投稿日:2024/04/13
(最終更新日:2024/04/13)
【唇のヒアルロン酸注入】リップフィラーによる唇整形の全容
「唇ヒアル」として知られるヒアルロン酸のリップフィラーの注入は、近年ますます注目を集めています。かつては板野友美さんのようなアヒル唇が流行しましたが、現在ではより多様化した美意識のもと、個々人の理想とする唇の形を実現するための手法として広く採用されています。このブログでは、ヒアルロン酸を用いた唇整形治療の方法、効果、注意点について詳しく解説します。また、治療を受ける際のポイントや、期待できる結果についてもご紹介します。
理想の唇とは
理想の唇とは 美容の観点から見ると、理想的な唇の形状や比率は、文化や時代によって異なることが知られています。西欧では長らく、上唇と下唇の理想的な比率は1:1.6、つまり下唇が上唇より若干大きいとされてきました。しかし、最新の研究によると、特にカリフォルニア大学の研究チームが発表した結果では、下唇が上唇の2倍の大きさである1:2の比率が、より魅力的とされるというデータもあります。一方、アジア地域、特に日本人と韓国人を対象とした研究では、1:1.56の比率が最もバランスが良いと評価されています。このように、理想の唇は個々の顔の特徴や美的目標、そして文化的背景によって大きく変わるため、個々人の理想を反映したカスタマイズが求められます。私が行う唇へのヒアルロン酸注入においても、これらの研究結果を踏まえた上で、患者一人ひとりの顔のバランスと希望に合わせた治療を行っています。
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唇にヒアルロン酸注入をする理由
唇にヒアルロン酸を注入する理由は多岐にわたります。以下のようにヒアルロン酸注入は単に美容的な理由だけでなく、加齢に伴う自然な変化への対策としても効果的です。それにより、多くの方々がこの治療法を選んでいます。
■プルプルとした唇になるため
多くの女性が、人気タレントのようなふっくらとしたプルプルの唇を理想としています。ふっくらした唇は、顔の印象を柔らかくし、若々しさを演出する効果があるため、非常に魅力的に映るのです。特に現在人気なのは、上唇のM字部位にヒアルロン酸を注入し、M字リップを強調する唇です。
■加齢による唇の変化への対応
加齢による唇の薄さや形の変化も、ヒアルロン酸注射で対応することができます。時間と共に失われがちな唇のボリュームを取り戻すことで、顔全体の印象が若返り、自信をもたらすことが期待できます。さらに、唇への注射は、加齢ととも伸びる人中(鼻下の距離)の長さを短縮し、よりバランスの取れた顔立ちに見せる効果もあります。
■加齢によるシワとたるみの改善
年齢と共に増える唇周囲の細かな縦ジワや笑いジワなども、唇へのヒアルロン酸の注入によって目立たなくすることが可能です。また、口角部位にヒアルロン酸を入れることで唇の端が上向きとなり、たるみが目立たなくなります。
唇にヒアルロン酸注入するメリット
ヒアルロン酸を使用した唇の注入治療は、非外科的な美容方法として広く利用されています。この方法は、わずか数分で完了し、通常ダウンタイムがほとんどないため、忙しい現代人に最適です。ヒアルロン酸注入の主なメリットとして、次のような点が挙げられます。
■ボリュームの向上
ヒアルロン酸のリップフィラーは、唇に自然なふくらみを加え、より豊かで魅力的な外見を実現します。この治療により、唇が自然にふっくらと見え、若々しい印象を与えることができます。
■M字リップの形成と構造の改善
フィラー注入によって、唇の輪郭を明確にし、全体の形状を整えることが可能です。これにより、顔全体のバランスが改善され、自然ながらも整った美しい唇を形成することができます。。特に上唇のM字部位にヒアルロン酸を注入し、M字リップを強調すると、きれいな唇になります。
■しわ・たるみへの対処
