「タトゥー分割切除」についての記事まとめ
2024/03/24
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【タトゥーの外科切除】経過・傷跡・つっぱり・痛みについて
タトゥー除去は一般的にレーザー照射が用いられますが、これには複数回の照射と長期にわたる治療期間が必要です。一方、タトゥーを迅速に取り除きたい場合、外科的切除が適した選択肢となることがあります。外科的切除では、タトゥーを含む皮膚組織を直接除去するため、一回の手術で完全にタトゥーを取り除くことが可能です。この方法は迅速かつ確実な除去を実現しますが、手術に伴う傷跡、皮膚のつっぱり、痛みなどの回復過程に関しては注意が必要です。本記事では、タトゥーの外科切除に伴う経過、傷跡、つっぱり感や痛みについて詳細に解説し、タトゥーの外科切除の治療選択をする際の参考となる情報を提供します。
外科的にタトゥーの除去を希望されるケースとは
外科的なタトゥー除去を希望する理由は多岐にわたります。以下に例示します。
■一刻も早くタトゥーを除去する必要
就職先の規則や現在の就業規則がタトゥーを認めていない場合において、早急にタトゥーを除去する必要が生じることがあります。
■1回で除去したい
タトゥーのレーザー除去には何度も通院する必要があり、これが難しい場合も外科的切除が選択されることがあります。
■傷跡のほうがいい
タトゥーのレーザー治療後に色素が除去された皮膚のタトゥーの陰影が残ることがあります。このような跡よりも傷跡のほうが好ましいと考える人もいます。
■タトゥーの跡形もなくなくしたい
タトゥーを完全に消去したい、跡形もなくする必要がある場合にも、外科的切除が選ばれることがあります。
外科的切除に適したタトゥーのサイズ
外科的に除去可能なタトゥーのサイズには実際には限界が存在します。外科的にタトゥーを切除する場合、通常、そのタトゥーが位置する皮膚部分を指でつまみ、タトゥーが皮膚の折りたたんだ部分に収まる場合に適しています。これは一度の手術でタトゥーを除去できる基準とされています。しかし、タトゥーがこの基準を超える大きさの場合、複数の切除手術に分けて外科的に除去する、いわゆる「分割切除」が検討することで大きなタトゥーも切除可能な場合があります。この段階的切除する分割切除により、大きなタトゥーでも安全かつ効果的に取り除くことが可能になります。
出典元:
外科手術が不向きなタトゥーの部位
一般に、タトゥーがつまめる皮膚内に収まっている場合、一回の治療での外科切除が可能ですが、部位によっては傷跡が目立つことやケロイドの形成リスクが高まります。具体的には、肩や胸の正中部、指や足首など関節近くの部位が該当します。これらの部位では、タトゥーのサイズに関わらずレーザー治療が推奨されます。これらの部位の皮膚は特に外科的切除後の傷跡やケロイドのリスクを考慮する必要があります。
↑上記のように指のタトゥーの切除は傷跡が目立つのでおすすめはしません。
タトゥーや入れ墨の外科的切除の経過
■step1:麻酔の実施
タトゥーの外科的切除手術の初めのステップは局所麻酔の施行です。これにより、手術中の痛みを抑えることができます。局所麻酔は、タトゥーがある皮膚の周囲に直接注入され、患部の感覚を一時的に鈍らせます。ただし、局所麻酔の注入時には針を刺される痛みが伴うため、もしこの局所麻酔の痛みも避けたい場合は、私のクリニックでhマスク麻酔による完全無痛麻酔も可能ですが、これには通常追加の費用が発生します。
■step2:タトゥー除去手術とアフターケア
麻酔が効いた後、手術は無痛で開始されます。タトゥーの大きさによって手術時間は変わりますが、一般的にはおおよそ30分前後です。手術後、患部には軟膏が塗布され、ガーゼで保護されます。
■step3:タトゥー除去手術後の痛みや経過について
