出演者情報

元神賢太：医療法人社団セレス理事長 船橋中央クリニック院長 青山セレスクリニック理事長

萩原靖洋：美容クリニック業界でカウンセラーとして25年のキャリアを持つカウンセラー。

高橋：美容医療カウンセラーとして、8年のキャリアを持つ。美容治療経験者。

二重埋没法詐欺にはどんな詐欺、治療があるの？

萩原：こんにちは、ナビゲーターの萩原です。

元神先生：ドクターの元神です。

高橋：カウンセラーの高橋です。

萩原：二重埋没法詐欺に気をつけろ！元神チャンネルBeautyでは元神先生に美容治療を分かりやすく解説してもらう動画をお届けしていますが、実はご覧いただいている方々から「元神先生がおすすめできない美容クリニックを教えてほしい」、「悪徳美容クリニックの手口を紹介して欲しい」といったリクエストが多く寄せられます。元神先生が20年近く、私が25年、高橋さんも10年と業界歴は長いわけですけれども、先生、いろんな美容クリニックの裏話・噂話聞きますね。

元神先生：はい。

萩原：こんなクリニックに気をつけろ、その料金は怪しい、おすすめできない治療、美容クリニックの悪どい手口、結果は二の次営業第一クリニックなど、クリニック選びや治療を考えるにあたって美容クリニックのやばいトークをシリーズ化してお伝えしたいと思います。

萩原：今回はその第1弾、二重埋没法詐欺に気をつけろ！です。元神先生、二重埋没法は美容治療の中でも一番人気のある治療ですね。

元神先生：そうですね。

萩原：かなりお受けになる患者様も多い。

元神先生：多いですね。

二重埋没法でトラブルが多発

萩原：高橋さん、そんな人気No.1治療の二重埋没法でトラブルが多発しているんですけれども、どんなトラブルだと思いますか？

高橋：トラブル？治療をしているふりをしてアイプチをしているとか？

元神先生：それはさすがにないでしょ(笑)

萩原：本当の詐欺だね(笑)一発目はすぐ外れる糸だから止めた方がいいよ詐欺です。先生、大体予想はつきますでしょうか？

元神先生：そうですね。あえて外れる方法とか糸で縫うという事ですかね。

萩原：それは作為的にできるものですか？

元神先生：やろうと思ったらできますよ、外れやすい糸とか。

すぐ外れる糸だからやめた方がいいよ詐欺

萩原：ちょっとこの手口をお伝えしていきますが、一番メジャーと言えばメジャーなやり方かもしれません。「二重埋没法」でサイトを調べると無数にいろんなクリニックが出てきます。金額もたくさん出てきますが、9800円とかの激安価格で大きく二重治療が出ていますね。「理想の二重に」「ずっと外れない」「腫れない」と書いてあるので、安くてきれいな二重になるならやりたいですよね？高橋さん。

高橋：やりたいです。

萩原：そう思って予約をしてクリニックに行くわけです。長いカタカナのオリジナリティに溢れる名前の付いた治療名が書いてあるので、それを受けたいというふうにカウンセラーに患者様は言うわけです。

実際のクリニックで行われてるであろうやり取り

高橋：9800円のエターナルファインスペシャル埋没法で二重にしたいです。

萩原：その埋没法はすごく弱い糸なのですぐ外れちゃう。弱い糸だから強く結ぶ必要があって、そうすると腫れちゃうんですね。それはもうダメです。こちらのプレミアムスーパーフォーエバー埋没法なら糸も丈夫で外れにくくて、オリジナルな留め方で治療跡も分からず高橋さんの目でも腫れません。

高橋：おいくらですか？

萩原：19万8000円です。なお脂肪が多いと外れやすいので、脂肪除去も絶対にやった方がいいと思います。合計で35万円です。一生に一回だからケチらずにやるべきです。意味がない治療をやってもすぐ外れて何度もやり直すことになったら無駄ですよ？高くつきますよ？

