投稿日:2023/12/20
(最終更新日:2023/12/20)

処女膜再生・形成手術とは

処女膜再製に悩む女性

処女膜の再生を希望される女性は多くいます。また、初めての性交が事前に集めていた情報とかなり違っていて、戸惑う女性も多くいます。この記事では処女膜について医学的に詳述し、初めての性交時の反応について解説します。また、処女膜の再生・形成手術について解説します。

処女膜とは

処女膜(hymen)は、女性膣の入り口にある薄いピンク色の粘膜組織です。医学的には、処女膜は膣の入り口に部分的にまたがる膜として定義されます。この膜は、主に平滑筋繊維、弾性繊維、血管、および神経組織から構成されます。処女膜は完全に膣の内腔を仕切っているわけではなく、中心に穴が開いています。処女膜のこの穴を通して、生理の出血が起こります。処女膜の形態は、人により大きく違います。処女膜の特徴は以下の通りです

■位置と構造

処女膜は膣の入り口にあり、一部を覆っています。その開口部は性交や他の活動によって伸縮したり破れたりする可能性があります。

■形状

処女膜の形状は女性によって異なります。一般的な形状には、円形、半月形、または細い縞状のものがあります。

その形態により輪状処女膜、中隔処女膜、篩状処女膜という名称で分類されます。

処女膜の形態

■個人差

処女膜の厚み、弾力性、および存在する開口部の大きさは個人によって異なります。処女膜の厚さは通常1mm前後ですが、非常に個人差があります。また、ほとんどまたは全く処女膜が存在しない場合もあります。

■生理的機能

処女膜には特定の生理的機能があるわけではありません。一部の文化では、処女膜の状態が性的経験の指標とされることがありますが、これは医学的に正確ではありません。

■健康への影響

処女膜の有無や状態は、女性の健康や生殖能力に直接的な影響を与えることはありません。

■処女膜の多様性

処女膜の物理的な厚さや膣口の開口部の大きさについての平均的な数値は、個人差が非常に大きいため、特定の平均値を提供するのは難しいです。処女膜は薄い粘膜組織であり、その厚さは女性によって異なります。一部の女性では処女膜が非常に薄く、ほとんど感じられないほどである可能性があります。他の女性では、より明瞭で厚みのある処女膜を持つこともあります。同様に、膣口の開口部の大きさも女性によって大きく異なります。処女膜には自然に存在する開口部があり、これは膣口を完全には覆っていません。その開口部の大きさは、非常に小さいものから、タンポンの挿入や性交が可能なほどの大きさまで様々です。一部の女性では、処女膜の開口部が非常に小さいために、タンポンの使用時や月経時に痛みを感じることがあります。ただ通常、処女膜の状態や膣口の開口部の大きさは、女性の健康や性的機能にほとんど関係がありません。従って処女膜の多様性は正常な身体の一部と見なすべきであり、医療的な観点からは処女膜の有無や形態はほとんど意味がありません。

処女膜が破れるとき

処女膜の形態や存在の有無は女性によって大きく異なり、多様性が非常にあります。中には、生まれつき処女膜が非常に薄いか、全く存在しない女性もいます。これは正常な変異であり、女性の健康や性的機能には影響しません。処女膜はその形状や厚みは個人差があり、一様ではありません。一部の女性では、処女膜が非常に伸縮性があり、性交時にも破れないことがあります。また、スポーツや他の身体活動によって自然に破れることもあります。

処女膜の有無や状態が女性が「処女」であるかどうかを示す信頼できる指標ではないことを認識することが重要です。性的経験は処女膜の状態だけで判断することはできず、そのような判断は医学的にも社会的にも不正確です。一方、処女膜が非常に硬く、月経血の排出が困難だったり、性交が不可能だったりする状態もあります。これは処女膜強靭症と言われる病態です。

初交時の出血について

約43%の女性が最初の性交時(初交時)に処女膜が破れて出血すると報告されています。ただし、出血量は数滴から数日間続くものまで様々です。このデータは、処女膜が破れることによる出血の頻度を示していますが、個人差が大きいことに注意が必要です。また、すべての女性が性交時に処女膜が破れるわけではなく、処女膜の有無や状態が性的経験を示すものではありません。また、この約43%という数字は様々なソースで引用されていますが、実際どのような医学的証拠や研究から発信されているのかは不明です。初交時の出血の有無は個人差が大きく、処女膜の物理的特性や、以前に処女膜が伸びたり破れたりする他の活動など、さまざまな要因に依存します。女性の処女膜の特徴には多様性があり、性交以外の活動(タンポンの使用や運動など)も処女膜を伸ばしたり破ったりする可能性があることや、元々処女膜組織がほとんどない女性もいるため、初めての性交で出血がないことも多々あります。

初交時の痛みについて

初めての性交時に経験する痛みは、処女膜の裂傷によるものだけではありません。この痛みは、複数の要因によって引き起こされる可能性があります。主な要因は以下の通りです。

■処女膜の伸展または裂傷

処女膜が伸びたり破れたりすることで痛みを感じることがありますが、すべての女性が処女膜の破れによる痛みを経験するわけではありません。処女膜の厚さや弾力性は個人差が大きく、性交時に破れるかどうかは女性によって異なります。

■不安や緊張による筋肉の緊張

不安や緊張により膣の筋肉が緊張し、それが痛みや不快感の原因となることがあります。リラックスしていない状態では、膣の筋肉が硬くなり、挿入が難しくなることがあります。

