安心はできず、十分なコミュニケーションが取れない状況自体がリスクだと指摘する声もあります。

高嶋さんのケースでは幸い日本で適切なフォローができましたが、海外で受けた施術のアフターケアが不十分な場合、泣き寝入りになってしまう恐れもあります。

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まとめ

高嶋ちさ子さんのボ●ックス失敗騒動は、ボ●ックス注射のリスクと医師選びの重要性を世間に知らしめる形となりました。ボ●ックス自体は適切に行えば額のシワ取りや表情ジワの改善に数ヶ月間効果を発揮する素晴らしい治療です。実際、通常は一度の注射で効果が4〜6ヶ月程度持続し、その後は体内で徐々に分解されて自然になくなります。

 

このため「いずれ元に戻るから失敗しても大丈夫」と思われがちですが、失敗した場合は効果が切れるまでの数ヶ月間は本人にとって大きな苦痛となり得ます。高嶋さんも鼻の下が伸びてしまった数ヶ月の間、思うように笑えずさぞ辛い思いをされたことでしょう。

 

万一ボ●ックスが効きすぎてしまった場合、対処法としては修正用のアセチルコリン注射を数日おきに打つことが考えられます。高嶋さんも実際にこの修正注射を受けて徐々に回復しました。しかし、アセチルコリン製剤はボ●ックスほど持続性がなく効果は一時的です。

 

そのため頻回に注射を繰り返す必要があり、現実的な解決策とは言い難いのが現状です。また、修正注射を行っても症状が完全に元の状態に戻るとは限らず、元の状態に近づける程度に留まるケースもある点には注意が必要です。従ってボ●ックスの効果で出過ぎた場合はボ●ックスの効果が薄れるのを待つしかないというのが一般的で、そうなる前に失敗を防ぐことが何より重要です。

 

高嶋さんほどの有名人であれば、国内の信頼できる専門医に任せる選択肢も十分あったはずですが、なぜ敢えて異国で経験の浅い医師の施術を受けたのか…正直疑問が残ります。しかし、この出来事は私たち一般人にとっても他人事ではありません。美容医療を受ける際は、「安い」「流行っている」という理由だけで飛びつかず、実績があり信頼できるクリニック・医師を選ぶことが何より大切です。

 

費用や手軽さよりも、安全に施術を受けられるかどうかを最優先に考えましょう。美容整形は信頼のおける経験豊富なドクターに任せるべし——高嶋ちさ子さんの体験から得られる教訓は、この一言に尽きるのではないでしょうか。

 

以上、高嶋ちさ子さんのボ●ックス失敗エピソードについて専門医の視点から解説しました。このケースは決して他人事ではなく、美容医療を利用する全ての方にとって重要な教訓の一つと言えるでしょう。皆さんも施術を検討する際には、ぜひ今回の教訓を思い出し、安全で後悔しない美容医療を選んでいきましょう。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、エラボ●ックスの元神メソッド開発者。アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている
ウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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