出演者情報

元神賢太：医療法人社団セレス理事長 船橋中央クリニック院長 青山セレスクリニック理事長

萩原靖洋：美容クリニック業界でカウンセラーとして25年のキャリアを持つカウンセラー。

高橋：美容医療カウンセラーとして、8年のキャリアを持つ。美容治療経験者。

美容クリニックって儲かるの？

萩原：こんにちは。ナビゲーターの萩原です。

元神先生：ドクターの元神です。

高橋：カウンセラーの高橋です。

萩原：美容クリニック儲かりますか？今回は大手クリニックから独立をする医師が後を絶たない事情についてお伝えします。元神先生、銀座・青山・表参道を中心に次々に美容クリニックがオープンしていますね。

元神先生：そうですね。

萩原：ここ数年でとんでもなく増えているんですけれども、高橋さん、聞いたことのないクリニックの名前が結構増えましたね？

高橋：増えましたね。

萩原：クリニックに特化した不動産屋さんに聞いてみると、特に激戦区と呼ばれるエリアはオープンラッシュ、どんどん開業をしていく。ところが売上が芳しくなくて居抜きで次の医師が名前を変えて開業をするというケースがここ2～3年で増えているんだそうです。元神先生は全国チェーンのクリニックから独立されて2店舗のクリニックを運営されていますが、ご自分で(運営を)なさってから何年くらい経ちますか？

元神先生：8年くらいですかね。

若手医師の開業ラッシュについて

萩原：今の若手医師の開業ラッシュについていかが思われますか？

元神先生：大変だろうなと思います、単純に。クリニックはいきなり経営者になるわけですから、そんなにうまくいかないんですよね。

元神先生：皆さんは大変な思いをしていると思いますけどね。もう1つはドクターが経営しているんじゃなくてバックがいるところも結構多いんですよ。大手の例えば化粧品会社でスポンサーとしてお金を出して、院長みたいな感じで経営者みたいな感じでホームページ上は載ってるけど、実はただで雇われているだけとか。そういうのも結構ありますね。

若手医師の美容治療受けても大丈夫なの？

萩原：特に都内では若手医師の開業ラッシュが凄まじいですけれども、多くは全国チェーンで研修を積んだ医師たちと聞くんですね。2～3年間くらいで独立される医師も少なくないようなんですけれども。2～3年間くらい全国チェーンにいると全ての美容治療がしっかりできるようになるものですか？

元神先生：それは無理でしょうね。

萩原：何年くらいかかりますか？

元神先生：5年は少なくとも必要だと思いますけど、最低。

萩原：症例というのは経験がものを言う職人のようなものだと思うんですけれども、実際に若手医師の治療を受けるというのは高橋さん、抵抗がありませんか？

高橋：あります。怖いです。

萩原：結構サイトとかを見ていると若い。ちゃーんっていう感じでイケメンだったり、ちょっとこじゃれた髭が生えて金髪だったり、ちょっと特定できちゃうけども。でも「上手かな、どうかな」というのは若いとちょっと信用ができない部分は一般の方ってないのかな？と思うんですけど。

高橋：ないのかなって思いますよね。

元神先生：結構インスタとかで写真をどんどん載せているんですけど、写真というのは修正できますから結構修正してますよね。いかにも上手なように見せている事が多いですよね。

萩原：症例写真とか。

元神先生：症例写真。

若手医師はなぜ次々に開業するの？

萩原：若手医師が次々に独立・開業する背景には何があるんでしょうか？例えば美容クリニックは儲かるから、モテるから、トレンドだから。何かありますか？

元神先生：まず1つは大手の美容外科が大量に医師を雇っているわけですよね。そこが1つあって、医学生の時から「美容クリニックは儲かりますよ」と話して大量に医師を雇って、どんどんそういうドクターが1～2年やって「これだったら自分でもできる」と思って独立したり、(開業の)話を持ちかけられたり、「独立した方が儲かりますよ」ってスポンサーの会社に言われて一緒に独立したりというのは多いですね。

萩原：なるほど。例えば大手の全国チェーンで勤務していると、ひっきりなしに患者様が来られますよね。これはテレビをはじめとしてサイトとか雑誌、広告をガンガン流しているからなんですけれども、若手のドクターは多分「こんなに患者様が来るなら自分でもできるんじゃないか」って錯覚しちゃうところがあるんじゃないかなって思うんですね。