ヒアルロン酸の注入により、口元の細かなしわや深い線が目立たなくなり、より滑らかで若々しい外見を得ることができます。また、口角部位にヒアルロン酸を注入して、唇を上向きにすることも可能です。
■即効性と持続性
ヒアルロン酸は注入後すぐに結果が現れるため、施術後すぐに変化を実感することができます。また、注入ヒアルロン酸により異なりますが、その効果は通常12ヶ月から24ヶ月持続します。
■安全性と可逆性
ヒアルロン酸は人体にもともと存在する成分であり、アレルギー反応のリスクが極めて低いことが特徴です。万一、治療結果に満足できない場合には、ヒアルロン酸を溶解する区薬(ヒアルロン酸溶解注射)を使用することで、簡単に元の状態に戻すことができます。この可逆性は、ヒアルロン酸注入治療の大きな安心材料の一つです。
唇のヒアルロン酸注入(リップフィラー)の治療の流れ
■診察
診察 治療を受ける前の診察では、自分自身の理想とする唇の姿を具体的にイメージすることが重要です。例えば、美容院でヘアスタイルを決める際に参考にする写真のように、理想の唇の形を示す画像を医師に診察時に見せることが役立ちます。しかし、全ての人の顔の形や特性が異なるため、写真の通りになるとは限りません。医師は治療を希望される患者の唇の形、顔全体とのバランス、そしてその他の個性的な特徴を考慮し、どのような結果が得られるかを慎重に検討します。診察では医師のアドバイスに注意深く耳を傾け、治療によって実現可能な唇のイメージを治療前に持つこと大切です。
■治療の記録とシミュレーション
唇のヒアルロン酸注入治療を行う際、患者さんの具体的な要望に応じた準備が重要です。初めに、医師は患者さんの唇の状態を詳しく診察し、そのサイズや形状を正確に測定します。さらに、治療前の顔と唇の写真を撮影し、カルテに記録されます。これにより、治療後の変化を明確に把握することが可能となります。次に、治療の具体的なプロセスとして、患者さんの希望を再確認しながら、最終的な唇のデザインを決定します。この段階では、ヒアルロン酸を唇のどの部位にどのように注入するかが極めて重要です。適切な場所と量を選定することで、自然で美しい仕上がりを目指します。不適切な注入は、見た目に不自然な腫れぼったい唇を引き起こす恐れがあります。医師はこれらの情報を基に、患者さんが理想とする唇の形を実現できるようシミュレーションを行います。
■実際の治療
ヒアルロン酸を用いた唇の美容治療では、専門の医師が通常30ゲージの細い針を用いて、患者さんの唇の具体的な部位、唇と皮膚の境界線、上唇の中央にあるM字、そして口角などにリップフィラー(ヒアルロン酸)を丁寧に注入します。また、人中を高く見せる注入方法も可能です。治療中に腫れやあざが最小限に抑えられるよう、医師は施術中に適宜唇を軽く圧迫します。治療時間自体は数分で終わります。
■唇へのヒアルロン酸の注入量
唇のヒアルロン酸注入治療では、患者の希望に応じた注入量が非常に重要です。全体的なボリュームを向上させたい場合、上唇と下唇にそれぞれ約0.6ccから1ccのヒアルロン酸を注入することが一般的です。もちろん、上唇と下唇のどちらかだけの注入することもできます。また、全体には注入せずに特定の唇の部位だけに注入することも可能で、例えばアヒル唇のような形を目指す場合、上唇と皮膚の境界とM字部位に合計約0.3ccのヒアルロン酸を注入だけ実現することも可能です。
唇へのヒアルロン酸注入の施術の注意点
■唇へのヒアルロン酸の痛みについて
ヒアルロン酸を唇に注入する施術は、一部の患者にとっては強い痛みを伴う可能性があります。特に、唇と皮膚の境に注入する時に痛みが強くなります。しかし、この痛みは様々な方法で軽減することが可能です。施術前に局所麻酔テープを使用したり、麻酔成分を含むヒアルロン酸を利用したりすることで、不快感を最小限に抑えることができます。これらの麻酔処置により、患者さんはより快適に治療を受けることが可能となります。通常、治療後に伴う痛みは12〜24時間以内には自然と軽減されるため、大きな心配は不要です。
