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元神賢太：医療法人社団セレス理事長 船橋中央クリニック院長 青山セレスクリニック理事長

ワキガ症の手術について

元神先生：こんにんちは。ドクターの元神です。今回はワキガ症に対する手術方法についてお話いたします。

ワキガ症はアポクリン汗腺がニオイが出てしまうような状態ですけども、わきに主にアポクリン汗腺があります。ですので、わきにあるアポクリン汗腺を取り除けば、ワキガ臭と言われるニオイは改善します。

アポクリン汗腺をどのように取り除いたり、破壊するのかというのは手術以外の方法でもありますし、今回お話しする手術の中でもいろいろな方法があります。ですのでワキガ症をお治したい方は非常にやっぱり迷われると思います。今回はそれについて詳しくお話しいたします。

手術以外でワキガを治す方法

元神先生：まず手術以外の方法は改善する治療法はかなり色々あります。当院ではビューホット治療。いわゆる1回の治療で7割ぐらい改善いたします。これは非常に良い治療法と考えています。女性の方で周りに指摘されるほどではないけど、まる1日過ごしてわきを匂うと、「ワキガの臭いがするなあ・・・」と思う程度の強さであったら、十分ビューホットで改善しますし、1回の治療でほぼ満足できると思います。

手術にワキガを治す方法とは？

元神先生：今回は「ちょっと臭う」程度じゃないほど強い方に対して手術をお勧めする場合の話ですね。同じ部屋に入ると周りの方がすごくニオイを感じるとか、それぐらい強い場合は最初から手術をお勧めします。それはアポクリン汗腺の量と密度が圧倒的に多いので、手術以外の方法では十分な効果が出せないんですね。そういう理由で僕は手術の方をお勧めいたします。手術はですね。いましっかりできるクリニックというのが非常に減っています。手術以外の方法を行うのが主流になってしまっているので、ドクターが技術を磨く場がないんですね。ですけど私はもう20年以上、美容外科をやっておりまして、最初は機械などはなかったのでワキガ症の手術をめちゃめちゃやっているんですね。1番特異な手術の1つなんです。実はこのワキガ症に対する手術ですね。
私の技術としては補償いたしますけども、この手術方法についてまずお話いたします。

切開剪除法

元神先生：1つは「切開剪除法」という、わきの皮膚の真ん中を切開して皮膚を反転させて、物理的にハサミを使って取り除いていくんですね。皮膚をめくって取っていくんですね。そうするとしっかり取れます。ドクターの技量にもよりますけども、しっかり取れば100%取り除くことが可能です。

ですけど、わきの中央をだいたい5cm以上切開しなければならないんですね。反転させるために。かつ、わきの真ん中というのは一番アポクリン汗腺があるところなんですね。アポクリン汗腺が一番あるところをしっかり取ろうとすると、皮膚がどうしても薄くなるんです。皮膚が薄くなると何が起こるかというと、血流が悪くなるんですね。血流というのは「血のめぐり」です。「血のめぐり」が悪くなると皮膚の状態が悪くなる。皮膚の状態が悪くなると、最悪起こってほしくないことなんですけど・・・皮膚が壊死してしまうんですね。ですので切開したちょうど真ん中を中心に、皮膚が壊死した影響で傷がクシャクシャと醜いような状態になってしまう頻度が「切開剪除法」は高いんです。

アポクリン汗腺を取り除いてワキガ症は治るけど、傷跡がすごく目立つというのが一般的です。

工夫によっては凄くキレイにできるドクターもいるかもしれないんですけども、しっかりアポクリン汗腺を取ろうと思えば思うほど傷跡が目立ってしまうのはドクターとしてもジレンマがある治療になります。「切開剪除法」を行っているドクターは今もいますし、それを否定するつもりはないです。

シェービング法

元神先生：ただ僕がお勧めしていますのは、「シェービング法」という方法です。こういった器具を使うんですけども、わきの皮膚の端っこだけをだいたい3cm弱ぐらい切開して行う治療です。

