元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

美容外科・自由診療における偽医師・偽看護師に注意!

更新日:2026/01/26

公開日:2026/01/28

最近、「偽医師」や「偽看護師」による無資格の医療行為が国内外で相次いで発覚しており、美容外科・自由診療の分野でも大きな問題となっています。「安いから」「有名クリニックだから」という理由で安易に飛びつくと、取り返しのつかない危険に晒される可能性があります。

昨今SNSやネット広告では「格安ですぐできる美容整形」「○○大学出身の名医による〇〇術」など魅力的な宣伝も散見されますが、その裏に潜む危険性も理解しておかねばなりません。本記事では、実際のニュース事例を踏まえつつ、なぜ無資格者による施術が危険なのか、そして患者様自身が身を守るために何に注意すべきかを解説します。

タイ高級クリニックで“偽医師”摘発 – 見た目の安心は危険

タイ・パタヤの高級美容クリニックが摘発され、医師免許を持たない人物がボトックス注射を行っていたことが明らかになりました。2026年1月15日、パタヤの4階建てで内装も高級な美容クリニックにタイ警察が踏み込み調査を行ったところ、緑色の制服を着た女性が客にボトックス注射の施術中でした。この女性(43歳)は調査の結果、医師ではないことが判明し、無資格で医療行為を行った容疑でその場で逮捕・起訴されています。クリニックのオーナーも無許可で医療施設を開設し違法に薬剤を販売していた罪で摘発されました。

一見すると「豪華な内装のクリニック=安心・安全」と思いがちですが、それは大きな誤りです。 現地の報道でも「タイのクリニックでは想像以上にニセ医師が美容系の施術を行っている」と警鐘が鳴らされており、綺麗なクリニックだから安心とは限らないのです。実際、このパタヤのケースでは見た目は一流でも、中身は無資格者が施術を行っていたわけです。

「海外なら安くてお得」と安易に飛びつくと、命に関わるリスクを背負う可能性があります。

参照元: パタヤの美容クリニックで「偽医師」逮捕。摘発時もボトックス注射中。 | タイニュース・クロスボンバー(X-bomber Thailand)

大手クリニックでも発覚した「偽看護師」事件 – 名前だけで安心できない

「大手なら安心」と思っていませんか? しかし残念ながら、業界大手のクリニックですら無資格者による医療行為が行われていた実態があります。その代表的な例が、全国に約100院を展開する美容クリニックチェーン「東京中央美容外科(TCB)」で2025年に発覚した事件です。

TCBでは、看護師の資格を持たないスタッフ(「美容アシスタント」と呼ばれる従業員)が日常的に笑気麻酔や塗り麻酔などの医療行為を無資格で行っていたことが内部告発により明らかになりました。

麻酔行為は本来医師か有資格の看護師しか行えない医療行為であり、無資格者が行えば明確に医師法・看護師法違反です。厚生労働省も「無資格者による麻酔の施行や看護師を名乗ることは法令違反に該当する」と警告しています。この問題に対し警察も動き、該当スタッフは医師法違反の疑いで書類送検される事態となりました。

この事件は週刊誌報道で「“ニセ看護師”が語る怒りと苦悩」というタイトルで伝えられ、美容医療業界に大きな衝撃を与えました。大手クリニックの看板があっても、その裏で無資格の人物が患者に医療行為をしている可能性があるという、信じがたい実態が浮き彫りになったのです。 ネームバリューや規模の大きさだけで安全を判断することはできません。

参照元: 美容外科大手TCBについに捜査が!「なぜ私たちだけがこんな目に」“ニセ看護師”が怒りの告発 | 週刊文春

無資格者による施術が危険な理由

では、なぜ医師免許・看護師免許を持たない人間による美容医療がそれほど危険なのでしょうか? 主な理由を挙げます。

解剖学的知識・技術の欠如による深刻なリスク

無資格者は人体の構造や医療知識が不十分なため、施術ミスによる重大な事故が起こりえます。例えばフィラー(ヒアルロン酸など)を誤って血管内に注入してしまうと、血流が遮断されて皮膚が壊死したり、深刻な場合は失明を引き起こすことがあります。実際に報告されている頻度はごく稀とはいえゼロではなく、一度起これば取り返しがつきません。また、解剖学的に危険な部位に誤注入すると神経損傷や麻痺が生じるケースもあり得ます。

緊急時対応能力の不足

医学的トレーニングを受けていない人間は、施術中や施術後に患者に異変が生じても適切な対処ができません。例えば、注射や薬剤に対するアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起きた場合、数分以内の迅速な処置が患者の命を左右します。無資格者にはその判断も処置も不可能であり、非常に危険です。医師であれば救命措置や緊急薬の投与など適切な対応が取れますが、偽医師・偽看護師にはそれができません。

衛生管理・医療環境の問題

闇クリニックや自宅での違法施術では、衛生環境も劣悪な場合が多く、感染症リスクも高まります。手術器具や注射器の消毒不備から細菌感染や肝炎ウイルス感染などにつながる恐れも否定できません。正規のクリニックであれば滅菌や消毒を徹底し、万一感染が起きても適切な抗生剤投与など対処が可能ですが、無資格者にはそうした環境も備わっていません。