■腫れやダウンタイムについて
ヒアルロン酸を唇に注入した後、一時的に腫れやあざが現れることがありますが、これらは通常の副作用であり、ほとんどの場合は数日から1週間程度で自然に軽減します。腫れは特に治療後24~48時間で最も顕著になることが多いですが、個人差により、腫れが完全に引くまでに最大1週間かかることもあります。
■日常生活での注意点
ヒアルロン酸注入後、日常生活における特別な制限はほとんどありませんが、より快適に回復を促すためにいくつかの点に注意することが推奨されます。通常の食事は可能ですが、治療当日は腫れや炎症を避けるため、アルコールの摂取、激しい運動、そして熱いお風呂は避けた方が良いでしょう。これらは血流を増加させ、腫れを悪化させる可能性があるため、特に注意が必要です。また、施術直後は唇に直接触れる行為も控えることが望ましいです。化粧品の使用や、唇を強くこすったりすることは、刺激となり回復を妨げることがあります。施術後数日は、唇に優しいケアを心掛け、可能な限り自然な状態を保つことが大切です。
推奨されるヒアルロン酸の種類
私が唇のヒアルロン酸注入に推奨しているのは、「ジュビダームビスタ ボルベラXC」という製品です。このヒアルロン酸は、特に唇に注入するために開発されたもので、日本アラガン社製ジュビダームシリーズの中でも特に口唇増大を目的として厚生労働省の認可を受けています。ボルベラは他のヒアルロン酸製品と比較しても、その柔らかな質感が特徴で、自然な馴染みやすさと適度なボリュームを提供します。さらに、持続性に優れ、18~24ヶ月の効果が期待できるとされています。また、この製品には麻酔成分が含まれているため、施術時の痛みを軽減することができ、患者様にとってより快適な治療経験を提供します。
唇へのヒアルロン酸注入のリスクについて
唇にヒアルロン酸を注入する治療は、一般的には安全とされており、重大な合併症や副作用の発生リスクは非常に低いです。この治療は厳格な衛生条件で行われるため、感染のリスクも最小限に抑えられます。しかし、いくつかの軽微な副作用が発生する可能性はあります。これには、注入部位の一時的な赤み、腫れ、痛み、またはあざが含まれることがありますが、これらは通常、数日から一週間で自然に解消されます。万が一治療の結果に満足がいかない場合や、予期せぬ形状の変更があった場合には、ヒアルロン酸を分解する酵素「ヒアルロニダーゼ」を注入することで、注入されたフィラーを溶解し、唇の形状を元の状態に戻すことが可能です。このような対応が可能であるため、患者さんはより安心してこの治療を受けることができます。
唇のヒアルロン酸注入でよくあるご質問
Q: 唇のヒアルロン酸注入で唇が荒れることはありますか?
A: ヒアルロン酸注入は一般的に安全な施術とされていますが、施術者の経験不足や適切な施術方法が行われない場合、いくつかの問題が生じるリスクがあります。具体的には、唇が不自然に伸びてしまうこと、周囲の組織に損傷を与えること、フィラーが硬化してしまうこと、または注入部位に感染を起こすことがあります。これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富で信頼できる医師による施術を受けることが重要です。正しい手技と衛生管理が施されていれば、これらの合併症はほとんど発生しません。
Q: 唇のヒアルロン酸注入のダウンタイムはどのくらいですか?
A: 唇のヒアルロン酸注入後のダウンタイムには個人差がありますが、通常、腫れは施術後1週間程度で大きく改善します。しかし、完全に回復するまでには少し時間がかかることがありますので、特別なイベントや結婚式など重要な日程の前には、最低でも2週間前には施術を完了させることをお勧めします。これにより、イベント当日までには全ての腫れが収まり、最も良い状態で臨むことができるでしょう。
Q: 唇のヒアルロン酸注入の後、すぐに通常通り飲食できますか?