最初にお話しした「切開剪除法」よりも傷は小さいです。これはわきの皮膚の端ですね、この腕側の端あたりを切開します。中央じゃないです。切開して片側だけを、しゅうそうさせるんですね。ですので先ほどお話した、皮膚周囲の血流が悪くなることはないんです。そこがメリットで、皮膚が壊死したりすることがないんです。そこが「切開剪除法」と一番違うところです。傷が小さくて済む、壊死することがないから傷跡が目立たないということです。

シェービング法の効果

元神先生：次に効果ですが、もう一回お見せしますがこういった器具を入れます。端っこに専用の刃がついているんですね。

元神先生：この刃が皮膚の裏側にあるアポクリン汗腺を取り除いていきます。物理的にやっていることは「切開剪除法」と全く同じです。ですのでこの治療も医者の技量によりますけども100%取れます。再発も私が行った場合はしないです。「切開剪除法」最大のメリットもこのシェービング法にはあります。しっかりワキガ症を治す方法としては、この2つの手術が一番いいのではないかと考えています。

その他のワキガ治療法

元神先生：他の手術方法の話をしますと、「吸引法」あるいは「超音波切開装置」を使った方法もあります。ただこれは、両方とも100%取れるわけではないですので、効果は弱くなっちゃいます。
手術もメリットが少ないんですよね。手術を受けるメリットが100%治すことだと僕は考えいていますので、100%治らないのであれば、ビューホット治療をお勧めします。
吸引法だったり超音波を使った方法ではなく、当院では「シェービング法」を一番お勧めしています。

ワキガ手術後について

元神先生：次に手術後についてお話いたします。「切開剪除法」にしても「シェービング法」にしても手術後はけっこう制限があります。これが一番のデメリットですが、これはしょうがないです。

「100%治すため」と思って割り切るしかないですね。握りこぶし大のガーゼがわきに挟まります。これをしっかり固定するんですね。1週間固定します。その間腕を動かせませんからけっこう行動制限ありますし、運動は全くできないです。説明するときは「家でテレビでも見ていてください」とお話ししています。

1週間後にはガーゼが取れますし、皮膚の状態が綺麗になっていますので大丈夫です。うちのクリニックでは念のため、さらに1週間は運動とかを控えていただきます。
術後の行動制限について付け加えますと、重たいものを持ったり、子供を抱っこしたり、車の運転はぎりぎりセーフ、気を付ければセーフかもしれないですが、自転車の運転は控えていただいています。部活や体育もできないのでお子さんが受けられる場合は、夏休み・冬休みなど休みがある時がいいですね。

ワキガ手術の効果はいつから？

元神先生：手術の効果が出る時期なんですけども、効果は直後から出ます。

物理的に無いわけですから、手術直後から効果が実感できます。そこが非常に喜ばれる点ですね。あとは傷跡はどうしてもありますけども、徐々に良くなっていきます。1ヶ月経てばかなり目立たなくなりますし、3か月後にはほぼ目立たないです。あとは年月が経てば経つほど傷は目立たなくなっていきますので、後々に傷がすごい目立ってしまうことはまずないです。

ワキガ手術後に気をつけること

元神先生：もう1つ気を付けていただきたいのは、1回皮膚を反転する操作があるものなので、わきの皮膚表面がその下の脂肪組織と完全に離されているんですね。そのための圧迫です。1週間あればしっかりくっつくんですが、最初はしわが寄った状態で治ってしまうことがあるんです。しわをそのままにしてしまうと、ずっとしわが寄ったままになってしまうんです。逆にしわが傷跡より目立ってしまうこともあります。ですので当院では手術の2週間後から、わきをしっかり伸ばしていただくんです。だいたい壁に寄りそって「ぎゅ、ぎゅ」っとストレッチする要領でわきの皮膚を伸ばします。そうするとちょっと寄ったところが伸びていきますので、それを少なくとも1ヶ月間ぐらいはやっていただいています。だいたい時間がある時は朝晩で1日2回。片側だいたい1～2分でいいです。これをやっていただくことで皮膚の寄りが改善しますので、それが非常に大事な治療後のケアとなります。

まとめ

元神先生：ざっと治療後の説明をしましたけれども、これ以外にも手術後で気になることがあれば、なんでも質問欄に書いていただいていいですし、電話でクリニックに実際にいただいてもお答えすることはできます。以上、十分な説明ではなかったかもしれないですけども、ワキガ症に対する手術方法について解説いたしました。