投稿日:2025/10/13
(最終更新日:2025/10/10)

ニキビは皮膚科で保険適用でどこまで治せる?徹底解説

私はにきび治療を専門としており、これまで多数の患者様(中高生から大人まで)のニキビに向き合ってきました。思春期のお子さんのにきびに悩む親御さんから、「皮膚科で保険診療ならどこまで治せるの?」「保険適用の治療だけでニキビは完治するの?」という質問を受けることがよくあります。この記事では、保険適用で受けられる皮膚科のニキビ治療の内容とその限界について解説します。

また、特に近年注目されている最新のニキビ治療「アグネス」について紹介します。にきびに悩む方や親御さんにとって、将来の肌を守るための指針になれば幸いです。

皮膚科で受けられる保険適用のニキビ治療

まず、皮膚科で行われている保険適用内のニキビ治療について整理してみましょう。にきび(医学的には尋常性ざ瘡)は皮膚科で「疾患」として扱われるため、医師の診察や処方には健康保険が適用されます。具体的に皮膚科で保険診療として受けられる治療は以下のとおりです。

  • 内服薬(飲み薬)

    抗生物質の内服によるニキビ治療が一般的です。抗菌薬を一定期間服用し、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑え炎症を沈めます。場合によってはビタミン剤(ビタミンB2・B6など)や漢方薬が補助的に処方されることもあります。漢方薬では皮膚の炎症体質を改善するとされる処方が使われることがありますが、効果には個人差があります。

  • 外用薬(塗り薬)

    毛穴の詰まりを改善したり、殺菌作用のある塗り薬が処方されます。外用薬には毛穴の角質を剥がして詰まり(面皰)をできにくくする作用があります。また抗生剤を配合した抗生剤クリームも症状に応じて使われます。。

  • 面皰圧出(コメド圧出)

    皮膚科で行うにきびの外科的処置です。専用の圧出器具を用いて、毛穴に詰まった皮脂や膿を物理的に押し出します。これにより毛穴の中の内容物が除去されるため、炎症が早く引いて跡が残りにくくなります。白ニキビ・黒ニキビの段階で圧出することで悪化(赤ニキビ・黄ニキビ化)を防ぐ効果も期待できます。面皰圧出は健康保険で認められた治療であり、数百円程度と比較的安価に受けられます。

以上が保険適用内で皮膚科が提供できる主なニキビ治療です。これらの治療はガイドラインでも標準治療として位置付けられており、軽症のにきびであれば保険診療の範囲内でも治ることがあります。

しかし一方で、「軽症だから皮膚科の保険治療だけで十分」と油断していると落とし穴があることも事実です。次に、保険診療の限界とニキビ治療の落とし穴について説明します。

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保険診療の限界:悪化するとニキビ跡(クレーター)になるリスク

ニキビは軽症だからといって侮れません。にきびは放置したり、効果不十分な治療のまま悪化したりすると、皮膚の奥深くまで炎症が及んでニキビ跡(クレーター状の凹み瘢痕)を残すことがあります。実は「軽いニキビ」であっても適切に治療しないと瘢痕(はんこん)を残しうることが分かっており、逆に早期に治療すれば瘢痕を予防できるというデータがあります。

私の経験上も、「最初はおでこにポツポツと小さいニキビが数個だったのに、皮膚科で塗り薬だけもらって様子を見ていたら数ヶ月で顔中に広がり、赤く腫れた重症ニキビになってしまった」というケースは少なくありません。特に10代は皮脂分泌やホルモンの影響でニキビが急速に増悪しやすいため、保険適用の治療だけで「大丈夫だろう」と慢心するとあっという間に重症化する恐れがあります。

重症化してしまったにきびが怖いのは、皮膚組織が破壊されてニキビ跡(クレーター状の凹みや色素沈着)が残る可能性が高まることです。特に炎症が深部にまで達すると真皮コラーゲンが損傷し、クレーター状の凹み(萎縮性瘢痕)が形成されます。このニキビ跡の瘢痕は治療が極めて難しく、サブシジョンなどの新しい治療はあるものの、完全に元の肌に戻すことは不可です。

つまり、一度クレーターになってしまった肌を完全に平らに戻す治療法はないのです。フラクショナルレーザー治療やサブシジョンなどの外科的治療やステロイドの局所注射で瘢痕の改善を図ることは可能ですが、あくまで「目立ちにくくする」程度であり、完璧に治すのは不可能と言ってよいでしょう。このように、保険診療で行う従来の治療(薬物療法中心)には限界があります。

