投稿日:2024/03/07
(最終更新日:2024/03/06)
【ニキビの原因と予防】食事と生活習慣の見直し
美しい肌を目指す私たちの日常生活において、ニキビは避けて通れない悩みのひとつです。特に顔のニキビは、頬やあご、額など、目立つ部位に現れるため、その存在は特に気になるものです。時には一時的に改善されるものの、またすぐに悪化してしまうこともあり、私たちの自信や外見に影響を及ぼすことが少なくありません。この記事では、顔にできるニキビについて、その発生の背景にある要因やメカニズムを詳しく掘り下げ、日常生活で取り入れられる効果的な予防方法をご紹介します。あなたのニキビに対する理解を深め、クリアな肌への第一歩を踏み出しましょう。
ニキビとは
誰しも人生で一度は経験する最も一般的に遭遇する皮膚トラブルの一つが「ニキビ」です。医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と称され、この症状は、毛包が皮脂や古い角質で詰まることにより発生します。一般的に、ニキビはその成り立ちにより「白ニキビ」、「黒ニキビ」、「赤ニキビ」といった様々な形態を示し、炎症の進行に応じて状態が変化します。多くの人々が思春期にニキビの問題に直面しますが、実際にはどの年齢層でもニキビが発生する可能性があります。これは単なる皮膚の問題ではなく、場合によっては深刻な精神的ストレスや自己意識の問題を引き起こすことがあります。特に重症化したニキビは、皮膚に永続的な傷跡を残すことも少なくありません。そのため、初期段階での適切な治療が、これらのリスクを最小限に抑える鍵となります。効果的なニキビ治療法が存在しますが、治療の途中で新たなニキビが発生することも珍しくありません。ニキビの治療には忍耐が必要であり、根気強く続けることが重要です。早期に効果的な治療を開始することで、ニキビが及ぼす肌へのダメージや精神的な影響を大幅に軽減することが可能です。
参照元:
ニキビができる原因
ニキビの発生には、複数の要因が絡み合っています。これらを理解することは、ニキビ予防と治療において極めて重要です。以下に、主要な原因を詳しく解説いたします。
1.毛穴の詰まり
皮膚表面の細胞が正常に生まれ変わるプロセス、すなわち「ターンオーバー」(新陳代謝)が乱れると、角質が肥厚し、毛穴が塞がれます。このターンオーバーの乱れは、日常生活のストレスや不規則な生活習慣によって引き起こされることがあります。
2.皮脂の過剰分泌
毛穴内の皮脂腺が過剰に働くと、皮脂が多量に分泌され、これがニキビの直接的な原因となります。思春期にはホルモンバランスの変化により、特に顔、額、胸、背中上部、肩など、皮脂腺が集中している部位でニキビが発生しやすくなります。
3.アクネ菌の増殖と炎症
毛穴内部でアクネ菌(ニキビ菌)が増えると、これが炎症反応を誘発し、炎症性ニキビが形成されます。皮脂がアクネ菌の栄養源となるため、皮脂の過剰な分泌はアクネ菌の増殖を助長し、結果的にニキビの悪化につながります。
ニキビが発生して悪化していくメカニズム
ニキビの発生と悪化の過程は、にきびの原因と重複する説明となりますが、以下のメカニズムで進みます。
1.毛穴の詰まり
皮膚の表面では、角質層の細胞が定期的に新しく生まれ変わります。しかし、このプロセスに異常が生じると、角化異常が起こり、毛穴の出口が塞がれてしまいます。
2.皮脂の蓄積
毛穴が詰まると、皮脂腺からの皮脂は肌の表面に排出されず、毛穴内に蓄積します。この蓄積した皮脂は、ニキビの原因となるトリガーの一つです。
3.アクネ菌の増殖と炎症の発生
蓄積した皮脂は、アクネ菌の増殖に最適な環境を提供します。アクネ菌は皮脂を分解し、炎症を引き起こす物質を産生します。これが皮膚に赤みや腫れをもたらし、ニキビの炎症を引き起こします。
4.炎症の悪化
炎症がさらに進行すると、毛穴内に膿が溜まり、ニキビはさらに重症化します。この段階では、皮膚の深層まで影響が及ぶことがあり、しばしば痛みを伴います。
にきびの種類
ニキビの理解には、まずその多様な形態を把握することが不可欠です。ここでは、ニキビが取りうるさまざまな形態を、その特徴とともに解説いたします。
■白ニキビ
閉鎖型コメド、閉鎖型面皰とも呼びます。毛穴の詰まりが原因で発生します。毛穴の出口が閉じている状態で、内部に皮脂や角質が溜まり、白い突起として見えるのが特徴です。
■黒ニキビ
開放型コメド、開放型面皰とも呼びます。毛穴の詰まりが部分的に開いており、皮脂や角質が酸化して黒くなっています。空気に触れると、酸化により黒く変色するため、このような名前がついています。
■赤ニキビ
炎症性ニキビとも呼びます。白ニキビや黒ニキビがさらに進行し、周囲の組織が炎症を起こした状態です。この段階では、ニキビが赤く腫れ上がり、触れると痛みを感じることが多くなります。
■黄ニキビ
膿疱型ニキビとも呼びます。赤ニキビがさらに進行し、膿を含む炎症を起こしている状態です。中心部に黄色い膿(または白い膿)が見えることが、このニキビの顕著な特徴です。
■紫ニキビ
結節性にきび、嚢胞性ニキビとも呼びます。 最も重症なニキビで、深部に強い炎症を起こしています。皮膚が硬くなり、紫色に変色することがあります。
ニキビは一般的には、白ニキビから黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビへと悪化していくと考えられています。しかし、個人の肌質やケア方法によっては、必ずしもこの順序通りに進行するわけではありません。
にきびを悪化させる可能性がある要因
日常生活において、私たちが無意識のうちに行っている行動や環境要因が、ニキビの発生や悪化に影響を及ぼすことがあります。以下に、ニキビの誘発または悪化に関連する主な要因を挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