A: ヒアルロン酸注入後は、麻酔が完全に切れるまで飲食は控えた方が安全です。麻酔の影響で感覚が鈍くなっている間は、無意識のうちに唇を噛んでしまうリスクがあります。また、注入直後の24時間は、唇に力がかかるような行動は避けることが推奨されます。これにはストローを使った飲み物の摂取、喫煙、または固形物をかむことが含まれます。これらの行動はフィラーの位置を変えてしまう可能性があるため、慎重に行動することが望ましいです。さらに、アルコールの摂取は腫れやあざを悪化させる可能性があるため、施術当日は特に避けるべきです。
Q: 上唇と下唇、どちらにヒアルロン酸を注入するのが良いですか?
A: ヒアルロン酸は上唇と下唇のどちらにも注入することが可能です。どちらか一方のみに注入を希望される場合は、一般的に上唇にヒアルロン酸を注入することで、よりバランスのとれた美しい唇を形成することができます。
Q: 唇のヒアルロン酸注射では、注射の跡は残りますか?
A:唇をふっくらさせる注射の直後は針跡がわずかに赤くつくことはありますが、1日程度でなくなります。また、注射直後より口紅で隠せます
Q: 唇のヒアルロン酸注射の後、注射の跡は残りますか?
A: 唇にヒアルロン酸を注射した直後には、注射部位にわずかな赤みが見られることがありますが、これは通常、1日程度で消えてなくなりますのでご安心ください。また、注射後すぐに口紅を使用してカバーすることも可能です。医師の技術と使用する針の細さにもよりますが、正確な技術を用いれば、目立つ跡が残ることはほとんどありません。
Q:唇のヒアルロン酸はすぐなくなるというのは本当ですか?
A:唇は非常に血流がよい部位であることと頻繁に動かす部位であるために、通常のヒアルロン酸の場合は、6か月程度で吸収される可能性があります。このため唇では持続性が長く、唇を厚くする目的で開発されたアラガン社製の「ジュビダームビスタ ボルベラ」をおすすめします。ボルベラでは18~24ヶ月の効果が期待できるとされています。
Q: 唇にヒアルロン酸を注入する値段(料金)はどのくらいですか?
A: ヒアルロン酸注入の料金はクリニックによって大きく異なりますが、重要なのは料金だけでなく、クリニックや医師の選択にも注意を払うことです。安価な料金を提示しているクリニックでも、後に追加費用が発生することや激しいアップセールスが行われている場合があり、これは現在社会問題となっています。また、施術の品質は医師の技術に大きく左右されるため、信頼できる医師を選ぶことが非常に重要です。具体的な例として、私のクリニックでは通常のヒアルロン酸(麻酔入り)0.6ccを70,400円、より高品質なボルベラXC(麻酔入り)0.6ccを105,600円で提供しています。治療を受ける際は、事前にしっかりとクリニックの評判や医師の経験を調べ、適切な情報に基づいて判断を下すことが大切です。
まとめ
リップフィラーの使用は、見た目だけでなく、自信を高める効果もあります。しかし、ヒアルロン酸を唇に注入する際は、どの部位にどれだけ注入するかが非常に重要です。注入の位置や量を誤ると、不自然な腫れぼったい唇の原因になることがあります。そのため、施術は経験豊富な医師によって行うことが極めて重要です。美しく自然な唇は顔全体の印象を決定づけるため、信頼できる医師を選ぶことが不可欠です。特に、厚生労働省によって唇用として認可されているヒアルロン酸製品「ボルベラ」は、その品質と安全性から推奨されています。正しい製品の選択と専門的な医師により、理想的な唇の美しさを実現することができます。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、耳形成手術、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。外科専門医を取得しており、外科手術を得意としている。
【関連項目】
ヒアルロン酸でみずみずしい魅惑的なふっくらリップに!【症例写真あり】
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