実際、2000年代前半までは日本ではニキビは「青春のシンボル」と軽視され、受診率も低く(ニキビ患者のうち医療機関を受診するのは約10%程度)、受診しても塗り薬と抗生剤の処方が中心で十分な治療満足度が得られないケースが多々ありました。私自身、標準的な保険治療だけでは慢性的なニキビを完全に再発しない状態にまで治し切るのは困難だと痛感しています。とくに繰り返すニキビ肌や重症ニキビは保険診療の範囲では対処しきれず、結局ニキビ跡が残ってしまう患者さんも少なくありません。

軽症ニキビは保険治療で治ることもありますが、それは肌の新陳代謝が正常で一時的な軽いニキビの場合に限るというのが現実です。保険治療で一向に改善がしないかたや、繰り返しニキビができたりする方は保険適用の治療だけで完全に治すことは経験上ほぼ不可能です。さらにニキビが重症化してクレーター状のニキビ跡を一生残してしまっては、本人の精神的苦痛も計り知れません。

そうなる前に、「保険治療にこだわりすぎない」柔軟な発想が重要です。では、保険診療で一向に改善しない場合、具体的にどのようなアプローチが必要なのでしょうか?次の章では、保険適用外の自費治療の役割と、その中でも特に効果の高い「アグネス」治療について説明します。

参照元: dermatol.or.jp

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重症化を防ぐには早期から自費治療も検討を:保険外治療の必要性

にきびは悪化すると取り返しのつかないニキビ跡を残す恐れがあります。そのため、たとえ軽症でも将来の悪化を防ぐために早めに積極的な治療を行うことが大切です。特に繰り返すニキビ体質の方や、市販薬や保険の塗り薬だけでは効果が乏しい場合、保険適用外の治療(自費の美容皮膚科治療)を早期に取り入れることを筆者は強くお勧めします。

「自費治療」というと「高額な美容医療」というイメージがあるかもしれませんが、近年ではニキビ治療に関しても科学的エビデンスに基づいた先進的な治療が多く登場しています。保険診療でカバーしきれないニキビの根本原因にアプローチすることで、短期間でニキビを完治させ、その後の再発を防ぐことが可能になってきています。自費治療としてニキビに用いられる主な方法には詳細に後述する「アグネス」の他、ケミカルピーリングや各種レーザー治療、光治療(フォトセラピー)などがあります。

これらは保険が利かない分費用はかかりますが、皮膚科標準治療では得られない効果や即効性が期待できるものです。特に皮膚の奥にある皮脂腺そのものに働きかける治療は保険診療にはなく、自費ならではのアプローチと言えます。私が数多くの患者さんを診てきた中で感じるのは、「ニキビを早く確実に治したい」「もう繰り返したくない」のであれば、軽症のうちから自費治療を併用するほうが結果的に近道だということです。

実際、軽症の段階で自費治療を取り入れた患者さんの方が、保険治療だけで様子を見て悪化してから来院された患者さんより、ニキビ跡を残さず短期間で治癒する傾向が明らかです。その意味で、「軽症なら保険適用内で十分」と過信しすぎるのは危険であり、場合によっては保険診療にこだわることでニキビが悪化し、結果的に治療が長引くリスクがあるといえます。では数ある自費治療の中で、具体的にどの治療を選ぶべきでしょうか?

私は美容皮膚科医として様々な治療法を検討し、試してきましたが、ニキビ治療の決定版とも呼べる非常に効果の高い治療法に辿り着きました。それが次に述べる「アグネス(AGNES)」です。

ニキビ治療の決定版:「アグネス」を勧める理由

アグネス(AGNES)とは、ニキビの根本治療ともいえる画期的な自費治療です。アグネスでは、高周波(RF)エネルギーを用いてニキビの原因となる毛穴内部の皮脂腺を選択的に破壊し、再発しにくい肌質へと改善させます。具体的には、極細の絶縁針(断熱針)をニキビの毛穴一つ一つに刺入し、針先からRF(ラジオ波)を流すことで、その毛穴の皮脂腺だけを熱凝固させます。

従来のレーザー治療と異なり、針によってターゲットをピンポイントで狙えるため、周囲の皮膚を傷つけずに過剰な皮脂腺だけを破壊できるのが大きな特徴です。これにより、ニキビの主要因である皮脂の過剰分泌を抑え、アクネ菌の繁殖環境を絶つことができます。さらにRFの熱作用には殺菌効果もあり、アグネス治療を行うと皮膚上のニキビ菌(アクネ菌)の数が減少することも確認されています。