■十分な潤滑がない場合

適切な潤滑がないと、摩擦が増え、性交時の痛みや不快感が生じる可能性があります。

■心理的な要因

性交に対する恐怖や不安、ストレスなどの心理的な要因も、痛みの感じ方に影響を与えることがあります。

■エビデンス

初めての性交に痛みを感じる女性の割合についてのエビデンスはいくつかありますが、統計によりかなりばらつきがあります。イタリアの研究では、18歳から40歳の女性1,034人に性交時の痛みについて尋ねたところ、約31%の女性が痛みを経験したと回答しました​​。一方、英国の研究では6,669人の女性を対象にした結果、8%が性交時の痛みを経験したとされています。また、アメリカ産婦人科学会では、女性の最大75%が何らかの時点で性交時の痛みを経験すると推定されています​​。また、初めての性交で快感を感じる女性も多数いますが、その割合に関する具体的なデータはありません。一般的には、男性は初めての性交が肯定的で快感を伴う経験であることが多いのに対し、女性の初交はしばしば否定的なものとして記述されますが、初めての性交における痛みや快感の経験は個人によって大きく異なります。

処女膜再生・形成手術とは

処女膜再生手術(処女膜形成手術)で処女膜を再生することが可能です。手術では残存する処女膜の破片を再縫合するか、もしくは新しい組織を使用して処女膜を再構築する外科手術です。

■処女膜の再縫合による手術

処女膜の残存している破片を特定し、それらを細い吸収性の糸で慎重に再縫合します。この方法は、処女膜の破片が十分に存在する場合に適用されます。

■処女膜の再構築による手術

処女膜の破片が不十分な場合、膣の周囲の組織を使用して新しい処女膜を形成します。具体的には、膣の内側から小片の組織を剥離して採取し、それを膣口に縫い付ける方法となります。

■処女膜再生手術のポイント

処女膜再生手術ではしっかりと膣粘膜を縫合し直すことです。処女喪失より年数が経っている場合などで処女膜がすでに残っていない場合は、膣粘膜を広範囲に剥離する必要があります。これには、高度な外科的技術が必要です。膣粘膜の剥離操作ができない医師も多く、その結果、手術の効果も全くないことになります。

処女膜再生手術

 

処女膜再生手術を希望される背景

処女膜再生手術(または処女膜形成手術)は、日本を含む多くの国々で行われいます。この手術を受ける女性のバックグラウンドは多様で、様々な理由や動機に基づいています。

■文化的・社会的圧力

一部の文化や社会では、処女性が非常に重視されるため、結婚前に「処女」としていることが期待されることがあります。このような文化的な背景を持つ女性は、社会的な期待や家族の圧力に応えるために処女膜再生手術を選択することがあります。

■個人的な理由

一部の女性は、個人的な理由や精神的な完結のためにこの手術を受けます。これには、過去の性的経験を乗り越えるため、または新しい関係を始める前に心理的な再出発を図るためなどが含まれます。

■パートナーへの影響

パートナーからの期待や要求に応えるために手術を選ぶ女性もいます。これは、パートナーが処女性を重視する場合や、特定の文化的背景を持つカップルにおいて見られることがあります。

■性被害経験の克服

性的暴力や虐待の経験を持つ女性の中には、そのような過去を象徴的に乗り越える一環として処女膜再生手術を受けることを選ぶ場合もあります。

処女膜再生・形成手術の手術後の流れと注意事項について

●処女膜再生手術後の抜糸はありません。

●シャワーは処女膜再生手術後当日より可能です。

●処女膜再生手術直後は、少し血液が傷口からにじむことはありますが、問題ありません。通常1日ほどで止まります。

●入浴・飲酒・軽い運動は処女膜再生手術1週間後から可能です。
●性交は処女膜再生手術2週間後から可能ですが、吸収性の糸が溶解するまで数か月要することもあり得るため、可能であれば性交は3か月後以降が無難です。

処女膜再生・形成手術のよくある質問

Q:処女膜再生手術後、初めて性交をした場合、ちゃんと出血があったり、痛みがあったりしますか?

A:手術後初めての性交では出血や痛みを伴い、自覚的にも“初体験”に似た感覚を持つことになります。ただし、ただ手術結果には個人差があるため、処女膜再生手術によりこれらの症状が保証されるとは限りません。

Q:処女膜再生手術の手術後、生理がきたらどうすればいいのですか?

A:いつも通りでよいです。生理の血液は今まで通り排泄されますので、ご安心ください。

Q:処女膜再生手術の傷は残りますか?

A:処女膜再生手術は粘膜を縫い合わせる手術ですので、傷跡はわかりません。

Q:処女膜再生手術は痛みますか?

A:局所麻酔だけの場合、局所麻酔の針を刺す時だけ、痛みを伴います。手術中は麻酔が効いていますので、無痛です。また、ご希望に応じてマスク麻酔を併用できます。マスク麻酔を併用した場合、局所麻酔の痛みも感じることなく完全な無痛で手術を受けられます。

まとめ

この記事では処女膜の解剖学的な解説や処女膜再生を希望された場合に必要な情報をできるだけ盛り込みました。重要なのは、処女膜再生手術はあくまで外科的な処置であり、女性の性的経験や価値を変えるものではないということです。この手術は、個人の自己決定と尊重に基づく選択であるべきと筆者は考えます。また、処女膜が元々ない女性もたくさんいることも重要な情報と考えます。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、女性器、男性器を問わず、多くの性器の美容外科手術を行っている。

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