■ホルモンの変化
思春期に増加するアンドロゲンホルモンは、皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を促進します。これにより毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが形成される可能性が高まります。女性においては、中年期に見られるホルモンの変化もニキビの原因になり得ます。
■食事の影響
高炭水化物食品(パン、ポテトチップスなど)の摂取は、ニキビの悪化と関連があります。これらの食品は血糖値の急激な上昇を引き起こし、結果的に皮脂分泌を促進することが知られています。また、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が豊富な高脂肪食、乳製品の摂取もニキビのリスクを高めることが指摘されています。しかし、にきびのある人が特定の食事制限に従うことが有益かどうかについては、さらなる研究が必要です。
■ストレスの影響
ストレス自体が直接的にニキビを引き起こすわけではありませんが、既存のニキビを悪化させるトリガーとなることがあります。ストレスは皮膚の免疫機能に影響を与え、炎症反応を強めることがあります。
■家族歴の影響
ニキビの発生には遺伝的要素が強く関連しています。両親が過去に重度のニキビを経験している場合、子どもにも同様の皮膚トラブルが生じやすいことがあります。
■脂性または油性物質への接触
皮膚が油性のローションやクリームに頻繁に触れると、毛穴が詰まり、ニキビの原因となることがあります。
■物理的な刺激や圧迫
電話機や携帯電話、ヘルメット、きつい衣服の襟、リュックサックなどによる摩擦や圧力が、皮膚の刺激となり、ニキビの発生を促すことがあります。
実はニキビの悪化とはあまり関係ないもの
一般的にニキビの悪化と関連づけられがちなものの中には、実際にはニキビにほとんど影響を与えないものがあります。
■肌の衛生状態
ニキビが単に「肌が汚れているから」というわけで発生するわけではありません。実は、肌を強くこすったり、刺激の強い洗浄剤を使用することが、皮膚を刺激し、ニキビの状態を悪化させることがあります。
■化粧品の使用
適切に使用すれば、化粧品が必ずしもニキビを悪化させるわけではありません。毛穴を詰まらせない、オイルフリーの製品を選び、毎日きちんと化粧を落とすことで、肌の健康を保つことができます。特に、油分を含まない化粧品は、ニキビ治療薬の効果を妨げることもありません。
ニキビの予防
ニキビは多くの人々が経験する肌の問題ですが、日常のケアによってその発生を軽減することが可能です。以下に、ニキビ予防のための効果的な日々のルーチンをご紹介します。
■ぬるま湯での毎日の洗顔
熱すぎる水は皮膚を刺激し、乾燥を引き起こす可能性があります。毎日ぬるま湯で洗顔することは、皮膚を穏やかに洗浄し、自然な油分を保ちながら不要な汚れや皮脂を取り除きます。
■適切なスキンケア製品の選択
オイルフリーの保湿剤を使用し、肌の水分バランスを保ちましょう。また、コメドジェニックでないメイク用品(オイルフリーで軽い質感のもの)を選び、毎晩メイクをしっかりと落としましょう。
■顔の肌への接触を避ける
手が顔に触れることは、アクネ菌の増殖や感染の原因となりますので、できるだけ控えましょう。
■髪型の工夫
髪の毛が顔に触れないようなスタイルを心がけることで、アクネ菌の伝播を防ぐことができます。
■マスクの使用を控える
髪型と同様にマスクはアクネ菌の伝播・増殖させる要因となり得ますので、できるだけマスクの使用は避けましょう。
■バランスの良い食事
動物性脂肪や高カロリー食品の摂取を控え、緑黄色野菜やビタミン、食物繊維を豊富に含む食事を心がけましょう。便秘がニキビを悪化させるという学説もあります。
■十分な睡眠とストレス管理
質の良い睡眠を確保し、ストレスを減らすことで、全体的な健康状態を改善し、ニキビ予防につながります。
医師の診察を受けるべきタイミング
ニキビの治療においては、自宅でのセルフケアだけでは改善が見られない場合、早めに医師に診察してもらうべきです。ニキビは悪化するスピードが早いためにより早い段階での積極的な治療をおすすめします。また、処方された薬を使用しても1か月経過してもニキビの改善が見られない場合は、治療方法を見直すべきです。一つの選択肢として、アグネス治療が挙げられます。これは、超極細の針を使用して直接皮脂腺を破壊し、ニキビを根本から治療する方法です。1回の治療で効果を実感できることが多く、重症化する前の早い段階での治療に特に効果的です。
まとめ
この記事を通じて、ニキビの多様なタイプとそれらが発生する機序について詳細に解説しました。ニキビの発生原因を深く理解し、それに基づいた予防策を日々の生活に取り入れることで、にきびの発生や悪化を防ぎ、きれいな肌を取り戻せる可能性はあります。ただ、自宅でのケアだけでは改善が見られない場合、ニキビの進行は想像以上に速いです。そうした悪化している状況では、早期にニキビ治療に精通した医師の診察を受け、専門的な治療を開始することを強く推奨します。正しい知識と適切な治療が、ニキビと上手に向き合うための最良の方法です。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。
【関連項目】
千葉エリアで治療をご希望の方はこちら

〒273-0005
千葉県船橋市本町6-4-15
グラン大誠ビル 2F
責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
東京エリアで治療をご希望の方はこちら

〒107-0061
東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者