違法行為ゆえの責任放棄

そもそも無資格で医療行為を行うこと自体が法律違反です。そのため、何かトラブルが起きてもそういった偽医者は責任を取らずに逃げてしまう可能性があります。アフターケアや補償など望むべくもなく、被害に遭った側が泣き寝入りするケースも考えられます。違法な施術を受けるということは、自分自身も法の保護外に飛び出してしまうのだと認識すべきです。

このように、無資格者による治療は医学的リスクも法的リスクも極めて高く、安易に受けるものではありません。厚生労働省も近年、「無資格者の美容注射」や個人が勝手に入手して行う「自己注射キット」による重大事故が相次いだことを受け、「医療機関外での注射施術は重大な法令違反かつ生命・身体の危険」だと明確に警告を発しています。

海外だけじゃない、日本でも起きる「闇医療」の実態

「無資格医がいるのは海外の怪しいクリニックだけでしょ?」と思う方もいるかもしれません。しかしそれは大きな間違いで、日本国内でも“闇医療”は現実に存在します。

最近の例では、千葉県在住のベトナム人夫婦が医師免許なしに自宅マンションで美容外科手術を行っていた事件が摘発されています。この夫婦は2020年11月から2021年3月にかけて、同郷のベトナム人やネパール人の20~30代女性計4人に対し、無資格のまま唇へのヒアルロン酸注射や二重瞼の形成術、鼻の整形などを施術していました。妻が「施術者」として注射や手術を行い、夫は「助手」としてサポート。取り調べに対し「ベトナムで親戚の美容外科医の治療を見学して技術を学んだ」と供述しています。

彼らは日本の正規クリニックで本来5~10万円するヒアルロン酸注射を1万5千円、20~30万円かかる二重整形手術を3万円という破格の安値で提供し、Facebook上でベトナム語を使って集客していました。まさに「安さ」を売りにした闇美容外科でしたが、裏を返せば「安いには理由がある」の典型例です。正規の美容外科医がそんな安価で高度な施術を提供できるはずもなく、それだけコストを下げられたのは無資格ゆえに衛生管理や人件費を無視し、安全を犠牲にしていたからに他なりません。

また、美容外科分野ではありませんが、大阪の自由診療クリニックで医師免許を持たない男が“偽医師”として勤務し、8か月間で169人もの患者に問診や薬の処方を行っていたという事件も2025年に発生しました。この男は経歴詐称の常習犯で、「京都大学医学部卒・京都大学病院で35年勤務」と偽りクリニックに採用されてしまい、保健所への医師登録手続きまで通っていたという巧妙さでした。最終的には保健所からの指摘で無資格が発覚し、医師法違反で逮捕・起訴されています。肩書や学歴にだまされて、医療機関側ですら偽医者を見抜けなかった例であり、日本でも起こり得る怖い事件です。

このように、「海外だから危ない、日本なら安全」という保証はどこにもありません。価格の極端に安い美容施術や、医師の経歴が不自然に立派すぎるケース(例:異様に若いのに要職歴を語るなど)には特に注意が必要です。 疑わしい場合は施術を受ける前に徹底的に情報収集を行いましょう。

▶️ 合わせて読みたい記事: 免許持ってない医師が美容外科手術!?日本にも存在する!?

参照元: 採用時に「京大医学部卒業」と偽り、医師免許なくがん治療などさせた疑い…66歳を大阪府警が逮捕

安全のために – 正規の医師による治療を受けましょう

美しくなるための美容医療が、無資格者の手により命を脅かすようなことがあってはなりません。大切なのは、「安さより安全」という当たり前の原則に立ち返ることです。 美容外科の施術を受けようと考えたときは、ぜひその施術者が本当に信頼できる医師なのかを確認してください。

患者様自身が自衛策を取ることも重要です。例えば、担当予定の医師の名前でインターネット検索をかけ、経歴や所属学会、論文実績などを調べてみることも有効です。実際に「本物の医師なら、論文や医学部での在籍記録など何かしらはネット検索でヒットする。何一つ出てこない医師には診てもらわない」という意見もあります。

クリニックの規模や宣伝文句に惑わされず、「この施術者は信頼に足るか?」をぜひ冷静に見極めてください。

私自身、正規の医師免許を持つ美容外科専門医として20年以上のキャリアを積んでまいりましたが、それでも日々新しい知見を学び、安全対策をアップデートし続けています。私のクリニック(青山セレスクリニック・船橋中央クリニック)では、カウンセリングから施術、アフターケアまで一貫して私(元神賢太)が責任を持って担当し、無資格のスタッフが医療行為に関与する余地は一切ありません。万一トラブルが起きた際にも、適切な医療処置を速やかに講じられる体制を整えております。

まとめ

美容医療は本来、適切な知識と技術を持った医師が行えば、安全性を確保しつつ理想の美しさに近づけるすばらしい手段です。だからこそ、「誰から受けるか」が何より重要です。皆様にはぜひ安全を最優先にクリニックやドクターを選んでいただきたいと思います。

 

不安な点は遠慮なく質問し、納得できない場合は施術を受けない勇気も持ちましょう。大切な身体を預ける相手は、信頼できる本物の医療従事者でなければならない——そのことを改めて強調して、本記事の締めくくりといたします。美容医療は安さや手軽さよりも安全性と信頼を最優先に、ぜひ適切な医療機関で受けていただきたいと思います。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている
ウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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