元神先生：そうですよね。実際は本当に集客って大変なんですよ。集客ができなくて潰れちゃうんですよ。本当に大変なんですよね。

萩原：先生、切実な感じの顔になりましたけど。

大手クリニックの医師はできるオペが限られている？

萩原：次に大手のクリニックは在籍ドクターの数、さっきの先生の話にもありましたけれども、非常に多いのでいろんなオペはさせてもらえないと聞くんですね。

元神先生：そうですね。

萩原：朝から晩までひたすらヒアルロン酸とボトックスを打ちまくる、レーザーでほくろを取りまくるというケースが多くて、いろんな手術をする機会がないから大手のクリニックにいてもスキルアップができない。じゃあ「独立していろんなことをやりたい」というふうに思うものでしょうか？

元神先生：1つの大手のクリニックで聞いた話では1人のドクターが色々できちゃうとすぐ独立しちゃうから、なるべく色々できないようにするんですよ。1つの治療に固めちゃうんですよね。

萩原：なるほど、なるほど。

元神先生：それはありますね。結局1つの治療しかできないまま独立しちゃう方もいらっしゃるんですよね。結局試し試し患者様が来て「初めてやります」というのも。いかにも経験があるように話して初めてやるとか、そういうのはよく聞きますね。

萩原：実戦で研修を積んでいく感じ？

元神先生：そういう方も多いです。

萩原：実験台的な？

元神先生：はい。

美容クリニックは開業すると儲かる時代はあったか？

萩原：実際は一昔前だと美容クリニックをオープンすると儲かるという時代はありましたでしょうか？

元神先生：ただ昔から儲かっているクリニックもあれば、昔なのにそんなに競争も激しくないのに潰れているクリニックもありますから、一概に儲かるとは言えないです。どの業界でもそうですけども。ただ儲かっていた人は比較的多いというのはあります。昔はね。

萩原：今は大手や個人クリニックを含めて非常に多くの競合他社がいますね。多分5～6年前と比べると比較できないくらいですね。以前よりはるかに多くの広告を出さないと目立つことができなくなっているんじゃないかなと思うんですよね。美容クリニックで広告にかかる割合というのは大きいものですか？

元神先生：大きいと思いますね。

萩原：競合がこれだけ多いと知名度を上げるにはかなり大変ですかね？

元神先生：大変だと思います。

萩原：大手と同じくらいの広告費はかけられるものですか？

元神先生：それは不可能でしょうね。大手は月で億単位のお金をかけてますから。

高橋：億？

元神先生：億ですね。

萩原：1年で10何億⁉

元神先生：はい。そもそもゴールデンタイムのCMは1本何千万円とかですから。

萩原：すごーい。多くのスタッフを雇って次々にカウンセリングをこなして、手術もこなしていくというのも人件費の面で考えると現実的ではないですよね。大手のクリニックの時に自分を指名してくれていた患者様がいらっしゃると、独立しても来てくれるのかと思いきやそうとも限らないという話も聞きます。1から患者様を増やしていくという事をやっていくうちに資金が枯渇して廃業してしまうというケースもあるようです。こういった点から美容クリニックは今は儲かりませんと言えますか？

元神先生：やり方次第でしょうね。

萩原：やり方次第。もちろん例外もあって、コネクションのあるモデル事務所と提携して写真映えするモデルさんを無料で治療してどんどん、さっき先生がおっしゃった通り、インスタにアップしてもらって知名度を上げて集客に成功しているというクリニックもありますよね。

元神先生：あります。僕はすすめないですけどね。後輩のドクターにも聞かれる事がありますけどあまりすすめないですね。

萩原：なんて言うんですか？

元神先生：競争が激しいですよね。そういう世界に入りたいかっていう話ですよね。

萩原：なるほど、なるほど。そうなんですね。今先生の言葉にもあった通りかもしれませんが、簡単なものではないという事ですね。インスタで上手くいっている例というのは僕は一握りだと思っていて、苦戦しているクリニックが多いので開業して廃業して、そこに次の美容クリニックが入るという事を繰り返しているのかもしれないですね。

今後も若手医師の開業は増えていく？

萩原：先生、今後も若手ドクターの独立・開業は増えそうですか？

元神先生：増えるんじゃないですかね。大手があれだけたくさんの若いドクターを雇っていますから。

萩原：それは大手のクリニックからしたら辞めて独立しても次にまた入ってくるからそんな困る事はない？

元神先生：そうですね。

萩原：なるほど。ただ一般の患者様からするとそんなに経験のないドクターがどんどんクリニックを立ち上げて、よく分からずに行っていい結果が生まれないという事もある？

元神先生：ありますね。

まとめ

萩原：今回は若手ドクターが次々に美容クリニックを独立・開業しているお話、それはちょっと気をつけた方がいいよというお話、あとはインスタには気をつけろというお話、これをお届けしました。ありがとうございました。

元神先生・高橋：ありがとうございました。