高橋：えー…じゃあローンでお願いします。

医者として二重の詐欺がどう思う？

萩原：元神先生、これはどうなんでしょう？

元神先生：まず医の倫理ってあるんですよね。医者としての倫理が。それは医学生から習っているというか、身体に染み込んでいるんですよね、通常は医学生から医者になった時に。結局あえて劣る治療をするという事は医の倫理に反しているんですよね、そもそも。言ってしまえば癌の治療をするときにあえて再発させるような治療をしているような、例えば手術の時にあえてわざと癌を取り残すとか。それと同じような事を結局二重の営業の時点でやっているわけですよね、そのクリニックは。あえて外れる方法とか、糸なんてどんだけ高い糸でも数千円なんですよ。現実に言うと数百円ですけど。その差は数千円ですよね、糸のコストっていうのは。それを何倍も取るというのはそもそもおかしいですし、あえて外れるような方法で治療をするというのは医の倫理に反しているんですよね。

萩原：なるほど。高橋さん、これ衝撃的な例えでしたがすごくズンときました？

高橋：ズンときました。

価格によって治療結果の良し悪しは変わる？

萩原：なるほど。例えとして9800円を35万円で高橋さんという患者さんにおすすめしましたけれども、中には二重で80万円ぐらいの請求もあります。先生、この価格差の分の治療結果の良し悪しはあるんですか？

元神先生：それは分からないですし、本当に値段設定は各医院自由なので素晴らしい方法で80万円の請求するのは究極的には問題はないんですけど、そこにあえて外れやすい方法とか色々設定をしてそこに持っていくのは先ほどお話した医の倫理に反しますよね。

萩原：なるほど。倫理という言葉がすごく多く出てきますけれども、高橋さん、激安料金で行って数十万円の二重を受ける方、実際に他院で受けた患者さんの相談って結構聞きますよね？

高橋：そうですね。そういった方の目を見ると、ラインもガタガタですし左右差があったり、すぐに外れちゃったりとかそういう方が多いように思います。

萩原：先生、結局高い金額でやってもそんなにいいものじゃないという感じで相談に来られるんですけれども、さっきの先生の言葉通りに原価自体はそんなに変わらないわけで、言ったら口八丁手八丁でどんどん上げていくという事が考えられますと。

元神先生：そうですね。

萩原：私、大学時代に新聞のチラシで見た6800円のコンタクトレンズを買いに新宿に行って、8万円のコンタクトを2時間すすめられたことがあるんですね。「6800円のはクズみたいなレンズなのでやめるべきだ」と。目に良くない。通気性や目の安全を考えるとこちらのレンズが絶対にいいですって永遠にすすめてくるんですね。18～19歳で若くて世間知らずだったので、クズみたいですすめられないならなんでそんなレンズ広告の1番デカいところに載せているんだろうって疑問に思いながらも結構素直に話を聞いていて、2時間結構迷った結果6800円のレンズを買うんですよ。バイト代を貯めて買ったわけですけれども、入れた瞬間ガラス玉が目に入ったようなゴロゴロした感じで着けてられないです。常に充血しちゃうと。本当にクズみたいなレンズでした。新宿の大手のコンタクトレンズ屋さん、東口出てすぐって言っちゃうと場所が特定されちゃいますけれども、安心して行ったんですけれども、先生、この広告に騙されちゃうというのは日本人特有ですか？

元神先生：どうなんですかね、特有じゃないと思いますけれども、結構野放し状態というところはありますよね。医療なんてそういうことやっちゃいけないんですけれどもね。

萩原：今コンタクトの例えで言いましたが、全国展開していてしょっちゅう新聞でも出るテレビでもやっているところなので安心と思ってしまうので、そこが6800円のものはダメで8万円のものはいいよと言われたら「あ！そうなのかも」と思うんですよね。結果2回使って捨てましたけれども。