タトゥーの外科的切除後、手術当日から数日はズキズキする痛みが発生することがあります。この痛みは通常、手術後に処方される痛み止めで緩和されます。ほとんどの場合、1週間後には痛みがほぼ感じられなくなります。日常生活に大きな制約はありませんが、術後1週間は飲酒や激しい運動を控えることで痛みが軽減されることが多いです。通常は手術後1~2週間後に患部に縫合した糸を抜糸するために再度通院が必要となります。抜糸不要の縫合法を選択することも可能ですが、この方法では傷跡が少し目立つ可能性があります。1回の外科切除で完全にタトゥーが除去できた場合は、これですべてが終了となります。
■step4:分割切除が必要な場合の2回目手術のタイミング
大きなタトゥーの場合、複数回の手術が必要となることがあります。2回目の手術のタイミングは、通常、最初の手術から最低6か月後に設定されます。これは、手術後の患部の皮膚が回復し、再度つまめる状態になるまでの時間が必要だからです。2回目の手術前に、残ったタトゥーがつまめる範囲に収まるかどうかを確認し、適切なタイミングで切除を行います。残存タトゥーが大きい場合、さらに時間を置くか、3回目の手術を検討する必要があります。さらに分割切除が必要な場合も同様にして手術時期などを決定します。
上記画像:腕のタトゥー切除の治療前
上記画像:腕のタトゥー切除2日後
上記画像:腕のタトゥー切除7日目(抜糸直後)
上記画像:腕のタトゥー切除3か月後
上記画像:腕のタトゥー切除6か月後
上記画像:腕のタトゥー切除12か月後切除法
275,000円(税込)
※治療後一時的に、治療部分の皮膚が引っ張られる感覚があります。
タトゥー外科切除後の傷跡について
タトゥーの外科切除後は傷跡が残ります。特にタトゥーの外科切除では皮膚が除去される分だけ残った皮膚には緊張がかかり、皮膚がつっぱります。そして傷跡のこの皮膚のつっぱりや緊張が原因で、傷跡が徐々に広がってしまう現象が起こります。これは医学的には、瘢痕拡大または瘢痕拡張と言います。特に体の動きが多い部位や、元々皮膚が緊張している部位の傷跡でこの瘢痕拡張は顕著です。私はこの瘢痕拡張(瘢痕拡大)がなるべく目立たないように手術時の工夫として減張縫合を行ないます。減張縫合とは、皮下縫合や真皮縫合の際、傷跡が盛り上がるように縫う方法です。これにより真皮への過剰な緊張が減張され、瘢痕拡張(瘢痕拡大)が緩和されます。このように傷跡(瘢痕)の目立たない、美しい治癒を目指す技術が減張縫合です。一般に瘢痕拡張した傷跡も月日、年月の経過ととも徐々に目立たなくなります。しかし、傷跡が完全に消えることは絶対にありません。
タトゥー外科切除後のつっぱりについて
タトゥー外科切除後のつっぱり感は、皮膚が除去された結果、残った皮膚にかかる緊張により生じる避けられない症状です。この不快な感覚は通常、術後1週間で軽減され、1か月後にはほとんど感じられなくなります。『皮膚は引っ張れば、いくらでも伸びる』という皮膚の伸縮性の特性が、時間とともにこのつっぱり感を減少する理由です。また、大きなタトゥーを段階的に除去する分割切除は、この皮膚の伸展性を活用しています。
外科的なタトゥー切除のメリットとリスク
外科的なタトゥー切除のメリットは即時の除去と完全除去です。つまり外科的切除では、レーザー除去に比べて、即時的な結果が得られ、小さなタトゥーに関しては、一度にタトゥーを完全に除去することが可能です。一方でリスクは傷跡の形成と限定された適用範囲になります。外科的なタトゥー切除では必ず傷跡を残し、これは特に大きなタトゥーにおいて顕著です。また、外科的除去では小さなタトゥーには適していますが、大きなタトゥーや特定の部位(肩や関節周囲)には不向きな場合があります。
タトゥーや入れ墨の外科的除去のよくあるご質問
Q:タトゥーや入れ墨の切除法の傷跡は目立ちますか、どのくらいで消えます?
A: 傷跡の目立ち具合は、タトゥーや入れ墨の大きさや位置によって異なりますが、治療後には当初目立つものの、時間が経過するにつれて目立たなくなる傾向があります。また、タトゥーの陰影が残るレーザー除去に比べ、タトゥーや入れ墨の外科的切除では薄い線が残る程の瘢痕です。ただし、瘢痕が完全に消えることはありません。
Q:傷跡はその傷がタトゥーや入れ墨の跡だったということはわかりますか?