加えて、真皮深層に熱刺激を与えることでコラーゲン産生が促され、既存の軽いニキビ跡であれば肌が平滑化する(クレーターの凹みが浅くなる)効果も期待できます。つまりアグネスは、一度の治療で「過剰な皮脂を抑える」「ニキビ菌を減らす」「炎症を鎮める」「ニキビ跡を改善する」という4つの作用を兼ね備えており、まさにニキビの根本にアプローチする治療なのです。アグネス治療の効果は非常に高く、軽症~中等症のニキビであれば3回程度の治療で完了するケースがほとんどです。

一般的には1ヶ月おきに1回のペースで3回治療を行うことで、ニキビが再発しない肌質に生まれ変わるとされています。私のクリニックでも実際に「アグネスを3回受けたら、あれほど繰り返していたニキビがピタッと出なくなった」という患者さんが大勢いらっしゃいます。早期にアグネス治療を行うことで炎症による組織破壊を未然に防げるため、跡を残すことなくニキビを治すことが可能になります。

これは「ニキビができにくい肌質」に変えてしまうアグネスならではのメリットです。またアグネスはダウンタイム(治療後の回復期間)がほとんどないのも魅力です。治療後にわずかな赤みや軽度の腫れが数日出ることがありますが、メイクで隠せる程度で日常生活に支障はありません。

傷跡も針穴が一時的に小さなかさぶたになる程度で、1~2週間で目立たなくなります。副作用としてごく稀に色素沈着が起きる可能性がありますが、これも時間とともに薄れていきます。当院では施術1~3日後に一度経過チェック(メルティング処置といって溜まった皮脂を除去するケア)を行い、万全のフォローをしています。

筆者は日本でいち早くアグネスを導入し、これまでに延べ1万人以上のアグネス治療を手がけてきました。その豊富な症例経験から断言できるのは、アグネスはあらゆる種類のニキビ(炎症性ニキビ、嚢胞性ニキビ、粉瘤性ニキビなど)に対して有効であり、治療効果が長期持続する点で従来の治療とは次元が違うということです。実際、ニキビの主要な原因(皮脂腺・菌・炎症)を除去できるため、一度治療を完了すればその治療効果は持続的で、患者さんはニキビに悩まない生活を手に入れています。

まさに「ニキビ治療に革命をもたらす革新的な方法」と言えるでしょう。以上の理由から、私は「ニキビで悩む全ての方に、症状が軽いうちからアグネス治療を検討してほしい」と考えています。特に若い年代の方は皮脂腺が旺盛でニキビが悪化しやすく、ニキビ跡になればその先何十年と傷跡が残ってしまいます。

そうなる前に、早め早めの積極治療でニキビの連鎖を断ち切ることが大切です。その点、アグネスは思春期ニキビから大人ニキビまで幅広く適応でき、原因から断つ治療なのでどんなニキビにも有効です。もちろん皮膚科標準治療と併用しながら行うことで相乗効果も期待できます。

なお、アグネス治療の詳細や症例写真、副作用リスクなどについてもっと知りたい方は、拙筆の別記事「ベストのニキビ治療、それはアグネス!」も参考にしてください。アグネスの原理や具体的な施術の流れ、症例写真を交えて詳しく解説しています。

▶️ 高周波治療アグネスについてはこちら

まとめ

にきびは適切に対処すれば怖くありません。しかし、甘く見ると将来に大きな肌の傷跡を残しかねない疾患でもあります。皮膚科で受けられる保険適用の薬はニキビ治療の基本ではありますが、その効果には限界があることも知っておいてください。

 

特に軽症だからと油断して放置したり、保険治療だけで様子を見るうちに重症化してしまうケースは後を絶ちません。一度クレーター状のニキビ跡ができてしまうと現代の医療でも完全には治せないため、「ニキビは予防と早期治療」が極めて重要なのです。幸い現在では、アグネス治療に代表されるようにニキビを根本から治す効果的な自費治療が登場しています。

 

筆者(元神)は、若い年齢層の方々やその親御さんに対し、「ニキビは皮膚科の保険治療だけでもちろん一定の効果はあります。しかし、少しでも治りが悪かったり、再発を繰り返すようであれば、早めに専門クリニックでの先進治療(アグネス等)を検討してください」とアドバイスしています。費用の問題はありますが、ニキビ跡が残ってから後悔するより、将来の綺麗な肌への投資と考えていただきたいのです。特に思春期のニキビはその子のQOL(生活の質)や自己肯定感にも大きく影響します。

 

親御さんも「ニキビはそのうち治る」ではなく、お子さんのニキビが酷くならないうちに皮膚科や美容皮膚科で相談されることをおすすめします。早期の治療開始が、ニキビを跡形もなく治す最大のポイントです。そして数ある治療法の中でも、アグネスはニキビに悩む患者さんに自信を取り戻させる画期的な治療となり得ます。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

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