20点留めで200万円になります詐欺

萩原：20点留めで200万円になります詐欺。高橋さん、題名だけ聞くとなんだと思いますか？

高橋：2点留めでいくらですというのを10倍留める？

萩原：という事は金額も？

高橋：高い？

萩原：10倍になるという内容です。元神先生、これは一時期すごく有名でやられていた手法ですよね？

元神先生：僕は20点留めはあまり知らないですけど。

萩原：今も近い事をやっているクリニックがあるというふうに聞くんですけれども、先生、これの解説をお願いします。

元神先生：埋没法ですよね？

萩原：埋没法です。

元神先生：埋没法で20点留めは僕は不可能だと思いますけどね。絶対20点留めてないと思いますよ。

萩原：1点留め、2点留め、3点留めというのは要は片方のまぶたで何カ所に糸を埋没させるかという事ですよね？

元神先生：そうですね。糸の点数の数え方はクリニックによって様々なんですよ。通常は糸の1本で1点留めで、2本だと2点留めと言うんですけれども、通常は1本の糸を2カ所で皮膚の力で留めるんですね。それを既に2点留めと呼ぶところもあるんですよ。

萩原：そうなんですね。

元神先生：だから業界一般的には2点留めと言われている方法を2×2で4点留めと数えるところもあるんですよ。ややこしいんですよ。

萩原：それは一般の方はご存じないからたくさん留めてくれるという印象がある。たくさん留めたらいいのかという話でもあるんですけれども。全国チェーンの「水系」の名前のクリニックがやっていた手法で、まだ今のようにネットで情報収集できない頃のやり口なんですけれども、私が患者さんから笑ってしまう話を聞いたのは40点留めで300万円と言われたと。その方にお会いしたんですけれども、その方は結果割引をしてもらって180万円のローンで受けていらっしゃるんです。診察をしたところどう見ても4点ずつくらいしか留めっていないという事がありました。実際に10点留め、20点留めというやり方可能なんでしょうか？さっき不可能だろうとおっしゃしましたが、そんなには留められない？

元神先生：留められないですね。今はそこまでの悪どいところは少ないんですけれども、それでもやっぱり似たような事をやっているところは未だにありますよね。埋没法でさすがに100万円とかは最近では聞かないですけれども、ただの埋没法でも50万円前後くらいのところもまだありますよね。

二重埋没法の相場

萩原：相場的にはどうでしょう？

元神先生：ただの埋没法なら10～20万円くらいの間だと思っていただければと思いますけどね。

萩原：それが50万円になる。そこにカラクリがあるわけですね。

元神先生：あんまり安い広告は逆に怪しいと思った方がいいですよね。数千円で医療なんて受けられるわけがないと思った方がいいです。それに最初から安いから問い合わせるという事自体がちょっとよくないので、消費者側としてそっぱりそこが防御するべきですから。

萩原：大学時代の僕にも言ってあげたいですね。6800円はクズしか買えないですよというふうに言いたいです。高橋さん、埋没法にまつわるトラブルを紹介しましたがけれども、どうでしょう？きっとこういったクリニックのカウンセラーさんも本意ではないんだろうな、やらされているんだろうなと思いませんか？

高橋：そうですね。雇っていただいている側なので、会社にこうしてと言われたらそれに従わざるを得ないのかなと。すすめたくない気持ちがあってもすすめなきゃいけないのかなとは思います。

元神先生：ただそういうクリニック、釣り上げアップセールスをやっているところは営業のカウンセラーが歩合制なんですよね。歩合制で売り上げの10～20％をもらえるから患者さんが200万の治療を受けたらガッツポーズしかないんですよね。

萩原：ガッツポーズしかない⁉

元神先生：これで40万円ゲットとか。そういうふうに陰で思っていて、全然患者さんの事を思っていない方が多いと逆に多いと思いますけどね。

萩原：そうなんですね。仕事の志が違う。先生のクリニックは歩合制は導入しない？

元神先生：もちろんしないです(笑)

萩原：しない(笑)元神先生、今回は9800円が数十万円になる、20点留めで200万円になる埋没法についてご紹介しました。先生、まとめをお願いいたします。

まとめ

元神先生：まとめは先ほどお話したように患者さん側もある程度の値段の相場観を下調べしたうえでクリニックに行ってください。あんまり安いところは怪しいですから。そこが1番大事だと思いますね。

萩原：分かりました。埋没法のトラブルは多いのでまだまだシリーズでお出ししていきます。

元神先生・萩原・高橋：ありがとうございました。