A: 通常、手術による傷跡は時間と共に目立たなくなります。どんな手術でも傷跡が残るため、それがタトゥーや入れ墨の跡だとは周囲の人には分かりにくいです。骨折した場合の修復手術でも大きな傷跡が残るため、傷跡について周囲に人に指摘された場合でも「骨折の傷跡」と説明すれば、そのように理解される可能性があります。
Q:タトゥーを1回で消す方法はありますか?
A:タトゥーの 大きさによりますが、1回でタトゥーを消す唯一の方法は外科的に切除による除去だけです。タトゥーが位置する皮膚部分を指でつまみ、タトゥーが皮膚の折りたたんだ部分にすべて収まる場合1回の切除可能です。
Q:タトゥーを完全に消すことはできますか?
A:タトゥーの 切除治療の場合は、タトゥーを完全に消すことが可能です。一方、レーザーでも黒色のタトゥーであれば、色素に除去すること可能です。ただし、レーザーの場合は照射部位に色素沈着が残る場合があります。
Q:タトゥーや入れ墨の外科的除去の手術費用、値段はいくらですか?
A:タトゥーや入れ墨の外科的除去の手術費用に関しては、タトゥーの大きさに基づき計算されます。具体的には、1mmあたり3,300円~13,200円(税込)で、手術費用が割り出されます。しかし、この換算式によると高額になる場合があるため、一般的には小さなタトゥーでは15万円前後、中程度のサイズで25万円前後、大きなタトゥーの場合は40万円前後がおおよその目安になります。
切除法 385,000円(税込)
※治療後一時的に、治療部分の皮膚が引っ張られる感覚があります。
まとめ
この記事ではタトゥーや刺青を外科的に切除することについて、そのメリットに焦点を当てて解説しました。タトゥーの外科切除は、傷跡は残りますが、小さなタトゥーであれば、一度で除去できることが大きな魅力となります。また切除を検討される場合、多くの人にとって懸案事項となるつっぱり感や痛みについては1週間程度で改善します。この記事がタトゥーの除去についてレーザー照射以外の選択肢を検討している方々にとって有益な参考となれば幸いです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。外科専門医を取得しており、外科の切開切除手術を得意としている。
【関連項目】
めざましテレビに出ました!【タトゥーのレーザー除去について】
2012/02/14
院長ブログトップ > 前腕の大きなタトゥーを分割切除で除去した症例
前腕の大きなタトゥーを分割切除で除去した症例
レーザーでは取れない色(赤・黄・青など)が含まれている場合のタトゥーは、切除する方法が最もきれいに取れますが、1回で取れ切れない程大きな場合は、数回に分けて切除して除去します。これをタトゥー(刺青)の分割切除と言います。
今回は、右前腕の大きなタトゥー(刺青)を2回の分割切除で除去したモニターをご紹介します。
手術前(平成22年9月7日)
1回目の手術で切除したタトゥー(切除後はこのように縮みます)
1回目のタトゥー切除手術の直後(平成22年9月7日)
2回目の手術前(平成23年4月5日)
2回目の手術で切除したタトゥー
2回目のタトゥー切除手術の直後(平成23年4月5日)
2回目のタトゥー切除手術後約9カ月(平成23年12月25日)
タトゥー(刺青)は入れて数年してから、後悔して除去を希望されるかたが非常に多いのが現状です。タトゥー(刺青)は入れるのは簡単ですが、取り除くのは入れた時と比べると数段に手間がかかります。タトゥー(刺青)を入れる前は、本当によく考えた上で、決断してください。
それでもタトゥー(刺青)を入れてしまって後悔しているようでしたら、お気軽にご相談してください。ベストの方法をご提案いたします。
最後にこの患者様に書いていただいたアンケートです
船橋美容HP「タトゥー・刺青の除去」
青山美容HP「タトゥー・刺青の除去」もご参照ください。
美容整形外科・美容皮膚科
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東京・青山セレスクリニック
元神賢太
タトゥー除去, 刺青除去, タトゥー分割切除, 刺青分割切除
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